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BlueGaleコミュのザブングルストーリーガイド(旧版)

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 ここでは「戦闘メカ ザブングル」各エピソードの紹介をしてみたいと思います。
 本当は週1回ぐらいのペースでやりたかったんですが、どうも滞り気味です。まだ先は長いですが、長い目で見守ってください。(汗

 これ読んで昔を思い出したり、ビデオなんか見たりする時の参考になったらいいなあとか思いますので……

コメント(16)

イントロダクション:ザブングルの世界
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 舞台は、惑星ゾラと言われている<地球>。

 荒野と砂漠の大地で、西部開拓期を思わせる生活が営まれているが、なぜかその中に、巨大ホバークラフト<ランドシップ>や、汎用作業ロボット<ウォーカーマシン>などの未来的メカが混在する摩訶不思議な世界。

 この星の人類は二種類に分けられる。
 支配するもの<イノセント>と、支配されるもの<シビリアン>。その交流は、”上納と下賜”という形で行われる。

 シビリアンの中で、「ロックマン」と呼ばれる鉱夫たちが、鉱石ブルーストーンを発掘する。ブルーストーンは、仲介役の「運び屋」を通じてイノセントに上納され、その見返りに、彼らの科学の産物である<ランドシップ>や<ウォーカーマシン>がシビリアンに与えられる……これが大まかな構図である。
 なぜ、イノセントだけがそんな科学力を持つのか?何のためにブルーストーンを必要とするのか?知る者はいない。
 
 そしてイノセントはシビリアンに、二つの掟を課していた。
 ひとつは、自分たちの生活圏である<聖域>に、決して侵入しない事。
 そしてもうひとつは、あらゆる犯罪を三日で時効とすること。

 だが、この物語の主人公ジロン・アモスが、「一週間前に殺された親の仇を追い続ける」という「”三日の掟”破り」を冒した事で、この世界の何かが狂い始める。

 「なぜ、こだわっちゃいけないんだ?」
 このジロンの素朴な疑問は、、やがて、世界を揺るがす大きなうねりへと変化していくことになるのだ……。
ああ!そんなことをイントロでいってました・・・
かなり助かります!!!
第1話「命をかけて生きてます」
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<ストーリー>
 惑星ゾラの荒野。暴走族<サンドラット>の女リーダーラグ・ウラロは、ある男たちを襲撃する最中、右腕を負傷した少年ジロン・アモスに出会う。
 ジロンに興味を持ったラグは、腕の治療のため、交易商人キャリング・カーゴの仕切る交易市(バザー)まで、彼を運んでやる。
 
 バザーでの治療後、ある目的のためにウォーカーマシン(WM)を物色していた彼は、キャリングが有する最新型WM、<ザブングル>に目をつけるのだった。売買のための金塊も、物々交換のためのブルーストーンも持たないジロンは、「ザブングル」の強奪を決意。ラグの気まぐれにより、<サンドラット>の面々も手を貸すことになる。
 キャリングの娘、エルチを人質に取ることを画策するジロンたちだが、彼女の意外なナイフの腕前にあえなく失敗。しかし、彼女の残した情報を元に、その晩キャリングのランドシップ(LS)<アイアンギアー>に侵入、みごと<ザブングル>の奪取に成功するのだった。

 だが、全てはエルチの仕組んだ罠だった。逃げようとするジロンの前にもう一台の<ザブングル>が立ちふさがる。乗っていたエルチはジロンの品定めに満足すると、あっさり彼を捕らえるのであった……

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<注目ポイント>

●キャラクターSIDE
※右腕を骨折しながら、圧倒的な技量でホバギー(一人乗りホバークラフト)を操り、荒くれロックマンたちを蹴散らすジロンの格好よさ。助太刀の理由を「親父が、女は大事にしろって」と言ってのけ、早速ラグの女心をくすぐります。

※ラグの声が高い!島津冴子さん、シリーズ当初は、「うる星やつら」の三宅しのぶや、「さすがの猿飛」の霧賀魔子といった、かわいい子系の役との演じ分けに苦労していたようで……

※サブキャラクターの性格描写も短時間で的確に行う「富野マジック」は、まさに圧巻の一言。
 ラグに興味を持たれるジロンに嫉妬して、ちょいちょい嫌がらせをし、「こすっからい」となじられるブルメ。
 ジロンに握手しようとして右腕の怪我を思い出し、さりげなく右から左に差し出す手を変える気のいいダイク。
 「ラグは(ジロンが)好きなんだろ?ブルメはライバルが増えるのが嫌なのね」と子供ながらに鋭い観察眼を発揮するチル。
 自分からジロンを炊きつけながら結局邪魔をし、「えへへえ、捕まえた♪」とご満悦の小悪魔エルチ。
 もう、皆さんしょっぱなから、キャラ立ちまくりなのです。


●ストーリーSIDE
 第1話にはまだイノセントのイの字も見えず、さながら「SF西部劇」といった趣。
 両親を殺され敵討ちに燃える少年。そして、彼に関わる行きずりの強盗団。財産を狙われる大商人に、用心棒の腕利きガンマン、とどめは気まぐれなお嬢様。WMとLSがなければ、ロボットアニメどころか、ほとんどウェスタン映画のノリである。
 だが、こういうコテコテの道具立てのおかげで、ガンダムの「人類が、増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになってすでに半世紀……」みたいな大仰なナレーションがなくても、視聴者はすんなり「ザブングル」の世界に入っていけたのだと思う。

 あと、特殊な名詞を何気ない言い回しの中で使い、映像との相乗効果で、それをすんなり理解させるというテクニックもうまい。
 例えば、酒場での喧嘩。「表に出ろ!」「ウォーカーマシンで決着つけようってのか!」というやり取りのあと、ロボット同士の殴り合いをみせる。これだけで、「なるほど、「ザブングル」ではロボットのことを”ウォーカーマシン”と呼ぶのだな」とわかるのだ。
 他にも、
 「(勝手に乗るな!)あたしのホバギーじゃないか!」
 「ロックマンの息子だぜ、ウォーカーマシンくらい」
 「(バザーに入っちゃ)だめだだめだ!ブルーストーンもないんだろう!」
 等々……これもいわゆる「富野流」。

 最後になるが、物語の鍵となる<三日の掟>も、実にさらりと物語に登場している。ラグが流れ者の医者に、ジロンの治療費として払った金塊を、しっかりスリ取って取り戻すシーンである。
 「すぐ見つかっちゃうぞ」(ジロン)
 「三日間逃げきりゃいいのよ」(ラグ)
 このシーンの背後に隠れる重大な意味が明らかになるのは、シリーズも後半に入ってからの事である……
第2話「ザブングルはもらったよ」
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<ストーリー>
 捕らえられたジロンは、エルチによって、彼女の父キャリングのバザーに来ていたロックマン、ザイラーに預けられる。
 しかしすでにキャリングは、用心棒(ブレーカー)のホーラに、バザーの客たちに渡した商品を奪い返すよう命じていた。”三日の掟”により、その間に売主が商品を奪還することは、何ら罪には問われないのだ。
 
 バザーを離れてまもなく、ジロンとザイラーたち一行は、ホーラたちのWM部隊に襲われる。ザイラーも死亡し、一人生き延びたジロンのもとへ、エルチが現れるのだった。彼女はホーラの襲撃計画を知った上で、ザイラーにジロンを引き渡していたのである。
 またも彼女に弄ばれた事を悟り怒り心頭のジロンは、<ザブングル>強奪を改めて決意し、バザーへ取って返す。

 一方時を同じくして、ラグたち<サンドラット>の面々も、<ザブングル>をねらって、キャリングのLS<アイアンギアー>を襲撃していた。そこに駆けつけたジロンはラグと合流し、ザブングルの奪取についに成功。戻ってきたホーラたちの包囲を突き破り、三日間の逃避行へ入るのだった……

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<注目ポイント>

●キャラクターSIDE
※相変わらず負傷したまま、卓越した戦闘能力を見せるジロン。片手でバズーカをあやつり、巨大なWMを撃退。さらには崩れた断崖から転落しながら、落ちて行く岩から岩へと飛び移り、無事生還します。なんでも父親は、<鉄の腕>の異名を持つ凄腕のロックマンだったそうな……

※深慮遠謀をめぐらす(がさつなゾラの人々を、文化の力で啓蒙するのが夢らしい)知性派エルチと、女だてらに少年少女強盗団を仕切る武闘派ラグの姿も、対照的に描かれます。

※主人公はジロンですが、精神的には二人の尻に引かれていると言う見方が正しいようです。エルチには手玉に取られるし、ラグにはザブングルでの戦闘中に、
 「よくやった、上手上手♪」とほめられる始末。で、ふてくされて返す言葉が
 「その言い方気に入らないな。あんた、僕のお姉さん?」
 てんで、情けないのです。


●ストーリーSIDE
 「惑星、ゾラといわれている地球、しかし人々は、ゾラという名前を忘れて久しい……」
 名優銀河万丈(当時は田中崇)のナレーションがはじめて入る第二話だが、相変わらず説明は控えめで、惑星ゾラの日常を描くことで、作品世界を語っていく。

 “三日の掟”を基盤に展開される、“商人が客を襲ってもいい”という弱肉強食の世界。
 強奪行為を「商売上手の秘訣」と言ってのけるキャリング、襲撃された同業者(しかも女性)の姿を、何の感慨もなく遠目に見据えるザイラー、そして襲われることを知りながらザイラーに何も知らせず、なおかつジロンを預けてしまうエルチ……このエピソードを見るだけで、まさに、毎日が命がけのゾラの世界が“感じられる”のである。(“理解”ではないところがポイント)

 また、このエピソードでは、ついにイノセントなる者の存在が語られる。交易商人たちにWMやLSを売ってくれる謎の人々。しかし、まだその全貌は見えない。
第3話「みーんな、当て外れ」
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<ストーリー>
 ザブングルを奪われたキャリングは、ブレーカーのリーダー、キッド・ホーラの要求を呑み、ジロンたちを捕まえた者に賞金を出すことになる。
 にわかに活気付く<アイアン・ギアー>。それを遠めに見つめる、灰色のWMと謎の男の姿があった。

 ブレーカーたちが出払った隙をねらって、ラグとブルメは食料や燃料の調達のため、<アイアン・ギアー>に忍び込む。その盗みの現場に現れるエルチ。しかし彼女はなぜか、ラグたちに加担し、もう一台のザブングルに乗ると、父キャリングの制止を振り切って、船を飛び出すのだった。
 一方その頃、追っ手に気付いたジロンは、容易には攻撃出来ない場所に陣取ることを思いつく。そこはイノセントと呼ばれる人々が居住する、半球状の透明ドームが集まった<聖域>を背後に控えた岩場だった。流れ弾などでイノセントに害が及べば、大変な事態になる。歯噛みするホーラたちブレーカー。

 ホーラは一計を案じ、ラグの仲間の少女チルを人質にとって、ジロンたちに降伏を迫った。やむなく応じるジロン。しかし、そこへエルチのザブングルが乱入し、事態は一気に乱戦へ。さらにそこへ謎の灰色WMが現れる。
 そのWMの男こそ、ジロンの両親を虐殺した仇だった。逆上して襲い掛かるジロン。男は「三日の間に仇を討てなかったお前が悪い」と言い残し、イノセントのドームの方角へと飛び去っていくのだった。

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<注目ポイント>

●キャラクターSIDE
 今回も、たくましくしたたかな登場人物たち。

※雇い主に「3000ギャラント」の賞金を約束させながら、仲間には「2000ギャラントの賞金が出る」と宣言するキッド・ホーラ。眼光鋭い二枚目ですが、賞金の一部をピンハネするあたり、なんともせこいです。

※おそらくジロンへの興味から、あっさり父の敵に加担するエルチ・カーゴ。家の財産を持って家出し、雇い人たちをも平気で攻撃する暴れっぷりなのです。あんた、ほんとに“文化人”?

