佐藤信夫のやわらかい名言集を創りましょう。
できれば出典を明らかにしましょう。
著作権の問題はあるけど、営利目的ではないので、あるていど許容されるはずだと思います。
では、私から。
「よく考えてみると、私たちは年じゅう、うそに近いかすかな虚偽をまじえることなしに、口をきくことができない状況の中にいる。
なにも、あなたや私がうそをつきたがっているということではない。
ただ、言語によって、ときどきちいさなうそをつかされてしまう。
私たちはしょっちゅう、ことばが大きすぎるか小さすぎるか、強すぎるか弱すぎるか、心細い思いをしてはいないか。
･･････そのとき『彼は笑った』と言い切っては不正確だ。だから『彼は笑わなかった』といえばうそになる。
『彼はかすかにほほえんだ』といっても、どことなくしっくりこない、どう言ってみても、わずかの虚偽がまざる。
そのとき、もし運がよければ、あなたは、『彼の目の色がかすかにうごいて、笑いのさざなみをふくんだ』･･････というような、きわめて的確な（というより、あなた自身には的確と思われる）表現を発見することができるかもしれない。
思い出してみれば比喩とは、そういう、たいてい過大か過小であつかいにくい言語をやりくりする算段であった。」
（佐藤・『レトリック感覚』・P.232）
できれば出典を明らかにしましょう。
著作権の問題はあるけど、営利目的ではないので、あるていど許容されるはずだと思います。
では、私から。
「よく考えてみると、私たちは年じゅう、うそに近いかすかな虚偽をまじえることなしに、口をきくことができない状況の中にいる。
なにも、あなたや私がうそをつきたがっているということではない。
ただ、言語によって、ときどきちいさなうそをつかされてしまう。
私たちはしょっちゅう、ことばが大きすぎるか小さすぎるか、強すぎるか弱すぎるか、心細い思いをしてはいないか。
･･････そのとき『彼は笑った』と言い切っては不正確だ。だから『彼は笑わなかった』といえばうそになる。
『彼はかすかにほほえんだ』といっても、どことなくしっくりこない、どう言ってみても、わずかの虚偽がまざる。
そのとき、もし運がよければ、あなたは、『彼の目の色がかすかにうごいて、笑いのさざなみをふくんだ』･･････というような、きわめて的確な（というより、あなた自身には的確と思われる）表現を発見することができるかもしれない。
思い出してみれば比喩とは、そういう、たいてい過大か過小であつかいにくい言語をやりくりする算段であった。」
（佐藤・『レトリック感覚』・P.232）
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