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悪魔の映画辞典コミュのトピック版【 ぬ 】

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[ヌー1]ぬえ【鵺】?伝説上の怪物。頭はサル、手足はトラ、体はタヌキ、尾はヘビの形をし、声はとらつぐみの鳴き声に似るという。
    
“鵺の鳴く夜は恐ろしい”というキャッチ・コピーが有名なのは金田一耕助を鹿賀丈史が演じたシリーズ最低篇『悪霊島』である。
まったく見返したいと露ほども感じないのはなぜなんだろう。
おなじつまんない映画でも野村芳太郎の『八つ墓村』では映像として見たい部分がある。
思えば篠田正浩の不作ぶりはこの辺りから始まっていたように思う。
あの宮川一夫が篠田と組むことを、恋してますと形容したころからおかしいとは思っていたのだが、いま、ふと、頭をよぎるのはひとはみな老いるということである。
篠田という人はスタッフを乗せるのが異常に上手いひとではないだろうか。
時間は本当に残酷だ。
篠田は『スパイ・ゾルゲ』の、あの恥ずかしい強烈なCGを撮り直したいと思わないのだろうか。
あのスピルバーグやルーカスでも同じことを考えた。
映画監督とはそれほど業の深い職業なのかもしれない。



[ヌー2]ぬか・ぶくろ【糠袋】入浴のとき体を洗うための、ぬかを入れた袋。
    
有吉佐和子原作の『華岡青洲の妻』は幾度となくドラマにも舞台にもなった。
しかし映画は増村保造監督の一作だけである。
華岡青洲の許に嫁しづいた新妻は、青洲の妻というよりも、憧れていた青洲の母の身内になれるからと結婚に承諾した。最初の数年間、青洲は遊学していたため、婚家にはおらず、嫁と姑の間柄はまさに蜜月であった。
姑の使い古した糠袋を「わたしにいただかして」と払い下げてもらって、自分用に使うのである。
しかし、いざ青洲が帰宅したあとは、嫁と青洲が夫婦の契りを交わしたあと、強烈な嫁・姑戦争が勃発する。
この映画やドラマを母親が死ぬまでは茶の間では見られなかったという人の言葉にビックリしたことがあるが、なるほどそうだなぁと、実感したのは少し賢くなってからである。
ボクの母は異常に賢いひとで、妻とは娘のように対してくれたので、我が家には無縁の心配であった。
しかし、よく考えてみれば、母親が嫁と取り合いしたくなる息子が我が家にはいなかったからなのだと、いまなら判断して、もう少し賢くなっている今日この頃である。



[ヌー3]ぬかる・み【泥濘】雨や雪解けなどでぬかっている処。
    
キム・ギドクは水の作家と異名をとるほど、自分の作品のなかに印象的な水辺のカットを入れる。
しかし、最近見た『受取人不明』ではそういうカットがなかった。
だが、よく思い返してみると、主人公の一人である混血の青年が、殺人を犯してバイクで逃げるときにぬかるんだ水田に頭から突っ込み、そのまま両足を地表に出したままの状態で死んでしまう。
このときの水田は刈り入れが終ったあとの、いわゆる「穭田(ひつじだ)」である。
刈り取りが終ったといっても、稲は生きているから、時間がたてば少し成長する。
「穭田やそろそろ髭をあたらねば」という名句もある。(失礼、ボクの作品なので迷句である)
思えば水は流れていて、変化のあるものであるが、この作品では行き場のない、閉塞した状況ばかりを描いているからか、水田と泥濘で表現したのかもしれない。
誰か勇気あるひとは聞いてみて欲しい。
「ギドクさん、あなた角川映画の『犬神家の一族』ご覧になってますか?」と。
泥濘といえば泥である。
中平庚の『泥だらけの純情』が60年代後半に韓国でそっくり作られたという。
作者はなんとキム・ギドク。
しかし、年齢が違う。
同姓同名の映画監督とは本当に珍しいなぁ。
監督協会あてにファン・レターを出しても、文字とおり「受取人不明」だな、こりゃ。



[ヌー4]ぬきつ・ぬかれつ【抜きつ抜かれつ】《連語》抜いたり抜かれたり。

昨今のリメイク・ブームはディズニーにおいても例外ではなく、遂に『ラブ・バッグ』も最新VFXにてリメイクされた。むかしは、いいものを作っているから、ディズニーの映画は7年おきくらいの間隔でリヴァイヴァル公開されたものだが、世をあげてのDVD時代で、ソフトとして売りまくったあとだから、リヴァイヴァルの道は閉ざされた。
勿論テンポや特撮の技術が進み過ぎて、どうにもならなくなったことが最大の原因かもしれない。
思い出すのは60年代の実写作品『黄金作戦・追いつ追われつ』という面白い西部を舞台にした映画だ。
少年を助けてロディ・マクドウォールの執事が大活躍する特撮たっぷりの楽しい作品だった。
大男を殴るとワイヤーで吊っているのか吹っ飛ぶのである。少年たちが次は「こーなりやす」と期待したように物語が進んでいく楽しさといったらなかった。
そういえば子役出身の名優マクドウォールが「猿の惑星」シリーズでキャリアに止めを打ったのは、それからほどなくだった。
彼の猿としての役名はコーナリヤスだったかな?



[ヌー5]ぬけ・がけ【抜け駆け】《名・自サ》?戦場でひそかに自分の陣地を抜け出て、他人より先に敵陣に攻め込むこと。

黒澤明の『七人の侍』で圧倒的なかっこよさを示すのは久蔵(宮口精二)である。
ひょいと出かけて種子島を分捕ってくる。
勝四郎(木村功)の久蔵を見る目は、子供が大人に憧れているときの、最大限表現だ。
面白くないのは菊千代(三船敏郎)である。
ついには持ち場を離れて、種子島を分捕ってくるが、官兵衛(志村喬)にどやしつけられる。
「何故持ち場を離れた?!」
「そんなのいいじゃねぇか。それより、これ(種子島)見てくれよ」
「抜け駆けの功名は手柄にならん!」
映画はこのあと侍をひとり失うことになり、事態の深刻さが増大してくる・・・。
それにしても、なんて昔の映画は勉強になることか。
こういう生きた表現が最近の映画には少ないんじゃないの。
モラトリアム人間ばっかりで、なにをシナリオへ書き込んでも「無策!」で「所詮は畳の上の水練」じゃん。
ありゃ、時代劇の台詞がばんばん出てくらぁ。
「忘れるこった。明日になれば・・・」
誰か止めてくんろぅ。

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