※親の仇に目の色変えて襲い掛かるジロン。明らかに「三日の掟」破りなのですが、「敵討ちは別だ!!」と言い放って突き進むその姿。このエネルギーがこの先、世界を変えていくのです。


●ストーリーSIDE
 単なるSF西部劇では終わらない「ザブングル世界」の片鱗が見えてくる第3話。

 ジロンたちシビリアンとは隔絶された環境に生きる謎の一群、イノセント。ここまで丹念に描かれた、弱肉強食の世界に生きる男たちが異常に警戒する姿だけで、その偉大さが垣間見える。

 ジロンの仇、ティンプ・シャローンも今回から物語に本格参加(初登場は第一話。ジロンたちの脇を通る通行人だった。実にさりげない)。<アイアン・ギアー>を眺めながら、「あいつにはビッグマンでもぶつけた方がよさそうだ」と、謎の独り言を口にする。さらに、この話の終盤、イノセントのドームの方へ逃げていくあたり、何やらただの風来坊ではなさそうである。
第4話「なんで掟を破るのさ」
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<ストーリー>
 猛烈な砂嵐が世界を閉ざす中、キャリング・カーゴはジロンを捕まえられない焦りと、エルチへの心配でいきりたっていた。<アイアン・ギアー>に乗り込んだプロポピエフ一座の踊り子へ、無理やりWMの運転を教え込むキャリング。彼はそこへ帰還してきたキッド・ホーラたちをなじるものの、ジロンの敵討ちの話を聞いて思わず笑い出すのだった。

 一方、砂嵐を避けて洞窟に入り込んでいたジロンたち一行。ティンプを「一週間前に殺された親の仇だ」と告白したジロンの言葉に、<サンドラット>の面々とエルチは大笑いする。<三日の掟>に支配されたゾラでは、ジロンの行動は常識はずれ、逆に非難されるべき愚行なのだ。

 その頃時を同じくして、流れ者ティンプは、キャリングの商売敵の運び屋、グロッキーのLS<アースサンダー>を訪問。キャリングの縄張りをえさに、自分への協力を持ちかけていた。
 岩場に陣取り、ジロンをおびき寄せるための狼煙を上げるティンプ。ジロンのザブングル、彼を心配して追ってきたエルチや<サンドラット>の面々、ホーラたちブレーカー、無線を傍受した<アイアン・ギアー>、そして、それを狙うグロッキーの<アースサンダー>……全ての役者が岩場に集結する。

 ザブングルの返還を条件に、ジロンとティンプの決闘をお膳立てするキャリング。お互いのWMから降りて対峙する二人。
 だが、その決闘のさなかにグロッキーが<アイアン・ギアー>への攻撃を開始。あおりを受けたキャリングは、ブリッジから転落死してしまう。激昂するジロン、エルチ、ラグたち<サンドラット>、それにホーラ。大乱戦の末グロッキーは退却する。

 その日の夕暮れ、<アイアン・ギアー>の甲板には、キャリングの死を悼むエルチや乗組員たちとともに、ジロンや<サンドラット>の面々の姿があった。「おまえが掟を破ってティンプにこだわったから、こんな事になったんだ」と口々に責められるジロン。
 この地球で思い通りに生きていけるのは、支配者イノセントだけ。だが彼には、なぜ自分が思うようにしてはいけないのか、なぜ何かにこだわってはいけないのか、その理由がわからなかった……

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<注目ポイント>

●キャラクターSIDE
※とにかくこの回は、「掟破りの少年」ジロンと、「掟を信じる」周囲の人々との温度差が繰り返し描かれます。
 不機嫌のきわみにありながら、ジロンの話を聞いただけで大爆笑のキャリング。今まで好意的だったエルチや<サンドラット>の面々も、掟破りを知ってジロンを冷笑、非難しだします。それほどジロンの行動は、この世界では異常なんですね〜。

※全シリーズを通して、気のいいダイクが他人への不快感をむき出しにするシーンはこの回だけ。相手はもちろん、気まぐれお嬢様エルチです。あまり絡みのない二人ですが、意外と相性悪いのかも。

※この回からティンプ独特のジロンの呼び名「にいちゃん」が登場します。大人の余裕と格の違いを感じさせるこの言い回し、好きです。

※そしてなんと言ってもこの回の白眉は、ラストのラグ!!
 「あんた怖い子だね、誰も彼も巻き添えにしていくんだから……」
 ジロンに興味を持ちながらもきっちり一線を画す彼女の、この台詞を言うときの表情が、異様に冷めていていいのです♪


●ストーリーSIDE
 「三日の掟」というものをじっくり考えさせる一篇。

 ゾラの世界では異常なジロンの行動だが、もちろん視聴者からすれば不自然でもなんでもない。むしろ異常なのは、むちゃくちゃな掟に盲目的に従う周囲の人々である。ジロンが繰り返し嘲笑される様を見ているうちに、こちらは「おかしいのはおまえらだろ!」という思いになる。その思いはやがてジロンに同調していく。

