Gérard de Nervalコミュのネルヴァル生誕二百年

<ネルヴァル生誕二百年　Bicentenaire de la naissance de Gérard de Nerval>

コミュの皆様、
来る５月２２日は、稀代の詩人・作家にして幻視者、ジェラール・ド・ネルヴァルがこの世に誕生してからちょうど二百年目にあたります。
数奇な人生をたどったこの偉大な詩人に対する皆様の思いをぜひとも語っていただきたいと思いトピックを立てました。

ジェラール・ド・ネルヴァルは、１８０８年５月２２日、パリ、サン・マルタン街９６番地（現１６８番地）で生まれました。
本名ジェラール・ラブリュニーGérard Labrunie。

さてネルヴァルというペンネームの由来ですが、わたしが読んだいくつかの解説書及び伝記などによれば、母方の祖先が所有していたネルヴァルという名の沼地（ヴァロワ地方）によるものだという説が有力のようです。

またネルヴァル研究家のジャン・リシェによれば、母の姓ローランLAURENをひっくり返すとNERVALになる、との説も（ラテン語風に書けばUはVになる）。

そして、後年ネルヴァルは、敬愛する１８世紀の作家レチフ・ド・ラ・ブルトンヌの説をまねて、古代ローマ皇帝ネルヴァの子孫と称するようになります。
（レチフは「皇帝ペルティナクスの子孫」と称していた）

１８５５年１月２６日、金曜日の朝、ヴィエイユ・ランテルヌ街で縊死体となって発見されたネルヴァルは、ここに４６年の短い生涯を閉じました。

このヴィエイユ・ランテルヌ街は、ナポレオン三世によるパリ改造により取り壊され、現在は残っておりませんが、そのすぐ近くのサンジャック塔の庭にネルヴァルの碑が立っております。
そしてこの場所は、彼が生まれたサン・マルタン街のすぐ脇でもありました。

左：写真家ナダールが撮影した晩年のネルヴァル。

中：ネルヴァル記念碑があるサンジャック塔。

右：ネルヴァルが生涯にわたって（精神的に）求めた女神イシスの像。

コメント(3)

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[1] mixiユーザー 03月22日 04:33

　今年はネルヴァル生誕200年なのですね。実は今日までヨーロッパに滞在してまして、パリにも一日だけ滞在しました。このバルッチェローナ様のトピックを知っていれば、サンジャック塔のネルヴァル記念碑には絶対行って記念撮影したのに～～～！残念です！

　ネルヴァルはその幻想的作風が良く引き合いに出されるのですが、私はこと散文については「ローレライ」や「東方紀行」などの、いわば旅先でのインスピレーションを元に書かれたとおぼしき作品も大好きだったりします。彼の作品の中で「ゲルマン的」なものや「オリエンタリズム」が重要な役割を果たしているのは疑い得ないとも思いますし。

　おまけ写真は今回のパリのものです♪

[2] mixiユーザー 03月30日 16:55

ヨーロッパの旅、どこをまわられたのでしょうか？うらやましい！
旅行家だったネルヴァルにちなんでドイツやベルギー、あるいはイタリアにも足を運んだのでしょうか？

写真はオペラ・ガルニエですね。
これはネルヴァルの没後に造られたオペラ座ではありますが、ネルヴァル晩年の第二帝政期を象徴する建築ですね。もっとも完成したのは帝政崩壊後ではありますが。

ネルヴァルはたしかデュマと合作でいくつかオペラ・コミックを書いていたはずですが、今日上演されることはあるのでしょうか？
さて……

[3] mixiユーザー 08月15日 00:19

６～７月フランスを旅してきましたが、パリでネルヴァルの自殺に縁のある場所を訪ねました。

サンジャック塔のある庭園には、敬愛する詩人・作家ジェラール・ド・ネルヴァルの自殺した場所（もはやその街路はパリ大改造の際に取り壊されてしまって存在しないのであるが）の近くに記念碑が建っています。

今年はネルヴァル生誕二百年。わたしはその像の前で彼の詩の一節を思い出しました。

私は冥き（くらき）者、－妻なき者、－慰めなき者、
崩れ果てた塔に住む、アクィタニアの君主。
私の唯一の星は死んだ、－星ちりばめた私の琵琶には
「憂鬱」の「黒い太陽」が刻まれた。

墓の夜の中で、私を慰めたお前よ、
返してくれ、ポジリポの丘とイタリアの海と、
傷ついた私の心を傷ついた私の心を、あれほど喜ばせた花と、
また枝々が薔薇に絡まる葡萄の棚を。

………（以下略）……

（『廃嫡者』　中村真一郎、入沢康夫訳）

１）サンジャック塔

２）ネルヴァルの碑

３）碑の近くにある、『廃嫡者』の一節が刻まれた岩

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