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武士道シックスティーン(映画)コミュの監督の独り言(業界通信)

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ネットパソコンで武士道シックスティーン映画について見ていたら、監督さん(古厩智之)のページを見つけましたハート達(複数ハート)

こういう書き込みがあると、楽しみな映画が、さらに待ち遠しくなりますね目がハート

クローバー業界通信クローバー
http://www.hollywood-ch.com/tag/tag_id/3428

コメント(18)

携帯携帯電話の方のために…うまい!

【第42回】

剣道少女の映画を撮ってます。やっと情報が解禁になったので言うと…
タイトルは『武士道シックスティーン』。

原作は誉田哲也さんの小説ですね。主演は成海璃子ちゃんと北乃きいちゃん。
この年代ではトップの二人だと思います。実際、撮影初めてまだ三日目ですが、全くタイプが違って面白いですね。

璃子ちゃんは凄く考えるタイプ、対してきいちゃんは体が先に動くタイプ。正反対だなぁ…。
そんな二人が演じるのも全く正反対の役柄です。
幼い頃から父に剣道の英才教育を受け「死ぬ気で勝て」という意識が根を生やしてる体育会系。愛読書は宮本武蔵の五輪書というゴリゴリ剣道バカ少女に璃子ちゃん。
対して何の気なしに剣道を始めたらあれよあれよというまに才能を発揮してしまう「お気楽不動心」少女にきいちゃん。剛と柔。そんな二人が敵対しやがて友情を育み…というお話。
小説はとっても面白いですよ。いま続編が三作目『武士道エイティーン』まで出てます。こちらもどうぞ。

さて…撮影は大変です。何がって…顔が見えないこと!面を被るとですねぇ全く顔が見えません。
そりゃいいとこもあります。例えば本当に剣道が出来るヒトをボディダブルに使う場合。
それはいいんですが、本人たちも練習を重ねて剣道みっちりやってるんです。なのに見えない!せっかくやってんのに。だから寄るしかない。
今日だけでどアップ、10カットくらい撮りました。眉毛から口いっぱいくらい。こんなどデカサイズ、今まで数回しか撮ったことありません。
なんかマカロニ・ウェスタン撮ってるような気分です。大丈夫かなあ…。

そんなだから撮影もまだちょっと不安ですね。思わず仕切りをチーフに任せてみたり。楽しそうな助手たちを見て孤独を感じてしまったり。そんなの当たり前なんで、もっと燃えなきゃですね。撮影中ってのはとびきり孤独でごくごくまれに連帯感を味わえるべきなんです。一回か二回。そうやって撮ってきたんだった。えーと、もっと燃えます。
【第43回】

剣道少女の熱い友情を描く『武士道シックスティーン』。その撮影も一週間を過ぎました。
疲れもたまってヘトヘトです。都内近郊のロケ地ばかりだから全部通い。これがキツいのだな。
朝6時半に新宿に集合、4時50分には起きてます。眠れない…。

キツさはいろんなところに影響していて。制作部見習いの女の子が足を疲労骨折しました。
どこにもぶつけていないのに…。
撮影自体は少しこぼしてます。前回も少し書いたんですが、剣道のシーンが思ったより難しいですね。

1.互いの顔が見えない
2.互いの位置がどんどん入れ替わる
3.動きが速すぎて見えない
などなどが難しい要因。

今日は横浜の町道場で撮影しました。右が道場で、左に普通の住宅がくっついています。そんな造りがよかったのです。建て売りっぽいフツーの住宅に、昔ながらの道場がくっついてるアンバランス。

この写真は外観を撮影してるとこなんですが、植木が立派すぎて何だかお屋敷に見えてしまうと気がつきました。まぁいいか。肝心なのは道場の中身、中身!

その中身は…今日は成海璃子ちゃん演じる主人公がお父さんと和解するという大事なシーン…。
結果…よかったなぁ!ここんとこずっと剣道シーンばかり撮っていたので新鮮でした。
ヒトが動くところを撮るのは楽しいですが、ヒトの動き&心の動き、その両方があるときそれを撮るのは面白いのなんのって!
今日は璃子ちゃんの心がぬわんぬわんと音を立てて動くところを撮れました。面白かったあ!
【第44回】

今日も『武士道シックスティーン』のロケでした。荒川区は町屋のマンションで主人公の家の撮影。

北乃きいちゃん演じる主人公のひとり、早苗。
彼女は剣道に興じているんですが「勝ち負け」に全く興味がないんですね。
彼女、母、姉がリビングで今は行方不明のお父さんについて話すシーン。
お父さんは130Rの板尾さんですが、彼は技術者で、静脈認証システムを開発したひとりという設定。
だけどその技術の秘密をべらべらひとに喋っちゃって儲けも特許もふいにした。借金まみれで家出した。
そんなことを残された家族が喋ります。でもってきいちゃんが呟く。

「勝ち負けは怖いねえ」
「私はそれと関係ないとこでやるんだ」

僕の計画では早苗は台所にたったお母さんの背中に向かって喋る予定でした。
いざお芝居をやってみました。すると、きいちゃんはお母さんのほうを向かなかった。
台所のテーブルでお母さんに背を向けたまま台詞を言った。

さぁ演出家の俺の出番。

「えーっと、お母さんのほうを向いて言って下さい」
「はい」

ということでもう一回。するとキレが悪い。子供っぽくて物欲し気になってしまった。やばいやばいと方針転換。

「きいちゃん、やっぱ背中向けて言って」
「はーい」

ということでさらにもう一回。よく見つめてみるとこれが良かったです。
ひとり残された居間のテーブルできいちゃんは孤児のように頼りなく頑なにみえて。
バランスが悪いところがよく見える、リリカルなシーンになってました。
よーし、きいちゃんの芝居を採用!

しかし映画を撮るたび痛感するのですが、俺はホントに登場人物のことを知らない。
それを教えてくれるのは役者、そしてたまにまわりのスタッフ。
俺の仕事は俺の考えてる人間像が違ったらそれを撤回して目の前の正解を拾ってくことだけ。

映画監督としてはこの作品で7本目ですが、いまだ全然俺は人間のことがわかりません。
だけど「ああ。お父さんのことが大好きで、バランスが偏ってる女の子はこういう喋り方をするのか」と
知るのは凄く楽しい作業です。そうか、世の中ってこうなんだ、と映画を撮りながら知ってく感じ。

こういうことが多いほど映画もうまくいく気がします。自分の計画と離れれば離れるほどよい。
撮影もちょうど残り半分です。こういう事を増やして行かなきゃ!
【第45回】

千葉の公園で撮影をしてたら突然ウーウーとサイレンの音。すぐ向うで大きな黒い煙が立ち上がりました。

火事だぁ!

その日は朝から公園でずっと撮る日で。なかなか快調に撮影を進めていたのですが、火事と同時にちょっとお休み。だってウルサいんです。ウーウー。カンカンカン。アナウンス…。いろんな音がしてました。
その音を全部こちらのマイクが拾ってしまうんで少しお休みです。

火事と同時に公園を取り巻いていたギャラリーのみなさんがさーっといなくなりました。野次馬に変身されたようです。しかし火事ってあれずっとウルサいんですね。結局2時間も食われてしまった。
あーあ。せっかく巻いてたのに。残念です。
でも実はその日の最後にやるシーンがよくわからず。火事を待ってるあいだに考える事が出来てよかった。
危ない。危ない。間一髪です。

集まった消防車たちが去り始めて終了…かと思ったのですが、彼ら、去る時もウルサいんですね。
「カンカン…カンカン」と鐘を鳴らしながら去る。「もう火事は消えたよー」という合図なんだそうな。

えー。あとどんくらい待てばいいのかな。
そう思ってたら制作部S君が駆け出して行って、すぐに帰って来ました。
「えー消防車の皆さんには鐘を鳴らさず帰ってもらうよう頼んで交渉成立しました」やった。
映画はいろんな部署の人の力が集合して成り立ってますね。
【第45回】

映画『武士道シックスティーン』の撮影も佳境です。毎日埼玉の体育館で撮影中。
でも…スポーツって大変。『ロボコン』のロボットコンテスト、『奈緒子』の駅伝、と試合ものをこなして来てそれなりに自信もあったのですが、剣道って思った以上にアクションでした。
そうだよなあ。チャンバラ映画ってアクション映画だもんね…。

大体カット数が多くて憶えらんないよ。自分で割ったカット割りにもかかわらず。
それに引き換えチーフ助監督Sさんは優秀です。剣道の試合の組み立ても考えるし、俺のカット割りを受けて最適な撮り順も考えられる。おまけにそれを忘れないし…。

今日の撮影後、試合シーンのリハーサルをして翌日の撮り方を考えたのですが、終わってキャメラマンKさんが囁きました。
「監督、さっきリハーサルした試合憶えてる?俺、新しい試合のリハやったら前のすっかり忘れちゃった」
…そうなんです。翌日撮影する二試合分のリハをやったのですが、二試合目を始めると前のがキレイに抜けちゃうんですね。

「人は剣道の試合を二試合分は憶えられない」最新の脳科学でこの不思議を解明してくれないでしょうか?
だけど助監督Sさんは憶えています。優秀だなぁ…。ちょっと劣等感も感じます。俺は頭悪いのだろうか?

撮影の現場を回すのは大変なことで、僕も助監督をやってたときはひーこらでした。だけどうまく行くと人やモノ、時間や芝居を動かす楽しさでやめられないのも事実。

助監督時代、能登で撮影する映画のセカンドをやってました。色んな事情でコンテを切るのも僕、現場の仕切りをやるのも僕でした。撮影はずっと好調だったのですが、最終日に撮りこぼしました。すると車でまた10時間もかけて能登まで来なきゃならない。俺の仕切りミスが原因です。

すると俳優のN瀬さんにめちゃめちゃ怒られた。でもって後で、「あの時怒るほうがいいと思って。ごめんな」と謝られました。確かに…N瀬さんが怒ったことで俺への風当たりは弱くなったのでした。
N瀬さん、ありがとうございます…。

さてさて『武士道』。
北乃きいちゃんの話はこないだ書きましたが、もう一人の主役、成海璃子ちゃんもめちゃめちゃいいですね。
“うまく演じるタイプ”ではなくて“そこにいる”タイプ。どかんと存在感でそこにいる。あの骨太さは…彼女を見るたびに思うけど三船敏郎にそっくりです。
暖簾をくぐっていきなり、「おい親父。メシはいい。まずは酒だ」と言える女優は彼女しかいないなぁ。
何をやっても成海璃子のまま確かに別人になる。不思議だ。

↑の写真、剣道大会を撮影してる体育館です。床に置いてあるのは防具。その向うに見えるのは“正面”と呼ばれる役引席です。



【第46回】


クランクアップ。
終わりました。映画『武士道シックスティーン』の撮影。
最後の日は千葉。町を見下ろす丘。ここで主人公たちが決闘をするのだな。
雨に追われた一日でした。小雨の中をぬって何とか撮れました。

しかし…決闘! そういやそんな映画これまで撮ったことありませんでした。
でも、いいもんです。闘って白黒付ける。シンプルなクライマックスだ。

今回は剣道指導のEさんはじめ剣道家の方々に大変お世話になりました。しかし面白かったですね。
例えば防具の模様。胴に縫い込まれている刺繍、胴の色、面紐の色など剣道家の人たちが何を基準に選ぶかというと「強そうか」という一点なのですね。これは不思議だ。やっぱり他のスポーツだと「かわいい」とか「クール」だとかあるんでしょうけど剣道には断じてない! ハッキリしていて気持ちがいい。
ふた月もやってると段々防具を見る目も出来てきて、凄く強い人の防具は凄かったですね。
最前線で打ちまくる兵隊の装備のようでした。モビルスーツで言えば物凄く強い緑のザクって感じ。

剣道家の方々は総じて気持ちが良かったです。
前述の剣道指導のEさんは27歳の剣道師範。
飲み会の席では絶対に人が飲んでるものと同じものを注文するそうです。「ビール」と隣の人が言ったら「ビール」。それが礼儀なんだそうです。凄い!体育会! だけどまっすぐな人柄と純粋さと柔軟さで剣道をやる少女たちをまとめて、彼女たちの剣道をカタチにしてくれました。

武道具屋さんのMさん、Aさんも良かったなあ。
Mさんは出演者の一部吹き替えもしてくれたんですが明るいムードメーカーの女の子で最後の日はボロ泣きしていました。実は体が悪かったのにもかかわらず、吹き替えに来てくれた日は持病がピークになっていたのにそんなことは露知らず、俺は「もう一回やろう!」とつらい演技を何度もやらせていたのです。しかしスタッフは何で俺に言わないんだ。知ったってきっとMさんにはお願いしたと思う。したかな?分からない。だけど知っていたかったじゃないですか。

もう一人、やはり女の子で日本選手権も体験してる猛者Kさんもよかったな。
だけどそのあまりの強さや剣道一直線な部分とうらはらの純粋さがかわいくて。「強過ぎて怖い」とか「きゃわいい!」とか、僕らもつい軽口を叩いてしまって随分傷つけてしまいました。ごめんなさい。反省してます。

今回は剣道の映画を撮るにあたって、本物の剣道家の人たちが持つリアリティ、精神性みたいなところが随分と刺激になりました。
何だかねぇ…思うんです。剣道やってる人に泥棒は絶対いない!
そんなふうに思える出会いばかりでよかったです。
【第47回】
オシャレな場所で編集作業やってます

映画『武士道シックスティーン』の編集を始めました。
もと小学校の校舎を利用した某施設の中にある編集室でやってます。
デザイン系の会社、木工、テキスタイルの作業場、スローなカフェなんかが入ってて。
やたらとオシャレなんですよねぇ…。
カフェで昼メシを食べるんですが。俺と編集のOシゲさん、記録のIクラさん、浮いてるなぁ。
隣のテーブルの人、美人だわオシャレだわ。じーっと見てしまいました。都会の女性はキレイだ。

なんたってこちらは先週まで地べたに座ってお弁当を食べていたのです。
ロケ弁生活とこのカフェの違うこと!オカズは全部ワンプレートに乗ってるし、ご飯は十穀米だし、カレーがサラサラしてるし!そういや何でカフェのカレーはサラサラなんだ!ご飯がしゃばしゃばになるじゃないか。俺はどろどろのカレーが食べたいんだ!ということで今日は外に出てカツカレーを食べました。ああ満足した。

編集の話でした。撮影が一番好きですが編集も捨てたもんじゃありません。
「ああ失敗した」
「素材が足りない」
なんて時は真っ暗な気持ちになりますが、映像を繋げて主人公の感情がちゃんと動いて、役者がいい顔をしてることにあらためて気づいたりした時はホントに嬉しい。

今日で5日目ですが、何度かの底に沈んだ気持ちを乗り越えて今日は「お。何とか映画になるんじゃないの」と前向きな気持ちになれました。

昨日は暗かった。
映画の前半はいいけど後半が何ともうまく繋がらない。
そこでポストイットにシーンの内容を書いて表を作りました。
その付箋を入れ替えて順番をいじるのです。俺の案に編集Oシゲさんが反対。
「(シーンを入れ替えたことによって)前後の整合性が取れなくなるから、そこまでの変更はすべきではない」と彼。一度やってみたい俺とぶつかりました。

お互い主張して譲らず。ぐったりと疲れて口をきかなくなりました。
「今日はここまでにするか」とコップやら灰皿を片付け始めて別れるまで殆ど口をきかなかったなぁ。
Oシゲさんは日芸の一個先輩。年齢は同じだけど当時の先輩後輩の関係で俺はどうしても敬語が出ます。