 終幕、「この世界ではこだわりは三日限り。そうしないと生きていけない」というブルメに、「それは自分に正直じゃない」と反論するジロン。それが自然な人間の感性だ。それを許さないこの世界はどこかおかしい。
 誰が、何のためにこんな世界を作り上げたのか……。この物語が単なる「ロボットプロレス物」でないことを高らかに宣言するエピソードである。
第5話「3人そろってシャクの種」
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<ストーリー>
 ジロンと<サンドラット>の面々は、退却したグロッキーの行方を追っていた。そこに突如<アイアン・ギアー>の砲声が轟き、ジロンたちはあわてて引き返す。しかしそれは、エルチが開いたキャリング・カーゴの葬式に伴う弔砲だった。
 その様子を遠目に探っていたティンプは、谷間の陰に隠れた<アースサンダー>に戻ると、グロッキーに戦力不足の<アイアン・ギアー>攻撃をけしかける。

 一方<アイアン・ギアー>では、葬式後の甲板での食事の席、ブレーカー頭のキッド・ホーラが、エルチにキャリングの弔い合戦を進言していた。
 まるでその気のないエルチに、「ならばお嬢さんと結婚して、自分がカーゴ一家の跡目を継ぐ」と迫るホーラ。強硬なエルチの拒否に業を煮やしたホーラは、ついに銃を持って、エルチに運び屋手形の譲渡を迫る。しかし、一瞬の隙を衝いたジロンとの格闘の末、船外に叩き落とされるのだった。
 第二ラウンド、ザブングルとのWM戦にも敗れたホーラは、傷ついた愛機<プロメウス>と共に、荒野のかなたへ去っていく。

 ジロンは<アイアン・ギアー>を守ってほしいというエルチの言葉を無視し、ティンプを追って船を出た。同じ頃、<アースサンダー>を訪れたホーラは、エルチに攻撃意思がないという情報を餌に、グロッキーに雇ってもらうよう懇願するが、あっさり追い払われてしまう。

 その夜、盆地に停泊する<アイアン・ギアー>を、グロッキー配下のWM部隊がひそかに取り囲む。しかし、一斉攻撃が始まる直前、ティンプが単独で攻撃を開始。それによって襲撃を察知した<アイアン・ギアー>は慌てて迎撃に入った。
 やがて混戦の中、ジロンの帰還によって形成は逆転。勢いに乗って巨大WMに変形した<アイアン・ギアー>は圧倒的な攻撃力でグロッキー一家を撃退する。
 その様子を見てティンプは「イノセントは、連中に新式マシンを渡しすぎたのかもしれん」と、一人つぶやくのだった……

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<注目ポイント>

●キャラクターSIDE
※親を失ったお嬢様の元に流れ者が集まり、一致団結して敵討ち……と行きたいところですが、そう一筋縄ではいかないのがザブングル・キャラ。

 文化に憧れながらも、かなりトンチンカンな知識を披露するエルチ。親を失ったのに、「これからは文化的な生活を……」などと自分の夢ばかり追っている有様。かなり薄情です。ま、ジロンはジロンで、エルチの窮地を救いながら、「あとは知らないよ」とばかりに、ティンプを追って船を抜け出す始末ですから、どっちもどっちですが……。

 今回は残念ながら、いいとこあまりなしのラグ。唯一の見せ場は、グロッキー一家の攻撃の際、下着一枚のあられもない姿で跳ね起きる、サービスカットぐらいでしょうか……

 一方で、今回意外とおいしいのが、<アイアン・ギアー>のメカニック、コトセット・メムマ。戦闘の最中に、暴発した弾薬のブローカーを「変えなきゃな」などと冷静に分析したり、戦闘後にはいきなりジロンたちを「雇い人」として勤務評定始めたり、“ちょっとピントのずれた頑固者”という味が出てきてます。

 それと、シリアスキャラだったティンプが、かなりコミカルな面を見せ始めます。風にあおられ、勢いをとめられないまま急斜面を駆け下りるシーン、一説によると、「カリオストロの城」の“ルパン走り”を意識しているとか……


●ストーリーSIDE
 今回注目すべきは、冒頭の葬式シーン。司会者プロポピエフの台詞から、この儀式が、「遠い母なる星」のそれを真似たものだと窺える。一方、それを見ていたティンプは、「イノセントの物まねだ」と断じる。「母なる星の人たち」と、イノセントにはいかなる関係があるのか、この時点では、まだ何もわからない……。

 そのティンプ自身の行動だが、今回かなり事情が見えてくる。
「同士討ちになってくれた方がありがたい」と自身が語るように、運び屋同士のつぶし合いを起こさせるのが、彼の目的らしいのである。
 イノセントとのつながりも感じられるので、あるいはあちこちで争いを起こさせるのが、彼の仕事なのかもしれない。

 エルチも言っているではないか、「争いごとばかりしているせいで、シビリアンの文化が育たず、いつまでたってもイノセントに頼らなければならない」と。
 果たしてティンプは、イノセントの支配体制を維持するための仕事人なのか……?
THOMAS★ブラザーです。管理人の一本松のヒロさんから、この週刊ザブングルガイドの作成を手伝ってほしいとの依頼がありまして、厚かましくも一本作ってみました。おもしろいと思って引き受けたのですが、実際やってみるとなかなか大変。

一応、出来るだけ一本松のヒロさんスタイルを踏襲してやってみたのですが、ヒロさんのようにストーリーを簡潔に要約出来ず長ったらしくなってしまいました・・・。ご意見等いただけたら幸いです(^^)

基本的に全てがネタバレですので、もし今後ビデオやDVDで見てみようと思っている方なら、あえて読まずにおくのも手かと思います。 



第6話「あんたジロンの何なのさ」
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<ストーリー>
グロッキー一家の襲撃に備え、アイアンギアーの甲板上でウォーカーマシンの操縦訓練をするサンドラットのメンバー。しかしジロンの指導もむなしく、ウォーカーマシンに触った事のないメンバーはその操縦に四苦八苦。一方ラグは、アイアンギアーの装備を熟知しようと艦内を歩き回り、勝手に艦砲射撃を指示してコトセットと一悶着。そこに現れたエルチに「艦長はあんたよ」と責任感を持つよう求めるが、エルチはどこ吹く風。

「あたしはパパのあとを継ぐつもりないもん」
「あたしの方が本当はあんたより戦闘的タイプかもね。でもね、いいの。私努力するから。あんた艦長やんなさい!」

グロッキーのランドシップ・アースサンダーはアイアンギアーとの戦闘で受けた傷を修理中。そこにウォーカーマシン・ガバメントを駆りティンプが登場。アイアンギアーの戦闘能力を知り弱気になりかけていたグロッキーをおだて上げ、再度攻撃をかけるよう仕向ける。ティンプの狙いは何か?

