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FADs art spaceコミュの〜TILDE 2011/6/13-6/19

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擬態美術協会のうちの一人が連絡してきました。
「ケでいこう」
「ケ?」
「ハレとケのケ。漢字で書くとどうなるか知っている?」
「いやあ、ハレのほうは分かるけれど、ケのことは考えてことなか
った」

ケは「褻」。藝術の「藝」にちょっと似ている。現代はハレとケがひ
っくり返ったかのよう。たとえば、渋谷の交差点には大きなモニタ
ースクリーンが、延々と祝祭的な映像を流しています。

今やるべきことって、「藝術」より「褻術」じゃない?

藝褻藝褻藝褻藝藝褻藝褻褻

彼は、ノートパソコンにつらつらとタイピングします。そこで、図
書館で、白川静の字典などで、その意味を調べていきます。
農耕民族としての自然への祈り、産土などの文言が祝詞を唱えるよ
うに立ち上がっていきます。今ここで要約、引用もできないほどの
濃密な意味の階層に、メンバーは顔を見合わせて絶句しました。
「今は、手に負えませんなあ」
「あ」
「え、どうしたの?」
「ケって、猥褻のセツですよ」
それは、気がつかなかったと二人は顔を見合わせました。
そうなってくると、当初検討していた「日常」そのものをあぶりだす
方向性が見えなくなってきます。

脈絡もなく。
「時間でいきましょう」
どちらともなく、新作のテーマは「時間」になりました。
「にょろ(〜)って、チルダというのですよ」
「知らなかった」
「耳慣れない言葉だけれど、チルダ!妙な説得感があるね」

時間、と言えば、千夜千冊でも取り上げられていたハイデガーの「存在
と時間」を思い出しました。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0916.html

哲学書を読んできていなかった私は、まずは入門書と思って、木田元の
「ハイデガー『存在と時間』の構造」(岩波書店)を読んでみました。
読んでいる最中は、うんうん、なるほど!と思わせるやさしい文章、な
のですが、それをまとめようとすると、言葉が間に合いません。ノート
をとって再履修しなくちゃ、という感じです。

それでも、「存在」というものは、
「〜である」という<本質存在>と「〜がある」という<事実存在>がある
ということは、おぼろげに見えてきました。どっちの「存在」がエライ
かという問いにめまいを感じながら、次第にどちらがどちらか分からな
くなり、読み直して納得して、また、分からなくなり、の繰り返し。思
考のストレッチのような読書でした。

そう考えると、擬態美術協会なるものの存在って何だろうか。
声の届く範囲では、私が擬態美術協会です、とは語っていますが、
見知っていない人たちには、参加者の名前すら公表していないし、
そもそも、作品によってはたった一人の場合もあります。また、そ
の気になれば誰でもこの団体名を名乗って活動することもできます。
とはいえ、この運動は広がらず、つまり、言いだしっぺの範囲に留
まって安定しております。

今回の作品は「時間」をシンボル化して俯瞰しつつ、観賞する行為
に没頭する時間について嫌でも感じさせる仕組みになっています。
さらに、そこに「描く」という行為、時間も織り込まれています。

…と勿体ぶった言い回しになりましたのは…
会場に入って一目瞭然。誰もが思いつくけどアホらしくてやろうと
思わないような、企てだからです。それゆえ、その内容自体には踏
み込まず、謎をかけたままの、宣伝告知とさせていただきました。

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「擬態美術協会」とは、1994年に、団体名自体を作品として、設定
されたもので、核になる人員はいるものの、その作品(出来事も含む)
ごとにいろいろな人たちが出入りしました。作品は常に「擬態美術協
会」という署名だけです。

設定当初は、公園に「キャラリーアオゾラ」という看板を設置して、
植木には<木>と作品名を示唆するプレートを設置するということを行
いました。公衆トイレの便器には<便器>という表示もしました。

あるときは、JRの許諾のもと、渋谷のハチ公を泡だらけにして洗浄
し、待ち合わせのシンボルをつかのま、別の作品に置換しました。

また、ある時は、歩行者天国の際、道路の白線の間に、ハサミのカタ
チの、シートを置いて<キリトリ線>をつくりました。往来する人たちの
無関心、あるいは、気にも留めない感じを、撮影しました。

身体表現としては、舞台に立って、お辞儀をした後、そのときのメン
バー五人は、二十分間、ひたすら拍手をし続ける、ということをしまし
た。見る側と見られる側を入れ替える、とは当初の概念でしたが、
観客はあまりにもバカバカしさに大笑い、終盤では、拍手の我慢大
会のようになって、逆に拍手をいただきました。

そのほか、カセットテープの中身を引っ張り出して、展示空間をテ
ープで一周させ、カセットデッキ二台を通じて、一方で録音、一方
で再生させるということをしました。情報の上書き、消去の連続をす
るうちに、臨界点を超えると、フワーンというハウリング音になると
いうことを発見しました。

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擬態美術協会 個展 
  〜
TILDE (チルダ)
2011年 6月13日(月)〜6月19日(日)
トキ・アートスペース
東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F
TEL03-3479-0332
東京メトロ銀座線外苑前下車3番出口
ワタリウム美術館のはす向かいです。
A.M.11:30-P.M.7:00 (最終日P.M.5:00まで)
※会期中無休

event&party
18日(土)18時〜
擬態美術協会の結成当時の作品上映とトークを行います。
※併せて、ささやかなパーティーも開催します。是非、ご参加下さいます
ようお願い申し上げます。

〜はにょろと呼ばれているように掴みどころがないドジョウのよう
な姿をして過去と未来をつなぎます。
このたび擬態美術協会は〜を輪切りにして〜の軌跡に迫っていきま
す。すり抜ける「一刹那」をこの機会にご体験ください。


http://homepage2.nifty.com/tokiart/110613.html

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