ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

ひろ兄記念館【離れ】コミュの『岡安保の視たい世界』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「要するに、損な性格なんだよ、岡安は」

鍋島助役はバインダーを開きながら苦笑する。ボールペンを回す指も、組んだ足も、駅員の制服も帽子も、いちいち様になっている。バインダーに挟んだ、お客さんからのクレーム情報を困り顔で見たあと、もう一度さっきから立ちっぱなしの岡安保(おかやすたもつ)を見上げる一連の流れにも無駄がなく嫌みもなく、要するにスタイリッシュ。そんなスーパーイケメン駅員、鍋島達也(なべしまたつや)は、しかしながらそういったイケメン感を全く鼻にかけることもないし、いつも通りの面倒見の良さで、もうすっかり誰もしゃべりかけなくなった新入りの駅員、岡安に話かけていた。

しかし岡安はそんな鍋島のいちいちかっこいい一連のあれやこれやに一瞥もくれることはなかった。鍋島がオシャレ・スタイリッシュ・バーニングな視線を岡安にじっとり向けているというのに、その視線を欲しがる女性社員や女性客がたくさんいるというのに、Facebookで鍋島のファンページができているというのに、岡安はその幸運を一身に浴びているというのに、それなのに気付かない。

否、気付くことができない。

今回のクレームの件に関してもそうだが、岡安は人の目を見ることができない。人の目を見て話すことができない。駅員という仕事は意外に客商売だし、意外に面倒くさい客が多い仕事である。暴風で電車が止まれば「お前が風を止めろ!」と詰め寄ってくる客がいる。切符をなくした客に、再度運賃を請求すると「阿漕な商売」と非難される。さまざまにわがままでいて変わった乗客がごった返す駅で働く駅員に、日頃から求められるスキルとして「上手にニコニコと波風立てないよう、事を荒立てないよう」というのが肝要なのだけれど、岡安にはその能力が致命的に徹底的に足りていなかった。

岡安はいつも下を向いている。窓口に現れた乗客に対しても目を合わせることができない。だから乗客の胸元あたりに視線が行ってしまい、ある女性客からは「いやらしい目で見てくる」と叱られたし、中年男性からは「人の目を見て喋らんかい」と叱られた。寡黙で口べたな岡安は、言い返す言葉も、取りなす言葉も紡ぐことができない。

例えば先述の切符を落としたケースにおいてもそうなのだけれど、切符をなくした乗客からは再度切符代をもらうのは、歴然としたルールである。他社だって同じことをしている。

けれども。

そうは言っても、説得などのやりとりが面倒くさかったり、その後トラブルになるのがごめんだという駅員は、「今度からは気をつけてください」と言って見逃すことも、まぁある。

岡安はそうすることもできなかった。

切符代を再請求して、そのもじもじとした陰湿な応対の仕方が何度もトラブルになっているのだから、じゃあもう請求しなければいいのに、そういった「臨機応変な対応」も岡安には難しい。入社時に言われたことを言われたとおりするしかなかった。

要するに、配属先が岡安には致命的なまでに向いていなかったのである。

「まぁさ、今後こんなお客さんが来たら、お前一人で片付けようとするんじゃなくてさ、オレら助役たちに任せろよ。オレらはお前よりカネもらってるんだからさ、それぐらいのケツ拭きはさせてもらうから」

鍋島助役はいちいち爽やかに岡安を慰めているというのに、岡安の視線は鍋島の組んだ足のつま先で固定されているし、鍋島の言葉に何一言返すこともない。

少し離れた場所で、さっきから鍋島に「珈琲淹れましょうか?」と聞くタイミングを伺っている、渡部明菜24歳なんかは「てめぇ岡安、なに鍋島さん独占し続けてんだよ、さっさと帰れよ、帰って死ねよ」という目で睨んでいるけれど、岡安はもちろんそれにも気付かない。

抜群の安定感である。それどころか。

「もう帰っていいですか」

岡安は、もう最悪のタイミングで最悪の言葉を、最悪の表情で吐く。これが彼が入社一年で簡単に周囲を完全に遠ざけた、必殺技とも言える応対だ。

「ははは、まったく。お前らしいなぁ。いいよ、おつかれ!」

鍋島は底抜けに人がいい。今や岡安に話しかける最後の助役と言ってもいいし、実際、今回のクレーム案件も4日前に発生したものだから、本来であればそのときの助役が岡安を呼び出して説教するべきなのだけど、そのときの助役がそれを嫌がって、人のいい鍋島に押しつけて、人のいい鍋島は快諾したもんだから、ただでさえ察しの悪い岡安は、4日前の覚えていないどころか見てもいない客からのクレームを反省せよと言われているわけで、まぁいずれにしてもこれ以上ふたりが話していてもどうしようもない状況ではあった。

