ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

5号室コミュの裏裏・田無寮たいむズ6号

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「田無寮大戦争・エピソード6〜乱〜」

松木は低い姿勢のままダッシュした。

「竹本-!」

「松木さん!」

竹本は構えた。

松木はものすごいスピードで走り抜けた。

松木の体に押された訳ではなかった。

だが竹本はその場に尻もちつきそうになるのをやっとのことでこらえた。

松木は圧倒的に本物だった。

竹本は今反応できない。

松木はフェイクを一つ入れた。

反応できないのに?

その相手は竹本ではなく、

藤谷だった。

「藤谷-!」

竹本が叫ぶ。

藤谷は松木の会心のタックルに吹き飛んだ。

田島のオートバイの割った窓ガラスから藤谷は落ちて行った。

「松木さん…なんて卑怯な…」

「黙らっしゃい」

松木の体は怒りで震えていた。

松木の肩からはうっすらと蒸気が上がっていた。

「これで俺の眼帯ともおさらばだ」

眼帯の意味は最後までわからなかったが、藤谷は松木の餌食になった。

「竹本、俺がなんで寮では静かにしているかわかったか」

竹本は激しく体をかいた。

松木は再び体勢を低く構え、竹本を見据えた。

「今度は本気で行くと思うよ」

松木が地面を蹴った、その時だった。

松木と竹本の前に閃光が走った。

竹本は反射的に眼をつむった。

「うっ」

しばらくして眼をあけると、

そこには谷川が、ピースで煙を燻らせていた。

「ラグ……&ピース」

その谷川の足下には、松木が倒れていた。

「谷川…」

「やだなー松木さん、ラグビーをなめてもらっちゃ困りますよ。

こちとら命かけてやってんですから」

松木は谷川に弱々しく手を差し伸べた。

「谷川…俺にも…ピースを…くれ」

2人はタバコを共有した。

「おい!谷川!はやく松木を始末しろ!」

「はいはい、わかってますよ、竹本さん。

ですが、ひとつ言っておきます。

俺は、俺のやりかたで生きるってね。

これだから楕円球はおもしろい」

谷川は言い終わるなり、仰向けに横たわる松木の腹めがけて拳を振り下ろした。

「グフッ……jdfhびsづfhsっlっdvcんjc!!」

その光景は、エイリアン4以外のなにものでもなかった。

松木は苦しみもがいた。

「地球では辛かったんだな…生きるのが…」

谷川は手を合わせ、階下へと急いだ。




玄関では、ケンシロウの戦国無双が続いていた。

「おらぁー!」

右腕一振りで岡田と宮崎を自販機へ叩き付けた。

コーラがぎょうさん出て来た。

「大石!自販機どうなっとんがや!」

ケンシロウ目がけて1年が飛び込んで行く。

「雑魚は引っ込んどれ!」

またもや武藤が自販機の餌になった。

それは地獄絵図そのものだった。

その時、ケンシロウの背中に数本の矢が刺さった。

「…うっ」

玄関の向こう側にいたのは、

早稲田大学弓道部の石井ちゃんだった。

「石井ちゃん……」

ケンシロウの体が少しずつ毒矢によって蝕まれて行く。

ケンシロウは冷たい床にひざまずいた。

「ボッ…ボディがっ……」

「逸見さん、クソ寮長はどこですか?教えてくださいよ」

「くっ…体が…」

「べっ別に言い直さなくても…」

ケンシロウは倒れた。

「よくやったな石井」

竹本が体をかきながら降りて来た。

「さて、吉田を探すとするか…」

1年生軍団は食堂の扉をぶち破った。




3階ではなおも激戦は続いていた。

ボイツ・栽松VS谷川。

「先輩、どっちが田無寮最強かはやく決めましょうよ」

「おめえ、知ってるんだぞ。

1年生が裏で俺のこと、ボイツって言ってること」

谷川は腹をかかえて笑い転げた。

「そんなこときにしてたんですか、ボイツ先輩」

「お前!」

「先輩、僕に勝てるとでも…?」

「はぁー?」

「なんなら麻雀で勝負しましょうか、ボイツ先輩」

「こいつ、生かしておけねえ!」

ボイツの横にいた栽松がボイツの肩を叩いた。

「悪いボイツ、俺、ちょっと銀行いって来ていい?」

「はぁー?」

「今日中に買いたい株があるんだよね…」

「…おまえってやつは…」

「頼む!」

そう言って栽松は階段を下りて行った。

「仲間がいなくなりましたね、ボイツ先輩」

「お前、しつけーんだよ」

「てゆーか、髪の毛切った方がいいですよ。

僕が切りましょうか?ボイツ先輩」

この一言で、普段キレてないボイツがキレた。

「おめえが切ったのは堪忍袋の緒だー!!」

ボイツは構えた。

そして呼吸をした。

気を溜め始める。

まわりの木々が揺れ始める。

風が鳴いている。

雲が雲を呼んでいる。

鳥達は恐れ、借金取りは新宿へ帰る。

「俺が部内でなんて呼ばれているか知っているか?

福島の粗大ゴミだー!!!」

ボイツはいきなり飛び上がった。

谷川は防御の構えをした。

しかし、そのままボイツは着地した。

「えっ」

ボイツは谷川に向かって走り出した。

「えいっ」

谷川は両腕で顔を塞いだ。

ボイツの右ストレートが谷川の両腕を破壊する。

「くっ」

「3次元の痛みを知れ!」

ボイツはそのまま谷川を追いつめた。

「やりますねっ…先輩…」

「逸見さんがいなけりゃ、俺が寮内ナンバーワンだ」

ボイツの攻撃ひとつひとつが谷川の急所をえぐる。

谷川は退いて間合いを取った。

「ボイツ先輩、先輩の強さは十分わかりました。

今度はこっちの番ですね。

先輩、僕が新歓コンパでやった芸覚えていますか?

僕は自分の筋肉をコントロールできるんですよ。

そうだなー普段は3%ってところかな。

ボイツ先輩、先輩には30ってとこですかね」

「ふっ、なめやがって」

「へへへ」

ボイツは右腕で口唇を拭った。

「筋肉をコントロールできるのは、

お前だけじゃ、ないんだぜ?」

「なにっ」

「谷川、上下関係ってやつを教えてやるよ」

「黙れ!吉田の犬のくせに!」

「はぁあー?

谷川、口の聞き方からじっくり教えてやるよ。

黒帯の俺がな」

2人は気を溜め始めた。

谷川はマルボロをくわえた。

「この灰が落ちた時、

それがゴングのなるときだ!」

「いざ、尋常に」

谷川のくわえるタバコの火が、

谷川の口元めがけて走り出した。

じりじり。

じりじり。

そして、

ゴングは鳴った。

つづく。

コメント(3)

あ、え、て、レベルを落として書きました。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

5号室 更新情報

5号室のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング