史跡コミュの高井田横穴

　大阪府柏原市高井田1598－1

　1922年03月08日、指定。
　1990年03月06日、指定エリアを拡大。

　生駒山地最南端に位置する柏原市高井田付近の丘陵の軟弱な凝灰岩層から成る露頭崖面を掘削して、横穴式石室に似た構造に造られた墓室が200基以上も構築されており、横穴墓群の規模としては日本最大級。その多くに古墳時代の線刻画を伴う事で有名。柏原市立歴史資料館を中核とする「史跡高井田横穴公園」として整備されている。
　大正６(1917)年に発見され、人物・船・鳥・馬・魚・樹木・花・渦巻文・太陽・家屋等の線刻画が確認されたが、人物の服装や船体のゴンドラ風の形から、後世の物では無く、古墳時代に彫り描かれた事は明らかである。
　６世紀前半から構築が始まり、７世紀まで構築が続いたと推定され、当時の風俗・宗教思想を知る上で貴重な資料となっている。
　丘陵の自然地形に従って一見雑然と掘削されているようにも見えるが、平面図を詳細に観察すると２～４基を単位として小群を構成している事が窺える。未確認の物も含めて凡そ10～15の小群で一大群を構成しているようである。この現象を７世紀における氏族構成の姿に当て嵌めて見ると、大群は丁度氏族集団の現われであり、小群は集団を構成している世帯であろうと推測される。さらに小群の単位である２～４基は世代毎に掘られたようである。これらの群構成は近隣にある平尾山古墳群等の群集墳でも確認されている。
　史跡公園内には５世紀後半の円墳である高井田山古墳もあり、横穴式石室内を見学出来る。