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短歌点コミュの短歌点515△お題「好」

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お題は「好」です。漢字一文字でお願いします。
どうぞよろしくお願いします。

ルール

1:出題者が、お題を出します。
2:お題は、何でもありで面白そうなもの。
  50題以前に出されたものであれば、既出のお題でもOKです。
3:出題者じゃない人はお題を詠み込んだ短歌を書き込みます。(1人1首のみ)
4:一週間以後、出題者が(独断で)もっとも素晴らしいと思った短歌を1つ選
び、その選出理由を書きこみます。
5:次のお題は、最優秀短歌をつくった人が出すことになります。
 (新トピックの番号は「自分が選ばれたトピック番号+5」)
6:その後は、みんなでワイワイ感想をかわします。


(前略)
本当は人が大好き!
世界が大好き!
でも世界ってなんだろう? とりあえず広い?
とりあえずぐわーっと広い?
ぐわーっと広いから大好きって、ことにすればいいのかな?
そう!
独裁者みたいに!

〈うたうたっていて逮捕される人/最果タヒ〉


コメント(62)

好きになどできるはずなくバス停の紅葉をごめんの代わりに送る
どちらかが明日死ぬって判ってて したいことする好きなだけする
愛なんてだうでもいいの見上げれば落下傘のごと好きが降りくる

あいなんてどうでもいいのみあげればらっかさんのごとすきがふりくる
この俺を「好き」と言ってる論理的根拠を二字で述べなさい 「好き」
「好き」だけじゃ満たないんです、とりあえず軽く一杯おかわりください

好きだとか好きだとか好きだとかいって熱中症になりたい葉月(季節外れの自作)

こんにちは。
出題者になるのは3回目?  でしょうか、勉強させていただきます^ー^
今回は、「好」を皆さんがどう解釈して使っているのかに注目して見て行こうと思っています。どうぞよろしくお願いします。

女子たちの好きというのは信用が出来ないことが分かった男

  このお歌の中で、「好き」は不信用の証左としてあげられています。
  男の子から男になるうちに、いく度裏切られたのかしらん、泣けてきますー。好きよー。笑
  面白いな、と思ったのは二句目。言葉ではなくて、行動そのものを表したところと、話し言葉ではない言い方を持ってきたところです。(「というのは」という所)話し言葉でもないけれど、詩語というわけではない言葉の流れが独特のリズムを作品に与えているって感じました。

好きなものふやしてゆこう秋ふかくのびてゆく影ふたつかさねて

  幸運のメタファー。
  影絵のふたりは奥ゆかしくて、ひらがなの多用でそのほのぼの感が補強されるつくりですね。んー和む。
いつもいつも取り急いでる二人には「取り急ぎ。」って書けば「大好き。」

  慣用句。
  初句の字余りがせわしないふたりを追い立てているようですね。ふたりのために、世界はあるの♡


チロルチョコ選り好みするゆふぐれのあはき文学青年の唇

  うーんと、これはむつかしい。「選り好み」という単語として使っているので、テーマが好き♡という気持ちではなくて、「文学青年の唇」賛歌になっているのですね。
  チロルチョコのカラフル。初句に助詞を使わないことで、舌ったらずな印象を与え、青白い唇のクローズで色気を感じさせる、この過剰な振り幅が少年から大人にかわる瞬間の魅力です。「ゆふぐれ」はtoo muchやも分かりませんね。詰め襟とか、黒くて固い印象の言葉で締めたりするのはどうでしょう?

好き嫌い「嫌い」がいっしょの君だもの共犯気分うひひ仲良し

  うひひ。
  好き嫌いの嫌いをクローズアップしておいて、好きを引き立てる。うきうきしちゃいますね。
 3句切れの構造になっているので「君だから」として、一気に読ませてもらうとアッパーな感情がもっと伝わるんでないかなぁと思いました。
好奇心隠しきれない掌を滑らせ向かう階下の光

 これも「好奇心」という単語として使われていますね。
 掌に好奇心が宿るっていうのは素敵な発見!
 逆につまずいてしまったのは「階下の光」でした。あいまいすぎて、読みに迷ってしまうのです。掌を持つ人がどんな人なのか分かるような語句だったらもっと面白いんじゃないかしら。

