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ミステリ小説 約束の先(仮)コミュの第8話

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 ライト点灯の確認をし、レーダー画面に目を移す。
ここから一番近い空港を探した。
 あった。アメリカ西海岸のボストン空港だ。
 だが、最短コースでも30分はゆうにかかる。 
高田は機長に報告した。
そして、すぐにマニュアルを開いた。
 
 隣で素早い対応をしている高田を横目で見ながら、鈴村は考えていた。
 機長として総ての状況を把握し、最善な対処を考え、指示しなくてはならない事を。
 多少、頭の中が混乱していても、緊急時の対処訓練は長年繰り返し積み重ねている。
 外壁が破られ油圧の一部が損傷しているこの機体でボストンまでもつのか?
 機体の裂傷が大きい場合、機内の与圧で圧縮された空気が破損面から一気に流出しかねない。
 通常、ジャンボジェット機は空気抵抗を考慮し効率良く飛行する為、エベレスト頂上とほぼ同じ高さの上空を飛ぶ。 
 当然そこは地上に比べ非常に気圧が低いため空気が薄く、気温もマイナス30度と極めて低くなる。
 その為、機内は快適に過ごせるよう、地上と同じ気圧と気温を保つ為に与圧装置によって空気に圧力をかけている。
 もしも、外部からなんらかの損傷を受け、それが機体内部の圧力隔壁まで至った場合、快適に保たれた機内の状況は一変する。
その損傷した穴から機外に酸素が吸いだされ、気温、気圧共に急激に下がるのだ。
 その結果、気温は一気にマイナスまで低下してくると同時に物や乗客が宙に舞い上がる。
 何人かの負傷者が出るだろう。機内はパニックに陥る。
最悪の状態は更に加速していく。
気圧と気温は下がり続ける。
 それだけでは終わらない。
 激しい外部への酸素流出のため、亀裂はさらに大きく裂け、やがて機体は空中分解してしまうだろう。

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