映像を繋げる。動きが繋がり、感情が繋がり、映画が動く。
そんな編集そのものの作業が大好きなOシゲさん。
だから「映画全体の構造を考える」というような、本来ならば脚本作りの作業を編集スタジオでやってしまうときはよくぶつかります。
だけど「映画になる瞬間」を作るのを彼が何よりも好きなことをよく知っているので。
そこを一番信頼してるので、ここ数年一緒にやってます。

昨夜、帰宅したら彼から短いメールが来ました。
「今日は飲むべきだったかもね。」と。
…今度飲もう!Oシゲさん、今回もよろしくお願いします。
【第48回】

お話を信じなきゃ……。

映画『武士道シックスティーン』編集まっ最中です。
数日前にはプロデューサー陣を集めて第一回目のラッシュ。
荒く繋いだフィルムを見せるのです。といってもアビットという機械でやるのでビデオの小さな画面で…なのですが。本当にフィルムを繋ぐのはもう少し先です。

さて…いつものことですが、編集を始めると悩みます。
何だこりゃ。とんでもないものを撮ってしまった。
しかしへこたれないぞ。知恵と勇気で乗り越えなければ!

というわけで編集で七転八倒します。
でも今回はちょっとやり過ぎました。映画の半分までは面白い。
しかし残り半分が脚本の頃からの問題点が露呈したかたちで、つまんない。
そこでまずシーンをばらばらに。でもって新しい、面白い意味を見つけ出して繋げ直しました。脚本状の構成を思い切ってバラバラにしたのです。

プロデューサー陣に見せたのですが…評判は散々でした。
「古厩さんは考え過ぎるからなぁ」と言う某プロデューサーに、
「そんなことないですよ」と答えて臨んだラッシュ。
これぞシンプル。究極の答え!と自信を持っていたのですが…。どうやらやり過ぎちゃったみたい…。

ラッシュが終わって二日ほどよくわかりませんでした。そこで編集Oさんとともに、
「いらないシーンを捨てる、ということだけまずしよう。そしてこの映画に必要な最低限のシーン、ここだけあれば映画になるという一番小さなカタチを見つけよう。シーンの順番をいじるのはしばらく我慢しよう」とOさん。
俺は納得しました。そして、いらないと思われるシーンをただ削っていったのですが…。

その作業をしてる二日間、つまんなかったなあ!
「こうすれば正解!」という答えがみつからないままシーンを選ぶ作業。
それは、カットを繋いで、そこに生きる人間を作り出す「編集」という作業からは随分遠くて…。
それでも何とか我慢して…今日の朝イチ、初めて繋げたものを見ました。

あれ?イケてるみたい!主人公の剣道一直線少女・香織が生き生きとそこにいました。
んーと、やはり考え過ぎでした。いや、それ以前に今あるお話の流れが最高でなくても、まずは信じてみるべきでした。主人公はその流れにそって生きているのですから。
迷いました。いつも迷ってばかりですが…でも何とかなりそうです。
【第48回】

撮ることに…、慣れちゃいかん!!

非常勤講師として勤めている母校の日大芸術学部で社会人教養講座というのをやりました。僕の前の前の作品『奈緒子』を上映して自作を語る…というのがお題。
来てくれたのは50人ほど。そのうち日芸の生徒でない一般の方は19名。なかなか多い方ではないですか。
6時半からの上映で2500円取るからなぁ。ちょっとお高い。

『奈緒子』は後半だけ見ることが出来ました。久々に見たら固い映画でびっくり。
固いというより「硬い」ですかね。ぎちぎちだったな。求道的と言ってもいいかもしれない。
現在、新作の『武士道シックスティーン』の編集をしています。
そっちがゆるめの題材にも関わらずガシッ、ドカッ、勝負!という感じに溢れているので自分の傾向が気になるのです。俺、やり過ぎちゃうんだよなあ…。

だけど久々に見た上野樹里ちゃんはその表情の豊かさにびっくり。
顔面芝居なんか全くやんないの。たたずんでいるだけで雄弁…。
彼女を褒めつつ自画自賛だ。また仕事したいです。

『奈緒子』の上映終わって前に出ました。進行は映画学科の教授で、在学時代からよく知ってるTさん。在学時、Tさんは助手で、俺はダメな生徒でした。しかも言うことをきかない…。キャメラを借りて返さない。借りたキャメラを金魚鉢の中に入れて海へじゃぼりと浸ける。二週間の予定で始めた撮影が延びに延びて5ヶ月もやっている…などなど。
問題を起こすたびにTさんは「古厩あ!」と怒鳴り、俺はカタチばかり「はぁい。スイマセン!」と謝り倒していたのでした。懐かしいなあ。

トークの時間。そんなエピソードを話していたTさんが言いました。
「俺、古厩のラッシュも見てるんだよね」
ラッシュというのは撮ったままのフィルムをただ現像したもの。編集も音も入れてません。無音のNGカットが幾つも続いてたりするのです。

「俺がラッシュを見に行ったらさあ…どこが違うかわからない全く同じ芝居が10テイクも続いてるんだよね」とTさん。
そうだっけ。全く忘れてました。
「さすがの俺もイライラきて怒鳴ったんだ。古厩、コレどこが違うんだよ!どれがオッケーなんだよ!…って。そしたらお前何て言ったか憶えてる?」
うーん。全然憶えてません。何て言いましたっけ。
「お前、ひと言言ったんだよ。“わかんない”って」
ああ。そうか。そういうことがあった気がする。当時はとにかくわからなかった。どう撮ったらいいかわからない。それ以前に何を撮ったらいいかさえもわからない。

だけど…全てがわからなくなってしまうのは凄く面白かった気がします。目の前の撮るべきものが何だかさっぱりわからないって事は、それに慣れてないってことで。それは新鮮で刺激的でした。最近慣れてるなぁ。いかんいかんです。
【第49回】

「古厩道場」、その椅子の行方は…?

