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ラブロマンス!コミュのリボンで結ばれた二人【第五話、合コンにて】

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「ねえサキ、やっぱ無理だよ。」
どうしても仕事以外で異性がいる環境、それも合コンとかあからさまに「出会い」目的の場所では尻込みしてしまう。

「大丈夫だって。ユッコは美人だし、今度こそいい人見つかるって!」
決してそんな意味で言ったわけではないのに。
咲江は相変わらず勘違いしれいるのか、励ましてくれる。

「・・・それに今日は割り勘じゃなくて相手のオゴリだって言うから帰ったら勿体ないよ?」
ここはとある居酒屋。由希子は結局咲江の口車に乗せられて合コンの会場に来てしまったのだが、どういうわけか殿方連中はまだ来てなかった。

由希子にとっては先に帰ってしまうチャンスだったのだが、咲江がさっきから「どうしても」と頼むので仕方なく相手方を待つことにした。

「・・・遅い」
先に口を開いたのはこともあろうに由希子のほうだった。

「ちょっと?ユッコさっきまでは全然乗り気じゃなかったじゃない?」
驚いて咲江が突っ込みを入れる。

勿論、合コン自体には乗り気ではなかったが、むしろ彼らの来るのが遅いのが気になり出していたのだ。由希子は時間にルーズなことが嫌いだった。だから自分は人を待たせることはしないし、人にもなるべく時間を厳守してもらいたいと思っていた。

特に今日に限って言えば、乗り気でない今すぐにでも帰ってしまいたい「合コン」とやらを親友の顔を立ててやるためにせっかく参加してるというのに、まるでそれをあざ笑うかのような展開としか言いようがないのである。

「・・・あのう、もしかして『吉丸商事』の倉本さんですか?」
不意に後ろから声がした。振り向けば眼鏡をかけたいかにも「純朴」そうな青年が今までにそんな表情をしたこともないであろう「作り笑い」をうかべている。

「はーい、あたしが倉本咲江でえす。こっちはアタシの同期で冴島由希子っていうの。」
いきなりのことで自己紹介をするタイミングを逸してしまったどころか、勝手に紹介されたのには由希子も驚いてしまった。

「あ、ボクは藤島、藤島健一っていいます。以後よろしく。」
頭を掻きながらの自己紹介は照れくさいからなのか。まあ、いずれにしたって由希子には関係の無いことであるが。

「そういえば、もう一人いらっしゃるって聞いたんですけど・・・?」
咲江は抜け目が無い。もう少し業務にも生かせたら、この間のボーナスも本人が望む以上の額になっていたのではないか。もっとも咲江のことだから自分自身の能力を仕事に生かそうとか思わないだろうし、そもそも気がついていないだけかもしれない。

藤島という青年によればもう一人は残業で少し遅れるらしい。

「・・・ねえ。これはもう一人に賭けるしかなさそうね。」
小声でヒソヒソと咲江が由希子に言う。そんなことを言われても困るのだがとりあえず「せっかく来てくれた彼に失礼よ。」とだけ言っておいた。

待っている間、3人はなんの取りとめのない話をした。

最近の株価の動向から芸能スキャンダルに至るまで、暇つぶし程度にしかならないものではあるが。

「・・・わりい、藤島。」

どうやら「もう一人」が来たようだ。由希子は一番に振り返った。

「あ・・・!」

「もう一人」と「ユッコ」は同時に声を上げた。

「なんだなんだ、二人とも知り合いなのかよ?」
藤島がすかさず尋ねてきた。

「あ、いやあちょっと。」
もう一人がややバツが悪そうに言う。

「・・・ま、いいや。とにかく遅刻は遅刻だぜ?ほら石橋、ちゃんとお嬢さんたちに謝れよ。」

藤島はよほどいいところを見せたがっていたのだろう。「石橋」と呼ばれた男に
仁義を説いている。

「・・・すみませんお二人とも。ついさっきまで残業してたもんですから、その、別に悪気はなかったんですけど、いやでも・・・。」

どうもまどろっこしい。

藤島が顔を真っ赤にしている。しかし、そのガマンもとうとう限界に来たようだ。

「もういいから、早く座ってくれよ。自己紹介だって済んでないし!!」


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