好きなのは判っているわ
その素振り
隙を作って食い付かそうか

 このお歌の中では一枚のカードのように感情を扱っていて、ジョーカー持ってるの分かってるのよ、と言っているような作中主体。
 好みが分かれる見た目かな。句分けでモノローグ/客体の動作/モノローグといった構造を分かりやすくなっていると思いました。

辞書によると「好き」の過去形は青林檎のある風景と同様らしい

 おおー、過去形! 好きだった、とは言えなくて辞書を引いてしまう気持ち。
 喪失と同義語かもしれませんね。
 68677ですかー。リズムを崩す事でなんだろう、訛っぽいていうのかな? 違和感があって、それで収まりきらない感情を表しているんでしょうけど、575のむせび泣きバージョンも見てみたいなぁ。でも、この新しい短歌を作っていくって気概も好きだなぁ。難しいですー。
好き、嫌い、好き、嫌い、好き、嫌い、好き。そんなの知ってる愛されてるし。

 花占いみたいですね。愛される=たくさんの好きと嫌いってことかな?
 シェイクスピアの綺麗は汚、みたいに「好き」と「嫌い」が同じものだって言うところまでは理解できるんですが、「愛されてる」となると立ち止まっちゃいます。
 しかし愛されてるって言い切っている短歌って珍しいかもしれませんね。
☆先っぽをしゃぶってもらう時にだけ愛されてると実感できた (枡野浩一)

見え隠れする「大好き」が聞きたくて一番可愛い表情見せる

 聞きたい言葉、言って欲しいって言葉として。
 このお歌もリズム崩しですねー。とっても素直な内容なので、リズムも素直に57577にした方が良いんじゃないかなぁって思います。
 「一番可愛い表情」どんななのかしらー、気になります。

好きという不確かな言質をとりながら発熱しているスマホを羨む

 言質。何を保証するわけでもないただの言葉で、スマホだけが耳元で熱を帯びてゆく。羨ましいのは、好きって言われてあんなに嬉しくなっていた過去の自分。
 そういやauはスマフォンと言わなくなりました。
 スマホって新しい言葉なので、まずそこに違和感1、結句の字余りで違和感2。
 結句意外のリズム崩しは美しく読めるので「携帯電話」でも良かったかもしれませんよ。あ、なんか、勝手ばっかり言ってごめんなさい。
好きという不確かな言質をとりながら発熱している携帯電話
向かひのホームはあかるいといい 気づかれぬやうに手を振る最後の好意

 「好意」控えめな相手への肯定、自分の中に思いでとして残しておく気持ち。
 初歩的な質問でとっても申し訳ないのですが、この「あかるい」が「あかるひ」じゃないのって、なんでですか? ご教示くださったら嬉しいです。
 向かいのホームがあかるいと言ったのは誰なんだろう?
 手を振った人が好意をもった相手は向かいのホームにいるのか? 隣にいるのか? 
 ?マークばかり書きましたが、このお歌の内相的なひんやりして明るい、不思議な雰囲気にとっても惹かれています。

影踏みの真昼を飛んで樹々のなか鬼さん好きよああここにいた

 告白。わー、このお歌、浮遊感と、ドキドキしちゃう感じ、まっすぐに「好き」って一人だけを探し求める気持ちが全部入っていて完成度高いなぁ。
 鬼につかまりに行っているんですねー。「ああつかまった」でも「ああつかまえた」でもなくって「ああここにいた」って言うセンスに脱帽です。

二階南東十二畳なる部屋主の君には母の好きは通じず

 リズム崩し! 難解! 
 お部屋借りられなかったっていうお歌かしら…。
 この一文ではじまる小説が不動産やさんに置いてあったら、読みたいなって思いました。
好きになどできるはずなくバス停の紅葉をごめんの代わりに送る

 責任、あるいは自由さ?
 紅葉を送るって言う風流な行動までの経緯がちょっと読み切れませんでした。バス停が、大切な意味を持つという事はなんとなく分かります。
 「好きになどできるはずがない」っていうのは「好きにしていいよ」っていうアクションからのリアクションだと思うんですが、好きにしていいよって言われて、ごめんって言うのってもうお別れとしか考えられないですねー。まさか本当はスパゲッティ食べたかったのごめん、ではないでしょうし。