そしてグロッキーの攻撃が再び始まった。エルチのいないブリッジでラグは総員に戦闘配置につくよう指示、自分もコトセットの制止を振り切って格納庫へ向かい、ジロンのザブングルに相乗り。そこにエルチが現れ、なぜジロンと一緒に行くのかと問い詰める。

「待ってよ、ラグがどうしてジロンと一緒に乗るの?」
「ラグは他のウォーカーマシンに乗ればいいんだわ。ジロンもジロンよ、私の約束ほっぽってラグと一緒ってどういうこと?あんたジロンの何なのよ!」

一瞬呆然とするラグ、しかし冷静にその言葉に応じ、小型ウォーカーマシン・トラッドイレブンに乗り換える。エルチにブリッジに上がれと命令されるも聞く耳を持たないブルメ、ダイクらサンドラットのメンバーにも「みんな、エルチはアイアンギアーの艦長よ!」と命令を聞くよう説き伏せる。そんなラグの態度にも関わらずサンドラットのメンバーにブリッジを任せ、自分はジロンと一緒に出撃しようとするエルチを、今度はジロンが押しとどめる。

「待て!エルチは船に残るんだ!あんたがアイアンギアーを守ってくれなきゃ、兵隊は外に出て安心して戦えやしないんだぜ!」

自分を信頼してくれていると感じたのか、エルチはらしくもなく女の子っぽさを滲ませて素直にジロンの言葉に応じる。

「行って、ジロン。あたし、この船に残るわ」
「さすが、文化的!」

グロッキーのアースサンダーはアイアンギアーの後方から艦砲射撃をしつつ、ウォーカーマシンを出して攻撃を仕掛けて来た。ジロンのザブングルと、ラグらサンドラットのメンバーが操るトラッドイレブン数台とでこれに応戦するアイアンギアー。しかし後方への艦砲射撃は乗組員が不慣れな事と、射撃角度が真後ろには取れない事から意味をなさず、呆れたコトセットは射撃の中止を指示。すると前方に霧に包まれた谷が。コトセットは霧で敵の位置がわからなくなる事を恐れ進路の変更を考えるが、戦闘服に着替えてブリッジに戻ったエルチは霧の中に直進するよう指示。「艦長のあたしの命令よ!」

一方ジロンらのウォーカーマシン同士の戦闘も熾烈を極めていた。ザブングルの運動性能とパワーで一対一の勝負なら負けないものの、小型で火力も弱いトラッドイレブン、しかもそれを操るのは不慣れなサンドラット。数で押し包むグロッキー一家の攻撃に押され気味になる中、ラグのトラッドイレブンのコクピットに敵の機関砲の直撃が。「ラグーっ!こいつー!!」機関砲を撃った敵のプロメウスに怒りの体当たりを食らわせるジロン。敵を撃破すると、慌ててラグの元に駆け寄る。コクピットの中にかがみ込むようにしていたラグ、ジロンの呼びかけに顔を上げ、「心配してくれた?」と一言(写真2)。ジロンはウルウルしながら「・・・うん。ラグよかったーっ!」と飛びつくが、ラグはさっと身体をかわし、ジロンはシートに顔を直撃。「どうしたの?」「よろけちゃった」・・・なかなかシリアスな雰囲気になれない二人でした。

霧の谷に入ったアイアンギアーとアースサンダー。ティンプは破壊されたウォーカーマシンのエンジンを回収させ、霧の中でアースサンダーの位置を悟られないようにとグロッキーに戦略を授ける。エンジンを切り、互いに相手の様子を伺う両艦・・・ティンプはウォーカーマシンのエンジンをセットし自分はアースサンダーに残って回り込み、グロッキーらのウォーカーマシン隊をアイアンギアーに差し向けて挟み撃ちにする作戦を取る。そこにようやく敵を退けたジロンとラグの乗るザブングルが到着、グロッキーのウォーカーマシン隊との交戦に突入。混戦状態になった時、アイアンギアーの前方からアースサンダーが突入・・・しかしそのブリッジは火に包まれ、何かがおかしい。

「失敗し過ぎたのさ、グロッキーさん!時には赤字を覚悟で勝ってみるのだったな!」
「ティンプ、お前、一体・・・」

グロッキーが異変に気付く間もなく、アースサンダーはアイアンギアーに体当たりするコースで突入。何が起こったのかわからず動揺したままのグロッキーのプロメウスは、アースサンダーの直撃を受け地面に叩きつけられて爆発。アイアンギアーはコトセットの素早い反応でどうにかアースサンダーをかわし、事なきを得た。

霧の谷から脱出し、ザブングルはアイアンギアーに帰投。そこにものすごい勢いで駆けつけるエルチ。

「ラグ!ラグったら!」
「何よ」
「降りなさいよ!ザブングルはもう一台あるのよ!一緒に乗ってる事ないでしょう!?」

言い争う二人の顔を交互に見ながらジロン、「・・・じゃあお先に」と修羅場を避けて逃げ出そうとするが、ラグの肘鉄が胸に飛び、「ダメよ、ゆっくりなさい!」

「何したのよジロンに!あんたジロンの何なのよ!」(写真3)
「・・・文化的な女性はしとやかにして優雅で、その会話は穏やかで気品を第一とする。そう書いてあるわね、あなたの文化の教科書にはさ!」

