確かに治療の奇蹟しか出てきませんね。しかし、だからといって、ただの作り話だとか、嘘だとか、ねつ造だとして終わってしまっては、聞き手、読者の姿勢がネガティブで、何も生み出しませんね。例えば、童話の「オズの魔法使い」を読んで、「ただの作り話ジャン」、などというのがナンセンスなのと同じことだと思います。「オズの魔法使い」といえば、このお話の中で、主人公のドロシーという女の子は故郷へ帰る方法を、わらでできている案山子は脳みそを、ブリキの木こりは心を、臆病ライオンは勇気をもらうために、オズの魔法使いに会いに行くのですが、この魔法使いはインチキな偽物だということが判明します。しかし、懸命に追い求めていた、自分が本当に欲しいと思っていたもの、故郷、脳みそ(知恵)、心、勇気、そしてこれらをすべて総合したものとしての愛も、もうすでに備えられている、与えられていることに気がつくのです。 この1900年に書かれた物語は、39年にミュージカルになって、ジュディー・ガーランドが主演し、Over the Rainbowという名曲を生みました。また、この物語を元に、75年には、全てが黒人のキャストのミュージカルThe Wizが作られました。(後に映画化もされました。)チャールズ・スモールズという人が書いた歌詞のなかにこのような箇所がありました。
・Living here in this brand new world might be a fantasy. But it taught me to love so it’s real, real, real to me. ここ、この新しい世界(オズの世界)に住んでいるって言うことは、まぼろしなのかも知れない。 でも、私に愛することを教えてくれた、だから、私には、本物、現実なの。