どちらかが明日死ぬって判ってて したいことする好きなだけする

 無限大として。
 いきなりすごい大げさな場面設定です。いちごいちえ、ですね。
 下二句で同じ事を違う言い方で膨らますテクニックが幸福感を増大しますが、対応する上句の「死ぬ」という表現の使い方は評価が分かれるところやもわかりません。

愛なんてだうでもいいの見上げれば落下傘のごと好きが降りくる
あいなんてどうでもいいのみあげればらっかさんのごとすきがふりくる

 プレゼントとして。モノローグ/つなぎ目/心象風景の見事な構造。印象派ー。
 「愛」は分からないけど「好き」ならたくさん降ってくるから、それが楽しいのふふん♪てな女の子が思い浮かびました。
 女の子は好きがたくさんなくては生きていけません。言ってもらう好き、肯定の好き、能動的に発する好き、空から降るように溢れる「好き」は世界が女子に与えた装飾品なんです。
この俺を「好き」と言ってる論理的根拠を二字で述べなさい 「好き」

 感情表現の言葉として。
 なんでしょうね、この微笑ましいやり取り。
 笑う犬の生活ってコント番組知っていますか? あの、「梅屋敷の若者の全て」の二人みたい。
 
「好き」だけじゃ満たないんです、とりあえず軽く一杯おかわりください

 空白を満たすものの一部として。
 おかわりは、やっぱり白米のほうですよね。茶目っ気があって、好きです。お腹はやっぱり空きますものね。


以上19首。
読ませていただいてありがとうございました。
ちょっと年末にかけて忙しくなりそうなもので、一気にアップさせてもらいました。
締切予告できなくってごめんなさい。
なんだかそれぞれのお歌に勝手なことばっかり言ってしまいましたが、個人的な感想という事でどうかご容赦くださいね。
 それでは特別好きだったお歌を6首あげます。

 nero.さん
好きなものふやしてゆこう秋ふかくのびてゆく影ふたつかさねて

 森ヰ森羅さん
辞書によると「好き」の過去形は青林檎のある風景と同様らしい

 山椒胡椒さん
向かひのホームはあかるいといい 気づかれぬやうに手を振る最後の好意

 りりる♪さん
影踏みの真昼を飛んで樹々のなか鬼さん好きよああここにいた

 蜜柑さん
どちらかが明日死ぬって判ってて したいことする好きなだけする

 パンタタ☮さん
愛なんてだうでもいいの見上げれば落下傘のごと好きが降りくる


 一等好きだったお歌は
  パンタタ☮さん
愛なんてだうでもいいの見上げれば落下傘のごと好きが降りくる

 でした。パンタタさん、次のお題をお願いいたします。

 次点には、
  山椒胡椒さん
向かひのホームはあかるいといい 気づかれぬやうに手を振る最後の好意

 をあげたいと思います。
 おつきあいいただいて、ありがとうございました。
 この後のわいわいも、楽しみにしていますね。
>>[40]

講評・選歌お疲れ様でした。
大変優しい、温かい感想に心がほっこりいたしました。


パンタタさん、最優秀おめでとうございます。

>落下傘のごと好きが降りくる
素敵な表現です。
>>[40] 朝、見たら選歌されていたので驚きました。
とりあえず次のお題を考えます。
しばしお待ちください、のご連絡。
松@AYAさん、講評と選歌お疲れ様でした。楽しく読ませていただきました♪

パンタタさん、おめでとうございます!「好きが降りくる」…素敵です☆

他に良いと思いました歌は…

■影踏みの真昼を飛んで樹々のなか鬼さん好きよああここにいた(りりる♪さん)

「ああここにいた」…この落とし方は、なかなかできないと思いました。


拙歌…6首に残していただきありがとうございました♪


> 松@AYAさん ふむふむなるほどな「好き」であふれた講評 選歌 ありがとうございました。お題も 自分では ぜったい 選ばない物でした。よかったです。好きな歌に加えていただき ありがとうございました(/-\*)。
> パンタタさん
おめでとうございました。
「愛なんてだうだっていいの見上げれば落下傘のごと好きが降りくる」
誰かや何かを好きになるって そうゆうこと ですね。愛は苦しいもの。

