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甘苦上海(がんくうしゃんはい)コミュのあらすじ

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http://www.nikkei.co.jp/honshi/20081031tabav000_31.html より

プラタナスがその大きな葉を広げる、夏の上海の街。早見紅子(51)が車を出ると、頭上から南洋蝉の声が一斉に降ってきた。紅子は工事中の古びた建物の3階に上がり、ドアをノックする。しばらくすると、腰にバスタオル一枚を巻いただけの長身の男が現れた。

 男の名は石井京(けい、39)。紅子は今、この男を自分のものにしようとしている。日本、中国のエステ業界で数々の困難を乗り越え勝ち取ってきた成果と同じように……。

 紅子の決心は、出ばなでぐらついた。京の部屋で見たのは、ベッドに寝そべる若い中国人の小姐(シャオジエ)。京は冷酷にも小姐を部屋から追い出し、返す刀で書誌学の研究に必要な書物の購入費を出してくれるよう紅子にせまる。京は自分に向けられた紅子の思いを見抜き、その代償として金銭援助を求めたのだった。

 あけっぴろげな京の申し出に、紅子は返って自分の求めていたものが何かつかめなくなる。京のなじみのバー、上海の夜景が一望できる「首席公館酒店」の屋上レストランと場所を移しながらお互いに語り合っても、京の真意はわからない。まして紅子自身が請い求めるものはますます心の闇にかすんでいくだけだった。

 恋の駆け引きとも、単なる取引ともつかぬ京とのやりとり。それからしばらくたったある日、仕事を終えて高級住宅街「古北新区」の自宅に帰った紅子は、乳白色の湯を満たしたバスタブに身を沈めた。ひたすら走り続けた上海での3年間を振り返り、エステサロン事業の成功の裏で心にぽっかり空いた穴に思いをはせる。そこに、携帯電話のベルが鳴った。京からの呼び出しだった。

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