癌、私は死ぬまで生きる、コミュの先生

何度かご指名頂いてるお客さんがいらっしゃいまして、
特にプレイをするわけでもなく
時間いっぱい話をしてお帰りになる方なんですが･･･。


なんかすげー違和感あんの。


珍しいくらいにラブホの部屋が似合わない雰囲気というか･･･。
小さな部屋にドーン！と置かれたベットの上に
寝っ転がって話してる姿がどうも馴染まないというか･･･。

大体の場合、
どこまでーも真面目っぽい姿をしてる人でも
初めて遊んでみたの！って人でも
風俗で遊ぶなんて事しないんだろうなーってな人でも
少し時間が経つとその風景に馴染めたりするんですよ。

お客さん臭くなる、ってのとはちと違って
なんていうか、一緒にいることに違和感が無くなるというか。

特別こう、線を引かれてるわけでもないし、
俺は馴染んだりしないぜ！ってな
いらん気合いを出してるわけでもないし、
むしろこちら側に寄り添おうとしてくれてるのが見えるのに

なんつーか尻が痒い。

話の内容も特に難しいものはなくて、
主にお子さん関係で
今自分はこんなこと考えてるんだよーとか
こんなことで悩んでるんだよーとか
そんな話がとても多くてね。

ふつーに聞けるんだわ。

んでも、そこにもなんかの違和感。

ちょっと演技かかってるというか
綺麗事、というのとは違うんだけど
聞いて欲しいというよりは、
聞かせるための話というかなんというか。
研修関係のお仕事でもされてるんだろうか･･･


　　　うおー、ちくしょう、気になる！気になるぞー！


とある日。
普段は絶対に聞かないんだけど
好奇心に大負けしてお仕事は何されてるんですか？と
今まで感じてた違和感を話すと共に聞いてみた。

そしたらお客さん、

「もしかしたら黒板がないからかもね(笑)」

と笑いながら一言。


　　　　　　　　ああ！！なるほど！！


思いっきり当たり前のことに気が付いた瞬間。

そうだよなぁ。
教室じゃなくてラブホで
マジもんの「先生」って看板背負ってたら
そりゃー違和感も出るわな。

てか、ラブホの中で違和感出ないのは
イメージプレイでの「先生役」だよな。
ああ、これはピッタリだ。

これあれだよね、
どっかの選挙区から元クラブの女の子が立候補した時の、
演説見てるときに感じる違和感に似てるよな。

偏見ではなく、どうも尻が痒い。

夜の職業の看板を背負ってる人が、
夜の職場ではない場所で、
夜の職業について話したり、
夜の職業の目線で何かを伝えようとすると、

看板を背負っているからこそ
その職業の雰囲気や、
自分の仕事中にしていること(接客など)が滲み出てきて、
昼間の街頭で見るとどうも痒い。

同じ世界にいる人間が見ると
ああ、接客してるんだなって、
てか、一生懸命に仕事してた人なんだなと思えて
これはキッツイことやってるな、頑張れ。って思うんだけど、

そうじゃない人が見ると
ただのイロ物であったり、言ってることが甘く見えたり
綺麗事に見えたりするんだろうなーと思うわ。
演技臭かったりね。


先生についてもそうなのかもしれんね。
学校という特定の場所、
しかもそれは多くの人に固定イメージされてる場所で、

さらに「先生」として教えるという仕事は
子どもに対してある一定の演技性を要求されたり
聞かせる技術も要求されるだろうから、

それをそのイメージされてる場所以外でやると
どうしても違和感が出てしまう。
その違和感を「綺麗事、演技臭い」と大人から言われてしまうけど、
子ども達は受け入れることが出来る場合が多い。

子供達は先生の後ろに黒板が見える。

件の選挙区で立候補した女性だと
お遊びするお客さんの立場の人が見た場合は
もしかしたら店内が見えるかもしれない。


先生って職業の人は教えるだけでなく
見るプロでもあるから

私の中にある何かを見て、
子どものことに絡めながら
何かを伝えようとしてくれてたんだろうな。
「先生」として出来ることをしてくれてたんだろうな。

または、先生自身が練習していたか。

しまったー
先生ごめんー
接客態度どうのこうの以前に、
あたし良くない大人になってたー

感じる違和感を考えようともせずに
マイナスのものとして簡単に切り捨てようとしてたー
そんな大人になってたー

って、そりゃ苦笑もするわな。