ラグの鋭い突っ込みに返す言葉もないエルチでした。

その頃、アースサンダーを脱出したティンプは謎の人物との密談を行っていた。

「我々は、戦いを続けさせる為にお前に任務を与えている。しかし、あのアイアンギアーとザブングルを操る若者たちは、秩序の破壊者となり得る。我々は強い者を好むとはいえ、彼らは別の種族になりそうだ。まだ早いのだ、彼らのような種族が生まれるのは!・・・なるべく早く消してほしいものだな」

「・・・心得ております。遊びはやめにしましょう、イノセント」

謎に満ちたイノセントとティンプの関係は、そしてイノセントの真の目的とは?

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<注目ポイント>

●キャラクターSIDE
今回はタイトルの通り、当初から一風変わったジロンとその腕前に興味を抱いていたエルチが、ラグに対する対抗心からジロンを奪い合うような様相に。ラグ、エルチ共にジロンに本当の意味での好意を抱いているのかどうかは今一つはっきりしませんが・・・。

当のジロンは、現時点では戦友感覚もあるのか、ラグに対してより親近感を抱いている雰囲気あり。ラグのウォーカーマシンが敵の攻撃を受けた時の彼女に対する様子はかなり真剣なものがありました。ただ、ジロンの場合も誰に対しても真剣な気持ちで向き合うところがあるようなので、一概には言えませんが。エルチに対してはまだ「一宿一飯の義理があるから」という程度で特別な感情は見受けられないですね。

一方、ティンプはグロッキーに対して凄んだかと思えばおだてたり、アイアンギアーをぶん取る事での利を細かく説いてその気にさせるなど、かなりの狡猾ぶりを披露。しかしそうかと思えば火のついた葉巻を口の中に飲み込んで口から煙を出したり、グロッキーに気障な台詞を吐いて得意げになったりと、独特のドジキャラの一端も見せ始めてます(笑)

●ストーリーSIDE
この第6話の最後でのティンプとイノセントの会話の中に、ストーリーの鍵となるものが多く含まれています。ティンプはイノセントの命を受けてシビリアン同士の戦いを誘発・継続させようと暗躍している。イノセントは、そうした戦いを通じてシビリアンのある一定の目的に沿った進化を期待しているふしがある。イノセントがシビリアンを進化させる事で何をしようとしているのかはまだ伏せられたままですが、今後イノセントが実際に姿を見せ始める頃にはそうしたものも見えてくるのではないでしょうか。

アイアンギアーとその一党の方は、やはりジロンを中心にエルチとラグの女の意地の張り合いが激化。ジロンはあまり色恋沙汰には関心がなく、親の仇であるティンプを倒すという目的の為にはやや独走してしまうところがあり、サンドラットのメンバーもラグがアイアンギアーに留まっている為に自分たちも行動を共にはしているが、本来的にはそうする必要もないわけで、今のところアイアンギアーのクルーとしての一体感はないに等しい状態。

今後、打倒イノセントという目的が見えてくるまではゴタゴタが続くという感じでしょうか。
>THOMAS★ブラザーさん
 無理なお願い聞いていただき、ありがとうございます!
 台詞も細かく書いてあったり、場面と写真も連動して、臨場感があるガイドに仕上がってますね。感謝、感謝です♪
◆一本松のヒロさん
セリフは入れないと何かうまくまとめられなかったもので・・・苦肉の策ですが、当然長くなってしまうのが困りものです(^_^
第7話「信ずるものは浮かばれる」
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<ストーリー>
 グロッキーを葬ったティンプは、次に女運び屋ギャブレイに<アイアン・ギアー>攻撃の話を持ちかける。

 その頃<I・G>は、緑生い茂る楽園に到着していた。はじめて見る光景にはしゃぎ、湖で水遊びをするジロンやラグたち。
 そこへ突如、一人の老人が操る旧式WM・センドビードが現れる。散々船を荒らした挙句、ジロンのザブングルに追い払われる老人。後を追ったジロンたちは、動きを止めたWMの中で気絶していた老人を介抱する。
 住処らしい小屋の中の道具から、老人ホッターをロックマンだと見抜くラグ。「緑あるところにブルーストーンはない」というのはこの世界の常識のはず。しかし老人は、一見粗悪品ながらも、大量のブルーストーンをため込んでいた。
 起き上がったとたん、ジロンたちの隙をつき、小屋下の落とし穴へ突き落とすホッター老人。そこへ突如、先住民族トラントランが襲撃を仕掛け、ブルーストーンを奪い去っていった。
 昏倒していたホッターを、遅れて到着した<I・G>に担ぎ込むと、彼のブルーストーンを奪い返すべく、トラントランの集落へ向かうジロン、ブルメ、チル、ダイクの四人。しかし、他人を信じないホッターは、意識を取り戻すと、ジロンたちに先んじるべく船を飛び出した。

 威勢だけはいいものの、あっさりトラントランに捕まるホッター。悪態をつく老人に、トラトランのリーダーは、「実は自分たちに襲撃を命じたのは<I・G>の連中で、ブルーストーンもやつらが奪って行った」と吹きこむ。
 それを真に受け逆上したホッターは、旧式だが強力な武器をトラントランに譲りうけると、センドビードを操って、やってきたラグのザブングルに襲い掛かった。
 一方、トラントランに捕まりながら、辛くも逃れたジロンたちは、トラントランの小屋の中に奪われたブルーストーンを発見する。あまりに狡猾なやり口に、背後にティンプの存在を感じるジロン。
 ホッターと戦闘中のラグに合流したジロンは、ブルーストーンの山を老人に見せることで、目を覚まさせる。トラントランに牙を剥くホッター。だが、センドビードにはあらかじめ爆弾が仕掛けられていた。
 全身から炎を噴くセンドビード。火ダルマになりながらも、ホッターは最期の力を振り絞って湖をせき止めるダムを破壊した。濁流がトラントランの集落全てを呑み込んでいく……。

