東海道本線沿線観光コミュの比叡山延暦寺

　琵琶湖国定公園内。史跡。UNESCO世界遺産。
　785年、伝教大師最澄が標高848ｍの大比叡東斜面に開いた天台宗総本山。当初はただの草庵だったが、788年に比叡山寺と称し、最澄の入唐(804～805)後の806年に桓武天皇から台密禅戒の四宗兼学道場とする事が許された。
　822年、最澄の死の７日後に嵯峨天皇から大乗戒壇の設立が認められ、延暦寺の寺号が与えられてから王城鎮護の寺として勢力を伸ばした。
　993年に分離独立した三井寺園城寺を総本山とする寺門派に対し山門派、南都の興福寺に対して北嶺と称された。
　平安後期には莫大な富と寺領を確保して多数の僧兵を擁し、京都周辺の最大武装勢力となったため、日吉大社の神輿を振るって朝廷に強訴を繰り返し、東塔・西塔・横川の三塔を中心に十六谷三千坊を数えるに至った。
　法然・親鸞・一遍・日蓮・栄西・道元等の鎌倉新仏教の創始者も、この地で修行した人物であり、日本仏教界の最高峰として君臨していたが、室町時代になると綱紀紊乱が甚だしくなり、山上での修行を怠って近江坂本の里坊に住み着き、酒色に耽る僧侶も続出するようになってしまった。
　1571年、織田信長と敵対したため焼き討ちに遭い、全山が炎上、数千人が殺戮されて壊滅的打撃を受けたが、豊臣秀吉・徳川家康等が復興に努め、寛永年間(1624～44)に現在の姿となった。

【東塔】
　1642年に再建された国宝根本中堂を中心とする全山の中心。重要文化財の大乗戒壇院・大講堂等があり、根本中堂廻廊も重要文化財に指定されている。
　京都駅から比叡山ドライブウェイ経由のバスで70分。坂本からケーブルカーで11分。

【西塔】
　最澄の開いた宝塔院が前身。重要文化財の転法輪堂を中心とし、常行堂・法華堂・瑠璃堂・相輪橖等の重要文化財建造物が建つ。瑠璃堂は信長の焼き討ちを唯一免れた建物である。
　東塔からバスで４分。

【横川】
　第三代座主慈覚大師円仁が開いた修行地で、横川中堂を中心に恵心堂・四季講堂等が建つ。
　東塔からバスで14分。京都大原へ下るハイキングコースもある。