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セカイのはじまりコミュのセカイのはじまり〜第4話〜

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あれから10日経ち…
20日が過ぎてもナギは帰ってこなかった。

毎日毎日海へ行ってナギの帰りを待っていたナミも、とうとう海へ行くのをやめた。

そして、生きるためにナミは何度も何度も男に抱かれた。

「最近ナギを見掛けないけど…
ま、邪魔なヤツがいなくなってゆっくりお楽しみができるな」
そう言ってミツルはニヤニヤ笑った。

「…そうなの〜。もう邪魔されなくてすむね。あはは」
ナミは涙をこらえながら必死に作り笑いをした。

生きるために…


生きていくためだけに…




***************

「あーあ、かっこいいカレシ欲しいなぁー。

カビラみたいな暑苦しいのはぜってーイヤだしなー。
やっぱイケメンのコウタがいいよなー」

1人浜辺を歩きながらエリーはつぶやいた。

「うっっわ!こんなとこにヒトデとかいるしー。
マジありえないんスけどー」

いつもケンヂやミツル、島1番のイケメン・コウタと遊んでいるエリーは、男が魚を捕りに行ってる間は暇で暇で仕方なかった。

水際に立ち1人でボーーッと海を見ていた。
ただひたすらボーーッとしてた。
小さな貝殻を拾っては海に投げ、拾っては海に投げ…


コツン


投げた貝殻が何かにぶつかった。

「え?え?なにアレ?マジ気になるんスけどー」

目を細めて海の方をよく見てみると、四角いものがかすかにキランと光った。
好奇心旺盛なエリーは海にジャブジャブ入って行き、そして、波間に漂う箱を見つけた。

「ちょ…なになに?ウケるー」

せっかちなエリーは箱を浜辺へ運ぶ…なんてことはせず、その場ですぐに箱を開けた。中には


“茂実高校 修学旅行のしおり”


と書かれた紙が入っていた。

エリーはその紙を箱から取り出しジーーッと見つめた。
ひっくり返して裏も見る。そしてまた表を見る。また裏を見る…
を10回繰り返し首をかしげた。

「の し お り ??」

エリーは男遊びならいくらでも知っているが、残念なことに頭が悪く…
漢字が読めなかった…

「の しおり…?

のし おり…??

のしお り…???

ってなんだよ!ワケわかんねー。マジ気になるんスけどー」
髪をグシャグシャにしながら天を仰いだ瞬間

「あ? あ! あーー!!タマキに読んでもらえばよくね?」

エリーは片手にしおりを握りしめ海から出て走り出した。
それはまるで、スイムを終えバイクに向かうトライアスロン選手のようだった。
(エリーはバイクではなくランだが…)