 全てが終わった後、自らの作り上げた楽園を臨み、満足げな微笑を浮かべてホッターは息を引き取った。
 「“緑のあるところにブルーストーンがない”とは、イノセントの作り出した迷信なのだ」
 そう言い残して……

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<注目ポイント>

●キャラクターSIDE
※偏屈爺いホッターが全ての回(笑)
まさにキチ○イと紙一重の登場シーンから、一族の誇りを背負って死んでいくラストまで、この老人がエピソードを引っ張って行きます。頑固一徹にわが道を行くこういう老人、実は嫌いじゃありません。

※ジロンたちで面白かったのは、冒頭の水浴びシーン。水着なんてものはこの世界にはないらしく、全員(ラグも!)パンツ一丁ではしゃぎまくってます。風呂とかを覗かれるのは恥らうくせに、なんでこういう時は平気でおっぱい見せてんでしょうか。謎です。

※黒幕ティンプは、もうコミカルテイスト全開。今回は、座ったまま咥えタバコをズボンに落としてやけど寸前に。火難の相ありありです。

●ストーリーSIDE
 今回のキーポイントは、「緑のあるところにブルーストーンなし」という迷信に尽きる。
 ラグもこれを信じていたために、ホッター老人のブルーストーンを粗悪品と思い込んだようだが、ティンプの分析では「かなりの上物」との事。ホッターもそれを承知していたからこそ、異常なほどこだわったのだろう。

 では、何のためにイノセントはそんな迷信を作り上げたのか……これもまた、「三日の掟」のごとく、物語の根幹に関わってくる謎と思われる。
第8話「ミスにはミスがない」
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<ストーリー>
バザーを開く為、イエローヒルタウンに向かったアイアンギアーとその一党。二、三日羽根を伸ばせるぞと喜ぶブルメ、ここが稼ぎどころと意気込むプロポピエフ一座の面々。しかし、町の入口にはウォーカーマシン・カプリコタイプやオットリッチタイプ数機が行く手を遮るように立ち塞がっていた。

「何なのあんたたち!そこをどきなさい!」

エルチがスピーカーで呼び掛けるも、ジロンのザブングルにいきなり発砲するカプリコ。彼らはイエローヒルタウンで先にバザーを開いていたミス・ギャブレットの配下の者達だった。ウォーカーマシン隊を率いるガイは、「一つのバザーは一つの運び屋で仕切るのが決まりだ、帰れ!」とジロンやエルチの反論に耳を貸さず発砲を繰り返す。たまらずダイクとラグの乗ったもう一台のザブングルも出撃し、小競り合いの様相に。結局、ジロンのザブングルにカプリコのコクピットを破壊されたガイは機体を捨てて逃げ去る。

町ではまだその騒ぎに気付かず、採掘したブルーストーンをコンピューターコアなどのイノセントから運び屋を経由するしか入手出来ない品物などと交換したりする人々で賑わっていた。望み通りの品物を提供してくれないとギャブレットの部下・ガロンヌとブレーカーとの間で口論が起きていたところに、ミス・ギャブレットが愛猫を腕に抱きながら登場。「ここはマダム・ギャブレットのバザーだ」となどと意に沿わぬ説明をしているガロンヌにスパナを投げつけ黙らせると、そのブレーカーに金貨を一枚渡し、腰の低い態度で運び屋らしいところを見せる。「マダム・ギャブレット!カーゴ一家のランドシップが!あのアイアンギアとかいう新式のランドシップで」ジロン達の前から逃げ出して来たガイが、言ってはならない禁句を大声でわめきながら報告にやって来る。全身ををピクピク震わせながら聞いていたギャブレットは、ガイに向き直り「ミス・ギャブレット・ギャブレイ!間違わないでほしいね」「す、すいません、マダム・・・あ!」ギャブレットの平手打ちが飛び、ガイは吹っ飛ばされる。

「やっとおでましってわけかい・・・ふふ」

不敵な笑みを浮かべ呟くギャブレット。その腕の中で愛猫がにゃーん、と鳴いた。

アイアン・ギアーの前では、指揮官が逃げ去った後も残って戦っていたウォーカーマシン隊とジロンのザブングルがにらみ合いを続けていた。そこに新手のカプリコタイプが数機現れる。先頭のガロンヌの操るカプリコのコクピットにはギャブレットが自ら乗り込んでいた。「あたしはビッグマンの手の者、ミス・ギャブレット・ギャブレイ。この町は私が仕切っている、あんた達は出て行った方が身のためだよ」

しかし全く意に介さず「何がミスなもんか、年増女が!」「手を引くのはマダムの方でしょ!」「出て行くのはそっちだろ、バア様!」などと口汚く罵るジロン達。怒り狂ったギャブレットは「その手の言葉を使うな、その手の言葉ァ!」と怒鳴り散らす。その横でガロンヌが「ボスのキャリング・カーゴは死んだはずだ」と冷静に言い放つ。この言葉で落ち着きを取り戻したギャブレットは、イノセントに運び屋としての名義変更を済ませたのかと問い詰める。エルチはもちろん、コトセットやファットマンも全くそういう知識は持ち合わせておらず、形勢は逆転。エルチはやむなくアイアン・ギアーを後退させ、イノセントとの契約について調べる事に。