大好きでした歌の一部。

neroさん。そうでありたい。そして…上手。

むらしんさん。カフカは長い長いラブレターをまめ!に書く人だったのですが 案外 最後に 「取り急ぎ」なんて添えてたかもしれないなぁ…などと感慨に耽る短歌でした。

森羅さん。過去は青林檎。そして 上手!
みなさん 大変巧みで 好き でした。
>>[043]
ありがとう(;_;)ございます\(^o^)/
松@AYAさん、講評・選歌お疲れ様でした。

パンタタさん、最優秀おめでとうございます!

拙歌は、再考しようと放置したまま締め切りが来たって感じでした(汗)

私のお気に入りは、

nero.さん
「好きなものふやしてゆこう秋ふかくのびてゆく影ふたつかさねて」

です。「出会ってから、ますます好きになっていく」ってやつですね。いや、「二人の共通の好きなモノを探して行きたいね」というやつかな。堤防で佇む二人って感じ。

今年は一気に冬になってしまって、秋を感じる暇がなかったのが残念です。「秋深し」というのが今年は思わなかったなー。

(。-_-。)

はしるさん、ありがとうございました。
>>[41]
投稿ありがとうございました。

ねー、ほんとう、素敵。
>>[42]
はいー。ばたばたしてしまって、ごめんなさい。
落下傘といえば、白粉花を思い浮かべてしまいます。イメージが受け取れているか甚だ不安ではありますが、大好きなお歌でした。もうひれ伏しております。
お題「捨」楽しみですー。
>>[43]
投稿ありがとうございました。
しみじみりーの良いお歌でした。
>>[44]
投稿ありがとうございました。
不動産屋さんに置いてあった小説、も。
いやー、読みが浅くて申し訳ないことでした。
部屋主の「君」で、洋館ファンタジーっぽい世界を連想してしまったのです。
紫の薔薇の「君」のような。
今回は力及ばず、読み解けませんでしたが、はしるさんがご家族のことを歌っている作品、お手本にさせていただいています。
>>[45]
投稿ありがとうございました。
はい、今回調べたら(と言っても皆さんがまとめてくださった「過去のお題一覧」を見て、念のために検索かけただけですが)お題になっていないのでそうかー、と。
「好」を如何に使わないかが創作の醍醐味のひとつなのかもしれませんね。
個人的にはおおらかにシンプルに好きって言っているものが好きです。
多摩川にさらす手作りさらさらに何そこの児のここだ愛しき  万葉集 武蔵の国の歌
>>[49]
投稿ありがとうございました。
ね、秋らしいって感じがなかったですね。あ、小さい秋の碑は、いつも後楽園にありますよ。

推敲中でしたか。こちらの都合で予告できなくって、ごめんなさい。
また、推敲が終わりましたら、見せていただけたら嬉しいです。
>>[50]
投稿ありがとうございました。
あら、「いい」は良い、だったのですね。まあ。
思い込みの激しさが出てしまったようでお恥ずかしい限り。。。
いろんな読み方を想定できる読者になりたいものです。

山椒胡椒さんのお歌は、上手く言葉にできないけれどなんか好き、っていうストライクが多いです。今回のようなことがあるので、意図したこととは違う読み方かもしれないのですが。
楽しみにさせてもらっています。
たいへん遅ればせながら。
松@AYAさん選歌ご講評まことにお疲れさまでした。

軽やかに、という言葉が似つかわしいほど、読んでいてとても胸のすく講評でした。軽快に、鋭い。見習いたいと思いました。自分の書いた文章を省みるとその重苦しいこと重苦しいこと。。。(ノд`)


*評中で気になったのですが、
山椒胡椒さんの歌の「あかるい」が「あかるひ」でないのは、という箇所。
「向か“ひ”」と同じ並びで「あかる“ひ”」でないのはなぜかって事でしょうか。

「向かひ」は、ハ行動詞「向かふ」の名詞形なので「ひ」表記、
一方「あかるい」は形容詞なので、たとえ旧かなでも「い」表記、だと思います。



パンタタさん最優秀おめでとうございますぴかぴか(新しい)

