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小説を連載してみるコミュの大規模停電

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「計画は、こうだ!」
木内と呼ばれる男は、橋本に説明した。
「東京都内を停電させる。それから、その銀行のビルの自家発電システムが作動するまでの時間は30秒。そこが勝負だ。」
「でも、どうやって、停電を起こす?」
木内のうしろにいた高橋が矢継ぎ早に質問する。

コメント(6)

木内が答える。
「簡単なことさ。この東京を真っ暗闇にすることなんて。朝飯前だよ。」
腕を組んだままじっと聞く橋本。
「首都圏内で最も重要な送電線がどこにあるか知ってるか、高橋」
何か言おうをするが、口を開けたまま、言葉がでない高橋。
「東京湾だ。」木内の低い声。
「東京湾?」
「正確に言うと、東京湾から旧江戸川に上がるあたりだ。」
「その送電線をどうやって切る?昇るか?」
「バカ、そんなんじゃミエミエだ。事故に見せる。」
「事故って言ったって...」
木内がにんまりと笑う。
「実はすでにテスト済みなのさ」
まさか。そんな大それたことをテスト済みとは。
高橋があっけにとられて見返す。
「問題はケーブルを切っても、どこが不通になるか...だが、
 テストの際に切るべきケーブルはすでに上がってる。」
「6本あるケーブルのうち3本を切れば23区内は少なくとも30分は停められる。自家発電に切り替わるまでの30秒が勝負だ。」木内が続ける。
「はっ。停電ったって....。
 30秒で何ができるってんだよ?
 テレビドラマじゃないんだぜ?」
そう言いつつも、あいての自信たっぷりの様子に、高橋の内心は興味をひかれていた。
それを証拠に無意識に体が前のめりになる。
なんといっても話しているのは木内だ。
噂を聞いただけだが、アメリカにいた4年間、正規の仕事だけではなく、とあるシンジゲートのブレインとして、合法、違法に関わらずかかわっていたらしい。
急に戻ってきたのも、何か大きな仕事をするためだとも、とある仕事の操作が一段落するまで身をかわしたとも聞いていた。
そのとき、ドアが開いた。高橋が咄嗟に銃を構えた。
小さな男が入って来た。神経質そうな眼鏡をかけている。
木内が話かける。「遅かったな」
小さな男は悪びれるそぶりもなく高橋を睨みつけ言う。
「そんな物騒な物は仕舞ってくれ!」
木内も高橋を睨みつける。
高橋は、それをゆっくりとジーンズの背中にしまった。

「紹介が遅れた。ペンタゴンだ。」木内が言う。
「ペンタゴン?」高橋は小馬鹿にしたように笑う。
「ペンタゴン、時間に遅れるな。これは時間との戦いだ」
ペンタゴンと呼ばれた男は、無言でカバンの中からパソコンを取り出し起動させる。

パソコンの中に画面が現れた。そして長いパスワードのようなものを、凄い速度で入れると、そこに表が現れた。

「これが当日のスケジュールだ。」木内は続ける。
腕を組んだまま動かなかった橋本が久々に口を開いた。
「その前に、そのペンタゴンさんよう、お前何者だ?
 まだ自己紹介も聞いちゃいねえ」
木内が受け取った。
「ペンタゴン、アメリカ国防総省、そこに入り込んだ男さ」
高橋が驚いて続ける。「あのハッカーかぁ?」

ペンタゴンは何も言わずパソコンを操作している。

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