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ライフコーディネーターコミュの介護保険から介護予防へ(3)

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◆高齢者と要介護認定者の推移


厚生労働省大臣官房老健局 企画官   藤井 紀男
厚生労働省老健局老人保健課      大澤 英司
社団法人生活文化総合研究所 理事長  杉原 逸男
NPO法人 真生活創造 会長     河合喜久雄


藤井
「『世代別に見た高齢者人口の推移』(別掲図参照)を見てください。2005年で高齢者人口が2,500万人ですが、2025年には3,500万人に達するという予測となっています。その後は、高齢者の方の数は大きく増えませんが、高齢者の中でも、よりお年を召した方の割合が増えてきます。そうなると必然的に介護を必要とする方の数も増えていくことが考えられます。

 制度や意識というのは、制度が変わったからといって直ぐに定着するものではありません。高齢者の方にも、なるべくお元気な状態で過ごしいただくということが、20年後、30年後を見たときに大切ですが、20年後、30年後になったときに、「さあ、やりましょう」ということではなく、もう今から、50代、60代になられた方たちにも取り組んでいただいて、効果がやっと10年後、20年後に出てくるのかな、ということが、今回の介護保険法の改正の背景にあるとご理解いただければ幸いです。

 別表『被保険者数・要介護認定者数の推移』を見てください。高齢者の数というのは、この5年間ぐらいで1.2倍ぐらいになりました。それに対して、要介護認定受けられた方が約2倍になっています。このことは、要介護が必要な方が増えているということを意味している訳ではなく、介護保険によるサービスを使ってみようと思われて申請を出された方の数が増えているのではないかと思います。特に、軽度の要支援・要介護度1の方の増加が大きいことがわかります(別表『要介護度別認定者数の推移』参照)が、これらの方は介護予防の取り組みを行っていただくことで重度化の予防の効果も期待されますので、これらの方のサービスについては、特に介護予防の取り組みを支援する視点から見直しを行っています。」


◆介護予防の言葉の意味

藤井
「介護予防という言葉の意味には二つあると思っています。一つは、介護を必要とする状態になることを予防する、多くの皆さんは、「介護予防」というとこちらをイメージされると思います。ただ、例えば要介護が3とか4とか5だとか、比較的介護の必要度が高い方にとっても、それ以上に悪化しないようする、維持改善を図るという考え方も「介護予防」の考え方として大切だと思っています。この二つをご本人も周囲の方たちにもご理解いただきたいと思います。」

◆介護予防の基本的な考え方

藤井
「要介護度別に介護が必要な状態となった要因を見てみますと、要介護度が高い方では脳卒中や認知症が多いのですが、比較的軽い方については、いわゆる「廃用症候群」といわれるものが約半分を占めています。
 ※廃用症候群(生活不活発病):筋骨格系疾患等のように、使わないこと、生活の不活発、安静などで起こる、全身の心身機能、生活機能の低下」

河合
「身体機能が弱くなるということですか。」

藤井
「はい、極端な例で申し上げますと、骨折やあるいは捻挫等をしてしまうと、しばらくの間は大事をとってあまり身体を動かさないように気をつけますが、ずっと横になっているうちに筋力が落ちてきたり、動くのがおっくうになってしまい、気がついたらそのまま寝たきりになってしまいました、というようなケースです。その、動くのがちょっとおっくうになってきたときに、「歩く練習をしましょう」というお手伝いをすれば寝たきりになってしますことの防止につながるかもしれない、そういったことが廃用症候群の予防、改善を図る上で重要となります。

 ここで、先ほど杉原さんもおっしゃっていましたが、「高齢者ご本人の自己実現の達成」をお手伝いするというのが、「介護予防」の基本的な考え方であり、重要なポイントです。高齢者の方に「これをやりたいんだ」という意志や目標を明確に持っていただいて、それを実現したり達成するためには身体を動かしたり、あるいは栄養つけたたり、お口の中をきれいにしたりということに取り組んでいただくことを理解していただき、実践したいただくことが基本にあるわけです。

こうした高齢者の生活機能の低下に対応して、「水際作戦」というキーワードがあります。これは、とりわけ、急速な生活機能の低下が認められる状態あるいは軽度な状態のうちに、早期にかつ集中的に対応しようとするものです。例えば、捻挫をしてしばらく身体を動かさないように安静にしていたら、ちょっと起き上がりにくくなってしまいました・・・という時に時期を逸せずにかかわらせていただかないと生活機能の回復のために有効な対応ができません。早い時点で気がついて、周囲の方が機能回復のお手伝いをしましょう、ということです。

また、生活機能の低下の要因には、捻挫のようなことの他にも、肺炎で寝込んでしまったりとか、あるいは心理的要因もあります。長年連れ添っていらっしゃった奥様が亡くなられてしまい、ふさぎこんで家でじっとしてしまわれましたというのも、原因としてあるようですので、そういうようなこともきちんと早期に見つけて対応していきましょうということです。

 先ほど申し上げましたように、介護予防の意味には、発症を予防するというのと、今の状態を維持・改善するという二つがありますが、どのような状態にある場合でも積極的に、生活機能の維持・回復に取り組めば、効果があるんだいうことをきちんと認識をしていただきたいと思っています。(別掲『生活機能の低下の早期発見・早期対応のための「水際作戦」』参照)」

河合
「藤井さんのご説明の趣旨は、十分理解しました。」

杉原
「本当によくわかりました。『水際作戦』のように踏み込んだ施策は大変にすばらしいと思います。」



介護保険から介護予防へ(4)介護予防に施策の考え方に続く
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=24563630&comm_id=2677111

 (平成18年12月15日発行 真生活創造雑誌 ぐり〜んらいふ12号より)

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