イーグルスファンコミュのマー君vs大谷９・６投げ合い濃厚

マー君vs大谷９・６投げ合い濃厚


　日本ハム大谷翔平投手（１９）が、楽天田中将大投手（２４）の連勝ストッパーとして投入が濃厚なことが３０日、分かった。次回先発登板は９月６日楽天戦（Ｋスタ宮城）を予定。同戦は通常の中６日の間隔で田中が登板する可能性が十分で、実現すれば初の投げ合いとなる。野手での対戦はあるが、投手同士は初。数々の連勝野球記録を樹立している球界ＮＯ・１右腕は、大谷が目標とする１人。ゆかりある東北で、夢の舞台が整う。

先発と中継ぎ合わせ、ちょうど１０試合目の１軍マウンドは大きな節目になりそうだ。次戦は胸を借りるには、注目度十分過ぎる相手が立ちはだかる公算が大きくなった。「すごいなと思いますし、まだまだ僕には届かないところ」。大谷が雲の上の存在と尊敬していた田中との対戦が有力だ。野手では３試合、計１０打席対戦して８打数無安打で５三振、２四死球。完全にひねられてきた。投手での成功のモデルケースにしてきた、あこがれの先輩。逆に田中がプロ入りから目標にしてきたレンジャーズ・ダルビッシュの日本ハムの背番号１１を背負い、マウンドを分け合う。運命的マッチアップになる。

激突に備え、投手モードに切り替えた。大谷はこの日の敵地でのロッテ戦を欠場。試合前にブルペンで８６球を入念に投げ込んだ。チームは田中に１１年から１０連敗中で、今季だけで５敗。次戦の難敵を想定しているのか、自覚十分だった。「できるだけ勝ちにつながるように、ゼロに抑えられればいい」。３勝目を挙げた前回登板２３日オリックス戦ではプロ入り最長６回２／３を１失点と内容抜群だった。成長の跡を見せている大谷に「ストップ・ザ・マー君」のチャンスが訪れることになりそうだ。





打者が明かすマーのすごさ！わかってても打てない「スプリット」



楽天・田中が開幕１９連勝と自身２３連勝を飾った。最大の武器は最速１５６キロの直球と、１４０キロ台中盤のスプリットボール。今季対戦した日本ハム・中田や稲葉、ソフトバンク・松田らリーグを代表する打者が、マー君のすごさについて語った。

　今季の田中のすごさを表す象徴的な試合だった。ロッテ・伊東監督は２３日の対戦を前に、秘策を明かした。「ピンチになったら８割方スプリット」。伝家の宝刀に狙いを絞ったが、７回を無失点に抑えられ、今季３勝目を献上した。最も威力を発揮したのがスプリットだった。

　もともとはフォークだったが、１９勝した１１年シーズンから、握りを浅くしたスプリットに変えた。抜け球になるリスクを減らすことが大きな目的だった。正捕手の嶋は田中の転機を「スプリットを投げるようになってから」と指摘した。

　１３０キロ台中盤だったフォークから球速が約１０キロ上がったうえ、直球の軌道から落ちるため、相手打者を苦しめた。自己最速１５６キロの直球があるから、余計にスプリットの効果に拍車をかける。

　日本ハム・稲葉「スプリットは彼の武器だけど、今年は直球がすごくいい。スピン、キレが増している。途中まで同じ軌道の直球が、しっかり制球できているから、スプリットが生きている」

　今季、走者なしの場面の被打率は２割台に対して、得点圏では１割台。満塁の場面では１３打数無安打と、窮地に絶対的な力を発揮している。

　ロッテ・角中「（カウントが）追い込まれてからのスプリットの制球はすごい。振りたいところに投げてくる」

　ソフトバンク・松田「若い頃は豪快な投球で直球主体だった。スプリットの精度が、今年は良くなっているので、追い込まれたら厳しい。でも早打ちで助けてもいけない。対策は難しい」

　日本ハム・中田「追い込まれたら後がないので、初球から打ちにいく。そのくらい割り切っていかないと。すべての球が一級品。一番嫌な球はスライダーと追い込まれてからのスプリット」

　投球の強弱の幅を広げたこともピンチで投げるスプリットを、より際立たせているという。

　西武・栗山「ピンチでギアを上げているといううより、むしろ抜くところを増やしている印象」

　もはや打者だけでなく、試合全体を牛耳っている。

　◆スプリットフィンガードファストボール（ＳＦＦ）　フォークよりやや浅くボールを挟むことで、落差は小さくなるが、より直球に近いスピードで落ちる変化球。元巨人の桑田真澄氏（スポーツ報知評論家）らが武器とした。肘に大きな負担がかかるフォークと比べ、体に与える影響は小さいといわれる。落差の大きいフォークは抜けた場合、失投となる危険性もあるが、そのリスクが少ない。