「失礼します」

岡安は頭を下げたのかどうなのかわからないぐらいわずかに首を動かしてそのまま更衣室に入る。

「おつかれさまでーす!珈琲淹れましょうか?」


渡部明菜24歳が鍋島に急接近するのを鍋島は上手にあしらう。

「仮眠室にスウィーツ、置いてまーす!」
「なんだよなんだよ、明菜ちゃん。どこのなにを置いてくれたのよー」
「クォーターズのパウンドケーキなのです」
「出たよ、マジかよ、ウソだろ? もう今から仮眠とるよ」
「じゃあ添い寝してもいいですか!」
「いいよ、嫁と子供も呼んで4人で寝よう。ただしケーキはオレと子供が食うからな」

女性社員たちはすっかり甘党の鍋島が喜ぶツボを心得ており、鍋島もそんなことは察しているのだけれど、それでも抜群のコミュニケーションで角を立てずに、もちろん妻子ある身として決して過ちも犯さずに、爽やかになめらかに社会人生活を送っている。

そのうしろを光の速さで岡安が通り抜けていく。「おつかれさまでした」も、たぶん言わなかっただろう。

「岡安保、わたしはあいつが心配ですよ」

渡部明菜24歳は侮蔑の視線で岡安の背中を見送る。

「なんで? おもしろいじゃん」

パソコンに目を戻した鍋島は、すでにパウンドケーキの食べ方について考えている。


□────□


─岡安保の視たい世界─


坂を上がりきった角にある喫茶店が既に閉店しているシャッターの前でカヲリはぼーっと立っていて、僕はその前をいつも通り通り過ぎる。それを見送って、カヲリは少し離れたところからいつも通りゆっくりついてきているのを感じながら、そういえば今日はどっちがいいんだろうと悩んだ。先週は『ブルー・ブルー』だったから普通に考えれば『南風の寄る処』になるんだけれど、カヲリは『ブルー・ブルー』のソファが好きだし、『南風』は最近人気だから空いてないかもしれない。困った。

なんとなく振り返ってみると、僕が歩いている歩道の反対をカヲリが歩いているのがわかる。要するに『ブルー・ブルー』に行きたいということだ。思わず笑ってしまいながら車道を横切って、カヲリと同じ歩道を先行する。いつもの黒っぽい服装とは違って、明るく華やかな色使いが目立つし、いつもより露出が多い。このあとを想像すると僕はまた笑ってしまう。

後ろから来るカヲリを感じながら緑色の建物にピンクの照明が『ブルー・ブルー』の文字を夜空に訴えかけている。どこがブルーなんだろうと思う。そのじっくり見なければわからないほど小さくて目立たない自動ドアを入っていくと涼しくて人工的な風が身体にまとわりついていた喧噪を追い払って絡みついてくる。

パネルを確認しすると2014号が空いていた。バレンタインみたいだと思いながらボタンを押して、出てきた2014という紙をちぎり取っていると、カヲリはエレベーターを呼んでいた。天井では部屋の位置を示すランプが点滅していたけれど、もうそれを見なくても場所がわかってしまうのって少し恥ずかしいと思う。

エレベーターに乗り込むと同時に、後ろからカヲリが滑り込んできて、そしてそのまま僕の首に両手を絡めて体重を預けてくる状態でドアが閉まる。重みと温度を全身で感じながら僕たちはキスをする。カヲリの舌がとりあえず僕のくちびるを一周して、そして口の中でうねるのを堪能してから、自分の舌でカヲリの舌を押し返し、今度はカヲリの口の中で同じように舌を動かすあたりでエレベーターは4階に到着するから一旦身体を離して、薬指と小指にカヲリを引っかけながら、少し早歩きで2014号に入る。バスケットシューズを脱ごうとする後ろから抱きつかれた僕はそのまま倒れそうになるのをぐっとこらえて身体を返し、カヲリを玄関のドアに押しつけた。


花の香りがした。たぶん。


さっきのキスは僕で終わったから、僕はまたカヲリの口の中に舌を滑り込ませて、そしてカヲリの口腔を舌先でなでる。なぞる。

カヲリの鼻息がほお骨に当たる間隔が少しずつ短くなり、勢いは強くなっていく。目を閉じているカヲリを僕はまっすぐに見つめている。間接照明しかついていない玄関で、そのオレンジ色の光は頬の産毛に反射して輝いている。お互いに荒い息づかいの調子を少しずつ合わせていきながらしばらくの間、一週間分の挨拶のように、何度も首を左右に振って、深いキスを続ける。

カヲリが僕の頬に手を当てるのに応じて、右手の指先でカヲリの太ももをなぞると、カヲリが一度大きめに目を開いて、そして少し笑って、また目を閉じる。今日は僕が好きだといった素材のスカートを履いてきてくれていることもまた、うれしい。