映画『武士道シックスティーン』のアフレコが始まりました。
剣道シーンの気合いとか吐息。
窓に黒幕を貼ってまっ昼間に夜の場面を撮ってたら、ガガガと工事が始まってしまったシーン(工事はだいたい昼ですもんね。夜派手にやってるとオカシイ)。足りない声がたくさんあります。

そんなところを録り直し&録り足し。今日はダブル主人公のひとり、北乃きいちゃん。
『救命病棟24時』撮影中のきいちゃん。ばっさりと髪を切って現れました。変わるもんだねぇ…。
ERで働くやり手に見えるよ。ウチの映画ではのんびり、偏差値低め、だが元気!なんてキャラなのに。

さてアフレコはほぼ順調に行きました。しかし一カ所。
どうしても分からない台詞があってきいちゃんに3パターンやってもらってしまった…。
ひとつのシーンを三つ、全く違う感情でやるなんて…。
きいちゃんはにっこり笑ってやってくれたけど、申し訳ないことしちゃったな。ごめんなさい。

えっと写真です。前々回のこのコラムに「いい写真がない」なんて書きました。
そしたらそれを読んだライターのHさんが写真を送ってくれて。
撮影中、小田原まで取材に来てくれたHさん。ありがとうございます!

これは撮影の合間の俺ですね。その後ろ姿。
撮影と撮影の隙間で次のこと(明日のカット割りとか…)考えてるようです。

そしてじゃーん。椅子の背もたれの文字!
「T FURUMAYA」なんてのが一般的ですが、俺のは「古厩道場」!わはは。

この椅子って毎回映画を撮るたびにフィルム屋さんがくれるんです。
フィルム屋さんと一番付き合いのあるのはキャメラマン。
今回はキャメラのKさんがこの「古厩道場」ってネームを注文して入れてくれました。剣道ものだからシャレですね。しかし同時に例えば今は亡き相米慎二監督みたいに「ビシビシやるからな!」なんて意味も込められてるのです。

しかし…いつも通り、全く厳しくは出来なかったですね。まぁ性格だからしょうがない。
しかし、撮影が終わるといつも、この監督椅子がなくなるんですよね。
たまにはもらって帰りたいと思ってるのに、一回ももらえたことがない。
あの椅子はもしかして貸与なのだろうか。
それともスタッフの誰かが持って帰ってあの背もたれを引っこ抜いて使ってたりしたら…悲しいぞ!
真相を知る方、誰か教えてください!
【第50回】

スポーツカーとU2と20年…。

映画『武士道シックスティーン』の音楽打合せ。終わったのは夜中の1時少し前。
実りある打合せだったように思います。
問題だったのは「この映画、音楽が付きにくい。どうしよう」というところ。
俺の撮り方、剣道という素材、原因は幾つもあります。
だけど議論の結果「こんな音楽なら乗るんじゃないか」と方向性が見えました。あとは音楽のUさん、音楽PのYさんにお任せするだけ。

Uさんとは『奈緒子』『ホームレス中学生』に続いて今回で三本目です。
いいんだよなあ、Uさん。
そのメロディからヨーロッパの香りがする。
だからといって決してマイナーではない。こびてないんですね。
天上に向かうイメージがあります。バレエのようだ。
俺にない品がUさんのメロディにはある。信頼してます。

打合せが終わって深夜。
録音のSの車に乗せてもらいました。今回の録音技師Sは大学時代の同級生なので呼び捨てなのです。
コインパーキングに止まっていた彼の車はセリカXX(ダブルエックス)。
四角くて、鼻が長くて、ストロングに速いカッコいい旧車です。
Sの唯一の趣味がこの古いセリカ。ここらへんの速い車に憧れる気持ちは大変わかる。
高校生の頃とか憧れたよなあ…。
「そう言えば最近あんまりスポーツカーって見ないね」水を向けるとSが話し始めました。
「若者がスポーツカーに興味なくなったからねぇ…」
「トヨタの現行車にはセリカもないしスポーツタイプの車はひとつもない。日産のスカイラインとフェアレディZ、マツダのRX−8、そんなとこが今残されたスポーツカーかな」
えー。そうなの?RX−7は?ホンダのNSXとかトヨタのMR−2は?……全部ないそうですよ。

とはいえ、バイクでいえばビッグスクーターやトラッカーが幅をきかせているだるいのがカッコいい現在って、そんなに居心地が悪い時代じゃないよなあ、とも思うのです。無理するのってカッコ悪い。別に速く走らなくていいって、肩の力が抜けててラクですよね。むやみに速くてバリバリの振りしなくていいもんね。大人だな〜。

いや待てよ。今度は「いかに肩の力が抜けてるか競争」が始まるのかな。
海老名のサービスエリアの端っこで音楽ガンガンに鳴らしながら改造車でもんの凄〜くゆっくり走ってる奴ら(アレ何て言うんですかね)を見たけど…あれはあれで疲れそうだ。みんな窓から上半身をぶら〜と出して煙草吸ったり、チュッパチャプスなめてたり。何か一生懸命ダルくしてました。青年たちよ!面白いぞ。