***************


島で1番大きな木がある丘で1人静かにポエムを書いていたタマキのもとに、エリーが走ってきた。
タマキは島で人気ナンバーワンの美少女だ。

「タァー マァー キィー !」

「エリーちゃん!?どうしたの?急に」
びっくりしたタマキは、大きな目をパチクリさせた。

「なーんかー海で箱拾っちゃったんだよねー。
で、紙が入ってたけど読めねーんだわ。アハハ ウケるべ?
で、タマキ読んでくんね?」

びっくりして目を丸くしながら
「うん。いいわよ」と即答しニッコリ微笑むと、大きな目をさらに大きくして紙をじーっと見つめた。

「あぁ!これは確か…
“カンジ”って言って昔ニホンで使われてた文字だわ。
おじいちゃまが言ってたもの」

「は? カンジ…?」
エリーは口をポカーンと開けている。“理解できてない”のが一目瞭然だ。

「これは… たぶん…

モミコウコウ
シュウガクリョコウのしおり

って書いてあると思うわよ」

「……え?モミ$@&☆♀×%…ってなんだ?」

ひたすらポカーンとするエリーにタマキは、いつもの優しくおっとりした口調で話し始めた。

「コウコウっていうのは学校、つまりみんなでお勉強する所よ。これもおじいちゃまに教えてもらったの」

「あー!ガッコウね…」
知ったかぶりをしてみたが、エリーの顔は明らかにひきつっていた。
そんなエリーをよそに、タマキは紙をペラペラめくり始めた。

「なんかわかるかー??」

しばらく考え込み、眉間にシワを寄せながら困ったようにタマキは答えた。

「…ううん。ちょっと中を見たけどわたしにもよくわからないの。
おじいちゃまから教えてもらってない文字ばかりなんだもの…
エリーちゃん、ごめんなさい」

「そっっっかーーー」
大きなため息をつくエリーを見てタマキは切り出した。

「そうだわ、エリーちゃん。
ジェイお爺さんに聞いてみたらどうかしら?あの方、物知りだもの。何かわかるかもしれないわ」

「おおおー タマキ頭いいなー!
そうだな。じゃ、ジェイ爺んとこ行ってみるわ。サンキュー」

投げキッスを連発しながら、再びエリーは走り出した。
タマキはニコニコしながらエリーに手を振った。


***************


「ジエェェェイ じいぃぃぃー」

漁から戻って一休みしていたジェイ爺のもとに、エリーが走ってきた。

「おお。エリーじゃないか。
お前は相変わらず男と遊んでばかりじゃなあ。男どもの間でも有名じゃぞ。
ガハハハ」

「んなことどーでもよくね?
つーか、つーか、これ拾ったんだけど見てくんねー?」

エリーから渡された紙を見てしばらくすると、さっきまでヘラヘラしていたジェイ爺が
「これ…どこで拾ったんじゃ?」と突然真顔で聞いた。

「なんかー 海で拾った箱に入ってたんだよねー」

「・・・」

「タマキに聞いても
“おじいちゃまがなんとか〜”とか言って結局わかんねーみたいでさー」
エリーはタマキの真似をして答えた。


…が、全然似てなかった…


「これは大昔、ニホンがまだ平和だった頃の書物じゃ。歴史的にとてつもなく重要なものじゃぞ」

ジェイ爺があまりにも真面目な顔で言うので、エリーは少し驚いた。

…が、エリーはそんな事お構い無しだった。

「まぁー じぃー でぇー ??
そんなスゴいもん拾ったアタシってマジすごくね?やばくね?」
1人ではしゃいだ。

そんなエリーをよそにジェイ爺はあわてて言った。

「これは絶対ゲババに渡しちゃいかん!!あの頑固者に渡したら大変なことになるぞ。

…ワシが預かろう」

「えーーー
ま、アタシが持ってても所詮読めねーし。いっか。
とりあえずジェイ爺に預けとくから、おめーぜってー無くすなよ!」
気分が良くなったエリーはかなり上から目線だった。