薄い生地のスカートを太ももをなでながらまくり上げていく。一度だけくちびるを離してカヲリが目を開くのを待つけれど、今日は目を開かなかった。


服装を見てわかっていたけれど、今日のカヲリはきっといやらしい。


太ももの内側を撫で上げながらもう一度くちびるを重ねる。カヲリの両手が僕の両腕にそっと添えられている。「そのまま、続けて欲しい」ときのサインだ。僕は太ももの内側、外側とはまた違う感触の、柔らかくてきめの細かい皮膚に爪を立てないように注意しながら人差し指、中指、薬指をそっと這わせていく。関節には力を入れるけれど、指先には力を入れないように。

カヲリが少しだけ声を出した。まだ靴も脱いでいないのに、声を出すのだから、今日のカヲリはやっぱりいやらしい。

すでに僕が押しつけなくてもカヲリは玄関のドアに背を預けている、僕は左手で首をなでる。太い血管に中指の腹を沿わせて、そのまま鎖骨に触れる。さらさらとしているからきっとシャワーは浴びてきているんだろう。そしてゆっくりと指を下ろしていき、手のひらをかぶせるように胸に手を置く。力を入れるまでの少しだけ短い時間、僕は手をカヲリの乳房と同じ形にして、カヲリの乳房には力が伝わらないようにして、そしてカヲリの顔を見ている。すると必ずカヲリは目を開いて僕を見て、僕が力を入れるまでずっと僕の目を見ていて、頼むような顔で、困ったような表情で、僕を待っていて、僕が手の平に力を入れるのと同時に、天井を見上げてまた目を閉じながら感覚に墜ちていく。

僕は子供みたいにいつも必ずそれを繰り返す。これはある種ある意味で儀式的なものでもあった。僕がカヲリとセックスを始める最初の「確信」。ちゃんとセックスが今から始まるんだという合図。それは僕が、カヲリの乳房に置いた手に力を入れることなんだと思うから、僕はそれを大切にしている。

けれど今日に関しては、一度服の上から乳房に触れて、そしてカヲリが「あぁ、ダメだ。もうホント」と言ってそのまま乱暴にサンダルを脱いで、僕はバスケットシューズを脱げないままカヲリに手首を握られて、結局そのまま乱暴にベッドに放り投げられるのを、ただ甘受する。

寝転がった状態でようやくバスケットシューズを脱いでいるベッド脇で、カヲリが僕に背を向けて服を脱ぎ始める。僕が脱がせたいと思っている一瞬で、カヲリはすっかり下着姿になってしまっていて、結局とても美しかった。僕は美しいな、キスしたいなと思うのだけど、どうしよう、その前に自分の服は自分で脱いだ方がいい日なのかなと考えている間に、すでに下着姿のカヲリに覆い被さられて、今日はもう任せてもいいなと、安心する、少し笑う。

今日のカヲリの下着は、たぶん前に僕が「いいね」と言ったやつだと思う。いいねと言ったくせによく覚えていないのは、『ブルー・ブルー』の照明が暗くて、はっきりと見えないからだって言ったとしても、カヲリはふくれるだろうから、僕はいつもと違ってわりと乱暴に留め金に指をかけるとそのまま焦らすことなく外す。ブラジャーを外すと、すぼめた両肩から肩紐ごと滑り落ちる。それを見るのが、僕は好きだ。なんだか、「もうあきらめた」という感じがする。僕がセックスをしたいという気持ちが一段階カヲリに「受け入れてもらった」と思える。

外れたブラジャーをたたんで、ベッド脇の一人掛けソファに投げる。本当はもっと丁寧に扱いたいのだけれど、カヲリ本人が、流れが断たれるのを嫌っていて、いつの間にか投げるようになってしまって、それに少しだけ罪悪感を感じる。けれど「床に置かれるよりマシ」という言葉を信じよう。

あらわになった乳房に、下からすくい上げるようにして触れる。こういう感覚のものが身体の中にあるというのを純粋に羨ましく思う。だから僕はそっと、傷をつけないように最低限でなぞりながらさすりながら、少しずつ手のひらを平らにしていって、そうやって掌でカヲリの乳首を円形にさする。

「──────っ」

今度こそカヲリの、はっきりとしたあえぎ声が響いて、ますます行為に降りていく。

僕たちは互いに触れあうことを忘れなかった。覆い被さっているときも、覆い被さられているときも、指を絡め合ったり、指を肌に這わせたり、してるときもしてもらってるときも、互いにし合っているときも、指で、手で、必ずどこかに触れていた。その指を通して互いの体温が行き来する。そうすることで互いのテンションが均一になる。均一になりながら舞い上がっていく。その流れが好きだった。