あー俺おっさんですね。今日は。
セリカの中でSが思い切り大音量で流したのはU2の『魂の叫び』でした。
そういやSはU2の大ファンだった。学生時代Sとはそれほど親しくなかった俺は、U2の話だけが共通の話題だったんだった。思い出した…。
夜中の青梅街道のセリカXXの助手席で。憧れの車を手に入れたSの隣で。もう20年近くもたつんだなぁ…と一瞬、感慨しました。
当時金がなかった俺は18万円の軽トラックを友達と折半で買って乗り回してました。軽トラですよ!Sは当時から無理して速い車をバイトで買ってたなあ…。
【第52回】

音楽が生まれる、その瞬間。

夜の10時。『武士道シックスティーン』の音楽を担当してくれる音楽家Uさんの家にお邪魔。
音楽録音前では最後の打合せ。いつ来ても大きくて立派なマンションだぁ!
Uさんの作業場には古いオルガンなんかもいっぱい置いてあって、そこには丸っこいメーターなんかもごっちゃりと付いていて…。松本零士の描くコックピットのようで気に入ってます。カッコいいぞ!

まだ皆、来てないのでUさんにすり寄りました。
「音楽すっげー良かったです。細かい注文もあるのですが、全体的に大満足です!」と伝えました。
そこへプロデューサー陣が登場。よかった。他の人が来る前に言えた!
なんか俺告白する中学生みたいでした。
『奈緒子』『ホームレス中学生』に続いて三本目のタッグを組むUさん。その音楽はどこか上品でヨーロッパの香りがして…うーん。大好きだぁ。

その後は映像を見ながら打合せ。全体はほぼオッケーなのですが、映画の前半部の音楽にいろいろ注文を出しています。Uさんの映画の解釈は完璧、付く音楽は最高なのですが、物語に沿い過ぎている気もしました。もう少し軽い音楽にしてもらいたい。前半だけで良いのですが!

「わっからんなあ…」Uさんが呟きました。
「どうすれば…」マックの後ろのキーボードでいろいろ弾いてくれるんだけど、なかなかハマりません。
僕らもいろいろ言うんだけれど「音楽の言葉」を持ってないので遠い遠い…。

「ばあっと」とか「美しいモノを見たように」「映画の未知との遭遇ですよ」とか…まだ見ぬ音楽のイメージを伝えるんだけど無理!
「無理です。伝わんない」と話したところ、Uさんが言いました。
「昔某テレビ局の番組で音楽を作ったとき、プロデューサーがディレクターに怒って言ったんです。『お前、音楽の専門家じゃないんだから言ったらUさんが余計混乱するだろ』って…。アホかって思いましたね。いいんです。感覚で」

そんなUさんの言葉に勇気づけられてさらにトーク。Uさんもいろいろ鍵盤に向かってトライしてるとき、旋律が生まれました。みんな一斉に「いい!」
音楽が生まれる瞬間って感動的なものですね。よかった。

翌日は現像場イマジカでCGチェック。そうそう。
今回本編中に『スター・ウォー◯』にも登場したレイ◯姫が合成で登場します。だけど派手な特撮映画ではないんで、わざとアナクロな感じにしてもらいました。手作りっぽく…?

今日完成版が出来たんですがイマジカNさんと話しました。
「これがイマジカの全力って勘違いされますね」
皆さん、わざとです。よろしくお願い致します。

帰り道、編集Oさんがiphoneを取り出して見せました。
「ほら。日食凄いだろ」そこには見事な三日月の写真。
凄い…って、おい!日食のときは試写中だったよ。写真撮ってて遅刻したな。そう言って攻めるとOさんはモゴモゴ言ってましたが、北海道土産の昆布とマルセイバターサンドをくれたのでまぁよしとします。

やー。もうすぐ完成です。長かった…。
【第53回】

子供番組はめちゃくちゃ面白い!

日活撮影所で『武士道シックスティーン』のアフレコ。
主人公と対戦する敵チームの気合いの声が不足しているので録音したのです。

適役でお世話になった埼玉大の剣道部の方々と、剣道指導助手のMさんが役者として来てくれました。Mさんは体が決して丈夫じゃないのに激しい剣道シーンを指導してくれた女性。明るくてスタッフ一同ファンになってしまいました。ムードメーカーになれる人って尊敬します。自分の自意識なんてほっといて、その場の空気を盛り上げるぞとちゃんと思って実行する。カッコいい。アフレコもノリよくやってもらえて助かりました。

ところで…アフレコが始まったのは朝10時ですが、どうも眠い。スタジオが暗くなるとまぶたが落ちる。
えーと…1歳の息子が朝早いんですね。6時代には起床する。途端にオモチャで遊び始めるから…起きちゃうなあ。

起きる→オムツを替えて着替え→テレビを付ける。朝の子供番組を見ながら朝ご飯…というのが最近の流れですが、朝の教育テレビってめちゃくちゃ面白いの知ってました?