「じゃーな。ジェイ」
しまいにはジェイ爺を呼び捨てにし、エリーは、漁を終えたコウタと遊ぶために再び走り出した。

ニコニコしながら手を振るジェイ爺は、エリーの姿が見えなくなった途端…

ニヤリ とした。










「それ ズーミンの手記?」





ジェイ爺はビクッとした。




ゆっくり、恐る恐る振り返る…



「やっぱりね。わたしもそうだと思ってたのよ。おじいちゃま」


そこにはタマキが立っていた。


島で知ってる者はほとんどいないが、実はタマキはジェイ爺の孫だった。

タマキは、いつものおっとりした口調で続けた。

「拾ったのがバカでブスなエリーちゃんでよかったわ。
ね、おじいちゃま」


「なんだ…タマキか。驚かせおって」
こわばっていたジェイ爺の顔がみるみるゆるんだ。

「やっと見つけたわい。ヒヒヒヒヒヒ…
こりゃ確かにズーミンの手記じゃぞ。新しい島の手掛かりじゃ。
伝説の手記を手に入れたぞ。ヒヒヒヒ」


「昔ニホンに存在してた色々な地名が書いてあるものね」

タマキはしおりの内容を理解していたが、エリーにはわからないフリをしていた。
エリーを騙すなんて簡単だった。

「これだけたくさんの地名が書いてあるのに、残っているのがこの島だけとは考えられないわ。
ね、おじいちゃま」

「…そうじゃな。
長年漁をして暮らしてきたが、そろそろ新しい島を探しに出るのも悪くないじゃろ。
ガハハハ」

豪快に笑うジェイ爺。それに対してタマキは冷静だった。

「でも待って、おじいちゃま。
噂では新しい島を探しに行ったというナギちゃんは、いまだに帰ってこないのよ。
迂闊に出ては危険だわ…」









「…つーか、ズーマリだかズーミンだか知らねーけどさ〜


アタシがバカでブスってどーゆーことだよっ!!!」





帰ったはずのエリーが、ずかずかと2人の前にやってきた。


「エリーなんでお前がここに…」


ドクドクする心臓の鼓動を必死におさえ平静を装うジェイ爺とは対照的に、エリーはイライラしていた。
コウタに遊ぶのを断られてイライラしていた。


「んなことどーでもよくね?
てゆーかさー、新しい島とかなに言っちゃってんの?おい、タマキ!!
お前この島を出てくのかよ!!」

男遊びばかりしてるエリーだが、生まれ育ったこの島のことは誰よりも好きだった。
誰よりも大切にしていた。
だから、タマキがこの島を出ることが許せなかった。

「エリーちゃん、違うわ。
わたしもこの島が好きよ。ずっとここで暮らしたいと思ってるわ」

「それなら なんで…!!!!」

タマキはいつもよりさらに優しく、さらにゆっくり話し出した。

「きらいなの…



きらいなのよ…




わたしね、
エリーちゃんのことが死ぬほどきらいなんだもの」


ポカーンとするエリーに、タマキは淡々と話した。


「エリーちゃん、いつもコウタくんと遊んでいるじゃない?
わたし昔からコウタくんが好きなの…

だからエリーちゃんの存在が邪魔だな〜と思ったの。
いなくなればいいな〜と思ったのよ。

だからわたしが新しい島を探して出て行くか、それができないならエリーちゃんを殺しちゃおうかと思ってるの」


「はっ!?なに言ってんだよタマキー!!そんな冗談全然ウケないっつーの!!あははは」

エリーは笑いとばした。

しかしタマキは静かに首を横に振った。

「嘘じゃないわ。本当の事よ。
コウタくんのためなら、わたしは何でもできる気がするもの」



優しい声。


大きな瞳。


いつものタマキと何も変わらないのに…


エリーは状況を理解する事ができずギューっと目をつぶり、思わず下を向いた。

わかんねー マジわかんねー

頭の中がぐちゃぐちゃだった。
脳内を?マークが充満した。


でも意外とエリーは大事なことにすぐ気付いた。


でも…んっ!?ちょ…まてよ…

つーか、タマキがコウタのことを好きなら、アタシは応援してやればいいだけの話じゃね?
答え簡単じゃね?
タマキは難しく考え過ぎだっつーの!!!


「ねえ、タマキ!」


エリーが顔を上げた瞬間タマキが微笑みながら近付いてきた。


「エリーちゃん、ごめんなさい」










タマキはナイフでエリーを刺した








ジェイ爺は顔面蒼白になりものすごい速さで駆け寄った。


「エ、エリー!!エリーー!!!エリーー!!!!!!

タマキ…お前なんてことを…」
言葉を失った。


「おじいちゃま、ごめんなさい」

タマキはニッコリ微笑み











自分の胸をナイフで刺した









数年前、この島で
1人の女を巡って2人の男が命をおとした。

今、この島で
1人の男を巡って2人の女が命をおとした。


「…悪魔ズーミンに関わったからじゃ…」


ジェイ爺はしおりをその場で燃やし、泣き崩れた。

コメント(4)

休みなのでじっくり読んだ感想を。

女同士の修羅場!!まさかの死!

ジェイ爺、結構な策士やねー。

そして、エリー、結構ギャル系なんだね。

でも、しおりは確かに「地名」がのっているし 地図としてもいいかもしんない。

面白かったーー。そして御苦労さまです!よく携帯でかいたなあ。すげー。
オナモミさん、感想ありがとうございます。
嬉しいです。

エリーは浜田ブリトニーみたいなイメージで書きました。

あと、登場人物タマキ・エリー・コウタの頭文字をとるとわたしの名前になります。
(小ネタです…)

考えるのは難しかったけど、とても楽しかったです。
参加して良かったハート

でも…
こんな長文を携帯で打つ作業は、しばらくやりたくありません(笑)

おぉぉぉぉ!!
100年経ってもギャルの血は絶えず(笑)
って思ってたらえらい事になりましたね〜


ちゅうかジェイ爺…
キーマン過ぎる(笑)
EDOさん、
感想ありがとうございます。

わたしもおわりチームのギャル・米子を読んで
「ギャルキター(σ´∀`)σ」と思いました。

ギャルは永遠に不滅です。

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