「──見て」カヲリが言う。

「見てる──」僕は応える。


□────□

そこからはただ吐息だけのやりとりになる。時々、さりげなくあるいは激しく喘ぐ声を伴って自分の吐息が部屋中に響く。部屋中に伸びる。

薄暗い部屋で、私にはわかる。

指を動かされるたびに、舌を這わされるたびに、身体を動かされるたびに、じっとりとした上目遣いで彼は見ている。見てくれている。その目で、私がどう反応するのかをじっと見てくれている。

私にはわかる。

体中を突き抜けるような感覚に、私は何度も目を瞑ってしまうけれど、再び開くと必ず彼の目が暗闇に光っていて、そのたびに言いしれぬ愛おしさはとめどなく溢れてくるから怖くなって、何度も彼にしがみつく。

しがみつきながら、喘ぎ、動く。

やがて汗が、体温が、匂いが、身体が、もうどちらのものなのかもわからなくなってきたころ、彼はとても控えめに果てて、私に倒れ込んで、そうしてその双眸をようやく閉じて私の上で、中で、少しだけ眠る。


「────」私はなにも言わない。

「────」彼もなにも言わない。



□────□



「JRの乗り場はどこ?」という何度もされてきた簡単な質問にさえ、岡安保は狼狽えて口ごもってしまう。

「なに?なんて?」

女性客3人組がいちいち全員でやかましく反応するせいもあって、岡安はますます下を向いてしまい、単純に「そこのエスカレーターを下に降りるだけ」というだけのことが一向に伝えらない。

「この人、なんて言ってんの?全然わかんないんだけど」

女性客が気持ち悪いものを見るような目で、実際に気持ち悪い岡安を見ていて、それを遠巻きにたくさんの人がなんとなく眺めているのを、インフォメーションコーナーの渡部明菜24歳がイライラしながら眺めていて、そろそろ助け船出さないとクレームになる頃かなぁと考えているところに、女性客3人と岡安保に近づいていく人を見て、渡部明菜24歳は「あっ」と声を上げた。



「JRですか?」

頭上から急に声をかけられた女性客は3人とも岡安を見ていたときの、眉間に皺を寄せた表情のままで顔を上げると、そこにはモデルのような顔立ちで、モデルのように背が高い、モデルのような女性が、人なつっこい笑顔で立っていて、「そこのエスカレーターを降りたら改札がありますよ」と微笑んだから、拍子抜けしたように牙を抜かれた女性客は、まるで脇役のように退場していき、周辺の人混みの関心も、目を引く美しい女性が優しく振る舞った事への賞賛、あるいは興味に変わっている。

その渦中で岡安保はただうつむいていた。居心地悪そうにたたずんで、今にも「もう帰っていいですか?」と言い出しそうな表情、無表情なのだけれど、いつも「あなたのせいで我慢していることがある」とでも言いたげに見える。

美しい女性はそんな風に美しくない岡安に声をかける。

「あの人、いる?」

岡安は床を見たままゆっくりと手を持ち上げて、インフォメーションコーナーを無言で指さした、そのタイミングでインフォメーションコーナーの自動ドアが開き、鍋島達也と渡部明菜24歳が連れ立って出てくる。


「お弁当の忘れ物」

まだ距離のあるところから歩いてくるふたりを見つめながら、その女性は岡安にだけ聞こえる声で呟いたけれど、岡安はまったく反応しない。

そんな岡安を見て女性はイタズラっぽく笑いながら、「今日、会いたい」と早口で小さく呟いた。まるで頭の上に乗っている埃を気にしただけのように岡安が頭を小さく動かしたのに気付いたのは、もちろんその女性だけだったし、それを見た女性の笑顔がイタズラっぽいものから満足げなものに変わったことには誰も気が付かないだろう。岡安はずっとうつむいている。

「カヲリさん、ひさしぶり!」

渡部明菜24歳が大きな声を出すと、隣で鍋島達也は「今朝ぶりー」とふざける。

「悪い悪い。まぁわざとだけどな。今日もきれいだなぁ」
「うるさい、お世辞言う前に、弁当はちゃんと持っていけ」

鍋島カヲリは、笑いながら手に提げた弁当箱を夫に渡す。鍋島達也はわざと恭しくそれを受け取る。その脇を岡安保が無音で通り過ぎていくので、鍋島も自然と視線を岡安に向ける。弁当から手を離したカヲリは、実はずっと岡安の背中を見つめている。


けれども、岡安保は気付いていない。

それでいい。

彼の視たい世界はきっと、こんなところではないのだ。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

ひろ兄記念館【離れ】 更新情報

ひろ兄記念館【離れ】のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。