俺は最近知りました。まずは7時。小学生向けの早起き番組『シャキーン!』。
知り合いがメイクとスタイリストをやっているので欠かさずチェック。「クラッパーパラダイス」という歌を歌って手をぱちぱち叩く。息子と一緒に拍手大会。

そうしていると始まるのが『朝だカラダ』。短い体操番組ですね。ケイン・コスギと子供達が体操するんですが、子供は平然としてるのにケインがいつも息を切らしているのがオカしい。

そして7時半を過ぎると『英語で遊ぼ』。幼児向けの英語番組。息子がこのパーソナリティ、ジェーンを妙に気に入っていてオカしい。外人が好きなのか、派手な顔が好きなのか。だけど今から「お嫁さんにしたい子ナンバー1」みたいな地味な人が好きなのもイヤだね。そう妻と話しました。

8時近くなると…やった!始まる!『日本語で遊ぼ』が!この番組、ホントおもしろいですよ。浪曲師(っぽい人)が歌う主題歌。野村萬斎が「ややこしや、ややこしや」と詠いながら歩き回るコーナー。素人に「じゅげむ」を言わせて日本全国回るコーナー。とにかく「日本語って美しいな。愉快だな」という意識が番組の隅まで行き渡っている。この番組見ると、ぶつぶつ喋りたくなるんです。それって凄い。日々野こずえのアートディレクションも良い。あーあ、俺も子供番組、撮ってみたいなぁ。
【第54回】

『武士道シックスティーン』ダビング作業完了

いやー終わった終わった。『武士道シックスティーン』のダビング(音入れ作業)が終わりました。
眠かった!とにかくそれに尽きます。一日目にマシントラブル。それを皮切りに毎日深夜まででした。

全部で4日間だったのだけど、3日目はどうしても起きてることが出来なかった。

「監督、どうですか?」とミキサーのSに言われた瞬間に目覚め、しかし作業をしてくれていた効果、音楽Pたちの手前「寝ていた」とはとても言えず。
「後半の…あそこが…気になる」とかろうじて起きていた箇所だけを喋ると「え。それだけ?」とミキサーS(大学の同級生なので呼び捨てです)。てめーツッコむんじゃねーよ。寝てたって分かっちゃうだろう。

普通は10カ所くらい気になるところを伝えて、それでミキサー、効果、音楽の各パートが直しに入ります。直ったところでまた見る。その繰り返し。だから気になるところが一カ所なんてオカしいんですね。

しかし終わってみれば面白かった。音を入れていくのはハッキリと救われていく感じもあって好きです。

今回もUさんの音楽、良かったなあ…。今回で三本連続でUさんに音楽をお願いしたんだけれどもやめられません。プロデューサーのKさん曰く「Uさんの音楽は、よく生きた者への讃歌なんですね」。そうそう、確かにそう。Uさんの音楽は人間を全肯定する感じがある。と同時に高みを目指す感じというか天上へ向かう感じがあって美しいんですよね。バレエの音楽とかやったらバッチリだと思う。

ダビングが終わるまでは編集のOさんもスタジオに詰めるのだけど(呎の調整があるかもなので)彼の助言には本当に助けられた。
記録のIさんはかなりユーモアのある人だというのが分かって、スタジオがなごみました。

そしてミキサーのS。同級生の気安さもあって、普段気を使うミキサーになら口にしないようなことも平気で言っちゃって悪かったな…。
「こんなに短いロールなのに時間かかっちゃったな」とかぶつぶつ言ってしまいました。
俺があんまりぶつぶつ言うので彼のプランも崩れ「もうわかんねーよ」なんて深夜に言い始めることもありました。
だけどあれは俺が寝てたり、的確な意見を言わなかったからだなあ。ごめんよS。

とにもかくにも、これで鞄から脚本を出せます。もう持ち歩かないぞ!
【第70回】

やっと…映画「武士道シックスティーン」が完成しました。

イマジカという現像所で初めて上映するのです。

それを初号というのですが、いや〜何回やってもハラハラしていやなものです。

まず第一試写室という一番大きな部屋のロビーに集合するのですが、
この時何だか華やいでいるんですよね。雰囲気が。

ゼロ号といって初号の前にホントの初上映もあるんですが、そっちは落ち着く。
来るのは顔も見知ったスタッフが中心だし、プリントの色めもまだまだ調整が必要で
「作る過程の一部!」って感じがするのです。

でも初号は違う。映画のスタッフじゃない都会っぽいキレイな格好の人がいる。知らない顔もたくさん。

そして「完成のお祝いの場でしかも映画も観られて楽しいな」という雰囲気がかくじつにある!
これでつまんないもの観せたらどうなっちゃうんでしょう。ハラハラドキドキドキ!

上映が終わりました。

こそこそと隠れるように、でも同時に「自信もあるぞ」という顔をしてロビーの隅の喫煙所に移動。
隅にいるとそれなりに親しいスタッフしか寄って来ないから助かります。

そこで「やーうまく行った」という顔をしながらロビーの様子を観察します。
この時ロビーの人波がさあっと波が引くようにいなくなったら、その作品はヤバい。
逆にみんな割とロビーに留まってお喋りしてるようなら成功。

さてどっちだ。

余裕の仮面を被りながら観察しました。
いいんじゃない。あ、でもあの人たちごっそりと帰ってく。ヤバい!あ、でも笑ってる人が…。

結局いつも分からずぐったりと疲れるのです。
こないだですね、今度wowowでやる番組の試写がありました。
GW公開の映画「武士道シックスティーン」のスピンオフ企画。
主演のふたり、成海璃子ちゃんと北乃きいちゃんをそれぞれ主役に「部活動」をテーマに5本の短編を制作したのです。

