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ベン村さ来「と言えば・・・」コミュの【42・田中真紀子さん】 平成13年4月28日(土)

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原典:http://www.owarai.to/ben/42.html
written by ベン村さ来

◆ 新しく小泉政権がスタートした。私は皇道主義なので現行の政治には興味がないが、「変人」と呼ばれる小泉純一郎首相には期待している。今の日本は変人が指揮でもとった方が 新しい何かが生まれるかも知れない。昔、壊れたテレビを直す時に斜め45度でチョップを 食らわすと直ったのと同じである。今の壊れた日本には、そういう奇行が必要なのだ。私 もよく変人(もしくは変態)と呼ばれる男である。同じ変人同士、ぜひ小泉首相には頑張 っていただきたい。


◆ しかし、一部新聞でも取り上げられていたが一国の主である首相が離婚でカミさんがいな いのは困ったものだ。アメリカで言うところの「ふぁーすとれでぃ」である。サミットの ようなもの(俺もいい加減な例えだね…)があった時にはカミさん会議がつき物だ。そこ で我が日本だけ欠席というのはあまりにも寂しい。所詮、カミさん同士である。絶対に「 アラ、いやだ。ニッポンさんは離婚してるザーマスのよ」とか「離婚の原因は女遊びじゃ ないでございませんでございませんでしょうか」(どこの言葉だ?)とか言われるに決ま ってる。その時まで小泉首相には田中真紀子さんを不倫離婚に持ち込んで愛人にするとか 、女子高生との援助交際でもいいから「カミさん代行」を用意してもらいたいものだ。た だ、本当に愛人が存在して、それがフィリピンパブの娘だったらどうしよう?日本代表な のにフィリピン人。これはフィリピンへの差別につながるのか、多大なる輸入への感謝に なるのかよくわからない。


◆ 田中真紀子さんと言えば思い出すのが…と、その前になぜ私は珍しく他人に「さん付け」 などしているかをお教えしよう。実は私の祖父は新潟3区出身の元・越山会なのだ。つま り、先代の角栄閣下(新潟では当たり前のようにこう呼ぶ)には大変にお世話になった。 祖母の葬式にも『田中角栄』の名で花輪を出していただき、我が一族が目黒に生きるにこ とおいて天下無敵のハッタリとなった。その関連で私がご幼少の頃から我が家には角栄閣 下の書物がたくさんあり、よく読んだものである。なんせ、ガキの頃の記憶なので細かい ことは覚えていないが、ひとつだけ強烈に覚えている閣下のお言葉がある。『貸した金は 忘れろ!借りた金は忘れるな!』この教えは現在、「お笑い」という渡世を生きる私にと って大きな財産となった。


◆ 言っておくが私から金を借りても返さなくていいという訳ではない。ハッキリ言えば私は 人に金を貸さない。酔った勢いに任せて仲間に2〜3万円オゴったりすることはあるが、 貸すとなるとビタ1円貸さない。借金は築き上げた人間関係を台なしにする。すなわち、 《私は金を貸さない。金は貸すと言ってあげる。それ以上の金を望む奴とは付き合わない 。その代わり、借りた金は絶対に忘れない》この「金」を「義理」と変えるとさらによく ご理解いただけるであろう。《私は義理を貸さない。義理は貸すと言ってあげる。それ以 上の義理を望む奴とは付き合わない。その代わり、借りた義理は絶対に忘れない》あらら 、またヤクザっぽい話になったわねぇ。


◆ で、田中真紀子さんと言えば思い出すのが…兄弟分である。(あー、ヤクザっぽいの手遅 れだった)今回の総裁選では兄弟分である田中真紀子さんが本人より大きな働きをした。 小泉首相は親分(森派)には恵まれなかったが、兄弟分には恵まれたということである。 私たちのお笑い界には『師匠は選べても兄弟子は選べない』という言葉というか、便所の 落書きみたいな言い伝えがある。つまり、師匠はじっくりと好きな人を選ぶことができる が、その一門にどんな兄弟子がいるかはわからない。師匠に気にいられても兄弟子に嫌わ れたら、どんなに才能があっても妬まれ潰され終わりなのである。私はこれで辞めた仲間 を何人も知っている。


◆ 私には正式な師匠がいない。つまり、正式な兄弟子もいない。しかし、稼業上の兄貴分に は恵まれた。私ぐらい兄貴分に恵まれた人間もいないと断言できる。私をたけし軍団の下 部組織「浅草キッド」の舎弟に紹介してくれたダンカン兄さん、右も左もわからぬ私の芸 を暖かく見守ってくれた『オフォス北野ライブグループ』のくろまにおん吉川兄さん・チ ェン兄さん(現在は江戸曲独楽師の三増紋之助)・秋山見学者兄さん(現在は俳優の秋山 大学)・ノーカット星兄さん・佐竹チョイナチョイナ兄さん・こてっちゃん馬場兄さん… 。他流試合として他団体のライブに出るようになってからは『渋谷NOW』というライブ で可愛がってくれたコント「キリングセンス」のシャブ兄さんとハギ兄さん・漫才「ハー レム野郎」のマグナム北斗兄さんと正木竜三兄さん、「電撃ネットワーク」で右翼つなが りだったギュウゾウ兄さん、一人コントのお手本だった本間しげる兄さん・モロ師岡兄さ ん、そのモロ兄さんと結婚した「元・フラミンゴ」の楠木美津香姐さん・「元・ペコちゃ ん」の太田スセリ姐さん ・「元・リンダ」の柏木みどり姐さん(なぜか姐さんたちは解散組が多かった…)、スセ リ姐さんとみどり姐さんとともに『太田プロ三人娘』と呼ばれた相馬ひろみ姐さん(これ が今のカミさん…)。『太田プロライブ』で可愛がってくれた「ダチョウ倶楽部」の肥後 兄さんとジモン兄さんと竜兄さん・春一番兄さん・松村邦洋兄さん(この人だけは世話を した記憶しかない…)。芸人修行に見切りをつけ憧れの放送作家になった私をイチから仕 込んでくれた高田文夫事務所直参の原田兄さん・松岡兄さん・高橋兄さん・松田兄さん( この人には小学生レベルの国語から教わった…)。初のひとり立ち番組『高田文夫のラジ オビバリー昼ズ』(ニッポン放送)の先輩作家である古舘プロジェクトの山本兄さん、私 にビバリーの曜日作家の枠を譲ってくれた向井兄さん(この人は私が小学生の頃からラジ オ作家の大ベテラン…)。演芸の仕事をするようになってから芸人時代以上に可愛がって くれるコント「ブッチャーブラザーズ」のブッチャー兄さんとリッキー兄さん・落語家の 桂竹丸師匠・春風亭勢朝師匠・春風亭昇太師匠(この人は私にネタを書かせてくれないが プロレス技をかけていじめるから好きだ…)。


◆ こんなことを書くとまるで遺言みたいでイヤだが、この兄さんたちから受けた義理を返す 為にもまだまだ死ぬ訳にはいかない。そして、私が義理を果たした後輩たちからまだ何に も返してもらってないので死ぬ訳にはいかない(さっきと話が違うじゃねぇか!)。
 

原典:http://www.owarai.to/ben/42.html
written by ベン村さ来

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