次いで同年発表され、彼らのアルバムのうち代表作とされている『Hotel California (ホテル・カリフォルニア)』(1976年)においては、当時の都市社会の矛盾を揶揄したかのような歌詞と13本ものギターを重ねた完璧なサウンド・ワークによって、1970年代のアメリカン・ロックを代表する曲のひとつとなったタイトル曲「Hotel California (ホテル・カリフォルニア)」、かつての勢いを失いつつあったウェストコースト・ロックの凋落を皮肉るように、田舎町にやって来た新参者へ向けられた地元民の一時的な強い好奇心と彼が飽きられていく様を唱った「New Kid In Town (ニュー・キッド・イン・タウン)」、エゴ社会に警鐘を鳴らすかのように、好き勝手にふるまう無頼者が実は虚勢に満ちており内面に苦悩を持つことを言外ににじませた「Life In The Fast Lane (ライフ・イン・ザ・ファースト・レーン〜邦題:「駆足の人生」)」など、単に人間の性(さが)や振る舞いを唱っているように見えながらも暗に根深い社会問題を提起するような深みのある歌詞を、角度を替えた音響アレンジに乗せて展開した曲にちりばめてバンドとしての頂点を醸成し、全世界的な大セールスを記録してバンドを押しも押されぬアメリカン・ロックの代表格にまで押し上げた。
その後1994年に第1期最終メンバーによってバンドが再結成され、4曲の新曲とライブ収録曲を併収した変則アルバムを1枚発表し、これ以後世界規模でのツアーを繰り返し展開しており、この1994年以降をここではバンド活動の第2期とする。2004年から2005年にかけては、「Farewell I Tour」(第一回さよならツアー)と題されたツアーが行われたが、「さよなら」というのはジョークであり、その後も米国内外で公演が行われている。このツアーでも相変わらずの高い人気ぶりを見せつけ、各地のコンサートは大成功に終わり、収益面でも年間ランキングに顔を出すほどであった。
2007年10月31日に新作"Long Road Out of Eden"(19曲+ボーナストラック1曲入り、2枚組み)を発売した。この作品は13年振りとなるスタジオ録音アルバムで、新曲のみで構成されたものとしては実に28年ぶりの作品となる。なお前日の10月30日には、アメリカ国内においてウォルマートなどを介した先行リリースが実施された。
続く4枚目の『One Of These Nights ワン・オブ・ズィーズ・ナイツ〜邦題:「呪われた夜」)』においては、いまだカントリー色の濃い楽曲も見られるものの、リード・ギタリストは完全にドン・フェルダーに代替わったような印象をもたらした。事実1975年12月にはリードンの脱退を見るに至り、退団したリードンに替わるメンバーとして元ジェイムズ・ギャング(James Gang ) 〜バーン・ストーム(Barnstorm ) のメンバーであったジョー・ウォルシュ(Joe Walsh )を迎えて一気にハードロック色を強める結果となった。
翌年に発表された『Hotel California (ホテル・カリフォルニア)』においては、双頭ギタリストによるハードなツイン・ギターが全面に押し出され、その重厚なサウンド・ワーク展開の充実ぶりを見せつけた。とはいうものの、タイトル曲「Hotel California (ホテル・カリフォルニア)」のアコースティックなイントロや、「New Kid In Town (ニュー・キッド・イン・タウン 〜「街の新顔」の意)」などでウェストコースト・ロックの楽観性に対する皮肉的な表現などを通して、バンドとしての自らのアイデンティティをなおも強固に保持する姿勢を見せ続けた。
第1期のラストアルバムである『THE LONG RUN (ロング・ラン)』においては、ハードロック、バラードさらにディスコ・チューンにまで多様な音楽性に挑戦するが、製作ヴィジョンがあいまいで展開するサウンドにもっぱら主張や一貫性はないなどと批判され、その焦点を失ってバンド活動そのものの終焉を予感されるものとなり、事実この後バンドは活動を停止するに至った。
* 1972年 『イーグルス・ファースト』 Eagles (22位) * 1973年 『ならず者』 Desperado (41位) * 1974年 『オン・ザ・ボーダー』 On The Border (17位) * 1975年 『呪われた夜』 One Of These Nights (1位) * 1976年 『ホテル・カリフォルニア』 Hotel California (1位) * 1979年 『ロング・ラン』 The Long Run (1位) * 1980年 『イーグルス・ライブ』 Eagles Live (6位) --- ライブ盤 * 1994年 『ヘル・フリーゼズ・オーヴァー』 Hell Freezes Over (1位) --- 再結成アルバム * 2007年 『ロング・ロード・アウト・オブ・エデン』 Long Road Out Of Eden (1位)
[編集] ベスト・アルバムなど
* 1976年 『グレイテスト・ヒッツ 1971-1975』 Their Greatest Hits 1971-1975 (1位) * 1982年 『グレイテスト・ヒッツ VOL.2』 Greatest Hits Volume 2 (52位) * 1985年 『ベスト・オブ・イーグルス』 The Best Of Eagles * 1994年 『ベリー・ベスト・オブ・イーグルス』 The Very Best Of The Eagles * 2000年 『イーグルス・ヒストリーBOX 1972〜1999』 Selected Works 1972-1999 --- 未発表およびライブ音源含む * 2003年 『ベスト・コレクション』 The Complete Greatest Hits --- 新曲「Hole In The World」含む
※順位は全てビルボード誌による。(シングルの順位も同様。)
[編集] シングル
* 1972年 Take It Easy (12位) * 1972年 Witchy Woman (9位) * 1972年 Peaceful Easy Feeling (22位) * 1973年 Tequila Sunrise (64位) * 1973年 Outlaw Man (59位) * 1974年 Already Gone (32位) * 1974年 James Dean (77位) * 1974年 The Best Of My Love (1位) * 1975年 One Of These Nights (1位) * 1975年 Lyin' Eyes (2位) * 1975年 Take It To The Limit (4位) * 1976年 New Kid In Town (1位) * 1977年 Hotel California (1位) * 1977年 Life In The Fast Lane (11位) * 1978年 Please Come Home For Christmas (18位) * 1979年 Heartache Tonight (1位) * 1979年 The Long Run (8位) * 1980年 I Can't Tell You Why (8位) * 1980年 Seven Bridges Road (21位) * 1994年 Get Over It (31位) * 2003年 Hole In The World * 2007年 How Long
[編集] 映像作品
* 1994年 Hell Freezes Over --- 全世界で最も売れた音楽映像作品 * 2005年 Farewell I Tour ~ Live From Melbourne