「ブカツ道」というのがそのタイトル。

俺が二本撮って、あとの三本を永田琴さん、犬童一心さん、なんと俳優の沢村一樹さんが監督しました。
自分のは何度も見てるのですが他の方の作品を見るのは初めて。緊張します。

夜八時。五反田の現像所・イマジカで試写開始。
最初は僕のやつ。璃子ちゃん主演の「櫻の園」。
たったひとりの演劇部員・璃子ちゃんが毎日ひとりで戯曲「櫻の園」の稽古をしている。
そこに気弱なサッカー部員が近付いて来て…という内容。

大きいスクリーンで見ることを想定してなかったので遠くまでよく見えて愉しかった。うむ。

二本目が永田さんの茶道部モノで主演はきいちゃん。
きいちゃんが着物が似合う茶道部部長の女子を好き…というドキドキもの。
ひとの作品てのは新鮮ですね。俺がやらない叙情的な撮り方。
部長を見つめてるきいちゃん、良かったな。

しかし部長役が「武士道シックスティーン」でも部長役を演じていた高木古都で、それが焦りましたね。
こんなしっとりした役出来んのかな?
「武士道シックスティーン」では毎日怒鳴り声、体育会系の部長役だったからなあ…。
でもね、出来てました。良かった。終わるなり永田さんに「高木が出来ててよかったです」と声を掛けてしまったほど。

そんで三本目が飛び道具でしたね。
犬堂さん、高校生の映画コンテストの優勝作品を完コピしてやんの。でもってそれが面白い。

もともとヘタウマを狙った作品。高校生の半分ワザとで半分本気のド下手芝居、しょーもないギャグを間(ま)から何から完全コピーして。これが笑えました。
高校生男子のくだらない妄想やら自意識やらまで再現してて、生涯で一回しか撮れない輝きのようなものまである部分はコピー出来てて。お勧めですね。
終わって思わず「ズルい!」と叫びました。これお勧めです。

四本目は俺の作品。きいちゃんと数学者のお父さん。
亡くなってしまったお母さんの得意料理を二人で再現しようとするほのぼの涙もの。

冷静に見るぞ!と決意したものの、俺、この作品新型インフルエンザにかかって一回撮影をドタキャンして類い稀なる迷惑を各所にかけてしまっているのです。そのこと思い出したら全く冷静になれませんでした。あー。

そして最後が沢村さんの。
弓道部の璃子ちゃんが「男子の心を射止める不思議な矢」を手に入れ憧れの君を狙うが…というお話。
これはね、本当に一生に一回しか撮れない映画でした。「撮るのが楽しい!」ってのが画面の隅々から溢れてて笑みがこぼれてくるような前向きな作品。

以上5本です。

終わって五反田のぼろーい焼き鳥屋へ。撮影のKさん、撮影助手のI君、撮影助手の美術のSさんと反省会。
話すと4人全員仕事にあぶれている。不況だねえなどのグチ、本音、冗談などを交わし楽しく飲みました。
何にせよ完成した夜の飲みはいいものです。

wowowの「ブカツ道」ですが放映日程は以下の通り。
4月4日(日)、11時30分を皮切りに毎週日曜に全5回。
各話の順番は試写の順と同じです。
あ。無料放送らしいです。見てください!

【第81回】


4月24日より「武士道シックスティーン」始まってます。
おもしろいですよ。GWにお出かけください。

しかし良くないと分かってはいるのですが、ネットでの評判とか見てしまうんですよね…。
いいこと書いてあれば嬉しいし、悪いこと書いてあれば哀しい。落ち込むんだよなあ…。

公開に先駆けて、先日、新宿は花園神社で「ヒット祈願」なるものをしました。

手前にいるのは女性剣士たち。奥にいるのが璃子ちゃんと俺です。
きいちゃんは忙しくて都合がつきませんでした。
お祓いして、玉串を捧げて、お神酒を手に乾杯の音頭をとって…。これ緊張するんですよね。

いつもはクランクインの前日とかにロケ地近くの神社で安全祈願のお祓いはしたりするんです。
撮入を明日に控えて猛烈忙しいときだから、眠くて仕方ないのが常です。
怒られてしまうかもしれませんが祝詞(のりと)の最中眠ったことが何度もあります。

さて、お祓いを終えると、神殿前の階段に並んで絵作り(マスコミの方々に写真を撮ってもらう)と、
簡単なトークコーナー。

マスコミの方々の質問に答えます。
しかし…お祓いでは竹刀を清めてお祓いしてもらったんですよね。
手に軽く持っている璃子ちゃんはカッコいい。
しかしお札を持ってくれと頼まれた俺、何だか決まりませんね。

渡されたとき迷いました。そして両手を丁寧に上下に添えることにしました。
なんだかなあ…位牌を持っているようだ。

ではどういう持ち方がよかったのだろう?

1. 両手の平をあわせて上を向ける。ちょうだいのポーズ。そこに乗っける。
  神様への敬意もあり、丁寧そうでは…。

2. 片手でさらっと持つ。
  うん。これはよかったかもしれない。神様への敬意みたいなものはゼロですが…。

しかし「神様を前にした礼儀とか分かってるとこ見せなきゃ」なんて余分なことを考えちゃうから
七五三みたいになっちゃうんですよね。

誰かおウチが神社だという方、正解を教えてください。

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