■愛なんてだうでもいいの見上げれば落下傘のごと好きが降りくる

わ、若々しい……。愛を軽んじて恋に目を向ける、いや、見上げる。「見上げる」という所作は憧憬のようであり、恋に恋をしている少年少女の、背伸びしたい繊細な心情の表れのようであります。「愛なんてだうでもいいの」と言っておきながら、実のところ「愛する」という事がまだよく解っていないお年頃なんだと読みます。「落下傘のごと」とは言い得て妙です。のような気がします。まるで何か気象現象のように降りくる「好き」は、落下傘のイメージに限りなく合います、なぜか。スカイダイビングの映像でよく見る、航空機から飛んでパラシュートを開くまでの急速な落下・パラシュートが開いてから地上に降り立つまでのゆるやかな降下は、恋愛感情の顛末と重なる部分があります。こういう効果的な喩は、見習いたいものです。

あらためまして、パンタタさん最優秀おめでとうございましたぴかぴか(新しい)



お気にいりは後ほど。
>>[58]
投稿ありがとうございました。
パンタタさんのパラシュートのふんわり降ってくるイメージ、とても効果的ですよね! 若々しい、という指摘は私にとっては新鮮にうつりました。

また、重苦しいだなんてご謙遜ー! わたしは@貴さんの講評のファンなのです。
表記の件、勉強になります>_<ありがとうございます。
山椒胡椒さんにも、唐突に質問しちゃって申し訳ありませんでした。
>>[60]

恐縮です^^;

忘年歌会も終わり、私用もとりあえず一段落してきたので、
何とか年内には各トピックに感想を残してゆきたいと思っております。
未だ遅ればせコメントを残せていないトピがいくつもある事が憂いなので、
それらの憂いを晴らして年を越したいものです。

とりあえず今、書き溜めしています。
こちらのトピックの感想も、今しばらくお待ちくださいm(_ _)m
あらためまして。
たいへん遅ればせながら。
松@AYAさんお疲れさまでした。



以下お気にいりです。

■辞書によると「好き」の過去形は青林檎のある風景と同様らしい(森ヰ森羅さん)

「好き」の過去形と青林檎のある風景の共通項って何でしょうかね。……と、無駄と知りつつ馬鹿正直に辞書を紐解き、また「青林檎」を検索してみました。やっぱりよく解りませんでした。おそらく辞書を紐解いたり検索かけたりするんじゃなく、詩歌として感じとるべき歌なんでしょう。しかしこうして「何かある」と思わせて、読者に“調べる”という行動を起こさせるのは、それだけこの歌に惹きつけるものがあるからなのです。理屈じゃなく、青林檎のある風景(青森など東北圏? 農園やスーパーマーケット?)と「好きだった」「LIKED」「LOVED」が結びつく。そして「確かにそうだ」と思わせるちからがある。ここまで感性で読ませるのに鼻につかないのは、一首とおして「によると」「らしい」という伝聞形式で歌が構成されているためでもあるでしょう。ナイスクッション。

■影踏みの真昼を飛んで樹々のなか鬼さん好きよああここにいた(りりる♪さん)

子どもの頃によくした「影踏み」という遊び。鬼に自分の影法師を踏まれた人が次の鬼役となる、でしたっけ。真昼時、太陽がしっかりと影を地面に映し出して、一対の男女の相聞として「影踏み」が行われる。「真昼を飛んで」という箇所に躍動感があり、若々しいふたりのパッションを感じます。追いかけて追いかけられて。一転して三句目では「樹々のなか」に落ち着く。影踏みにおいて木陰は、いわゆるセーフティーゾーンでしょうか。「どうぞ捕まえてごらんなさい」とでも言うようにそこへ身を隠し、いじわるく「鬼さん好きよ」と囁いたつもりが、ルールはどこへやら、鬼さんはすぐ隣にいた。その瞬間に影踏みという遊びは終いとなり、同時にふたりの距離も縮まる。そんな情景を思いました。下句は「鬼さんこちら手の鳴る方へ」という目隠し鬼の囃し言葉を捩ったものですが、この着地のしかたは中々できないと思った分、新鮮でした。「ああここにいた」って、照れまじりの心の底からの安堵なんですよね、きっと。心があたたかくなります。

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