その夜、資料を引っくり返して調べものをするエルチを置いて、町を直前にして我慢し切れなくなったジロン達はこっそりイエローヒルタウンに向かっていた。プロポピエフ一座も勝手に町で興行を始めようと準備を始めている。その中でジロンは一人、父親の仇・ティンプの情報を求めて町のブレーカーらに聞き込みを行っていた。これにはラグやブルメ達もさすがに呆れ顔。

ジロンは聞き込みの最中、ラグ達と最初に出会った時にカーゴ一家のバザーで治療を受けたメディック医師と再会していた。ラグが治療費を踏み倒していた事を思い出し激高するメディック。しかしジロンはもう時効だよ、と意に介さずその場を立ち去る。自分は親の仇とティンプを追い回していて、こちらも当然この世界では三日間の掟で時効が成立しているのにこの矛盾。自分勝手ですね。

一方、ギャブレットの部下・ガロンヌはその知謀を働かせ、蛇の毒を塗ったナイフを使ってジロン暗殺を試みるが失敗。更にエルチの持つ運び屋の手形を盗み出して運び屋としての資格を奪おうとするがこれも失敗。しまいにはバザーで取引を終えたブレーカーを襲撃し、その罪をジロン達になすりつける事でバザーから追い払おうと画策するが、エルチ、ジロンが毅然とした態度で誤解しかけていたブレーカー達を黙らせ、襲撃役のガイを捕まえて証人として引き出す事で無実を証明。ガロンヌの企みは全て失敗に終わる・・・。

業を煮やしたガロンヌはウォーカーマシンでアイアンギアを攻撃。その後方からギャブレットのランドシップ・パープルキャットも攻撃に加わる。

「ミス・ギャブレットの怖さを教えてあげるよ、坊やに嬢や」

しかしジロンのザブングルにしがみつき、自分のウォーカーマシンを自爆させて道連れにしようとしたガロンヌの作戦も封じられ、パープルキャットもアイアンギアの砲撃を受け退却を余儀なくされる。ブリッジ付近への着弾で全身煤だらけになったギャブレット、「悔しいけど退却!」

戦闘が終わり、ジロンとサンドラットのメンバーがギャブレットの背後にはティンプの存在があるのではないかと話し合っていた。そこにイノセントとの契約について調べていたエルチが加わる。結局のところ、契約書には一つのバザーには一人の運び屋でなければならないとか、はっきりと明言されておらず、曖昧な表現ばかりでどうとでも取れる内容だという。文化的な生活に憧れ、イノセントを信奉しているはずのエルチも「あんなのわかんない!イノセントが馬鹿なのか利口なのかもね。イノセントってわざと私達を戦わせようとしてるみたい!」そんなはずはないとラグは笑い飛ばす。ジロンはそれには反応せず「まずはあの年増女の邪魔を防いで、エルチは商売しなくちゃ!」

その頃ギャブレットは「させるもんか!このミス・ギャブレット、本気になったら怖いんだから!ねっ!」と愛猫に八つ当たりするかのように叫んでいた。まだまだ年増女の邪魔は続きそうです。


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<注目ポイント>

●キャラクターSIDE
今回はギャブレット・ギャブレイというキャラクターとその部下達とのやり取りが楽しい回。ガイはわざとギャブレットを怒らせるかのように何度となくミセスを連発し、その都度殴られたり睨みつけられたり。ガロンヌはギャブレットに忠義を尽くす上に好意まで抱いているような雰囲気がありますが、ギャブレットを喜ばせようとした作戦は全て失敗し、最後のザブングルを道連れにしようとしたシーンでもしっかり自分は脱出していたりと世渡り上手な?一面も。

アイアンギアの面々は、マイペースなサンドラットのメンバーはともかく、エルチが艦長として、また運び屋としての責任感からややしっかりして来た事から、周りの人間がエルチを中心に微妙ではありますが少しはまとまって来た感じもします。ジロンもティンプを追う事が生きる目的とばかりにそおの事になると周りが見えなくなるのは相変わらずですが、エルチに対してだけは彼女を立てるような素振りがありますしね。

他には、ギャブレットの発言から、彼女の後ろにはティンプではなくビッグマンという存在がある事がわかります。このビッグマンがイノセントとどういう繋がりがあるのか、今後の物語にも大きく関わってくる人物になりますね。


●ストーリーSIDE
今回はバザーを通じてブルーストーンを採掘して生活しているシビリアン達の普段の生活が描かれています。この荒れ果てた惑星ゾラの世界では娯楽と呼べる娯楽も殆どないのでしょう、楽しみはやはり酒、酒場や酔っ払った男達の姿も描かれていましたし、プロポピエフ一座のような拙い興行も多くの人々が楽しんでいました。

アイアンギアの面々は、エルチを中心に運び屋として生活しながらジロンを除いては何となく日常を謳歌しているといった印象ですが、ティンプや今後登場するビッグマンといった人物と関わる事で次第にこの世界を統べるイノセントと接触して行く事になるのでしょう。
第9話「花は野に咲けマリア花」
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<ストーリー>
 とある町に差し掛かった<アイアン・ギアー>は、そこでチンピラブレーカーの集団に襲われていた少女と子供たちを助ける。
 金やブルーストーンを掘るでもなく、ただ野菜を育て、一人で親のない子供たちを育てているという少女マリア。争いごとはよくないと本気で語る彼女に、弱肉強食の世界で生きるジロンたちは戸惑いを隠せない。

 一方、まだ<I・G>を狙うミス・ギャブレットは、大物運び屋ビッグマン、そしてティンプとともに、<I・G>への対抗策を話していた。給油所を抱き込んで<I・G>の燃料補給を妨害するギャブレットはその一方で、マリアの農園を手下のウォーカーマシン隊に襲わせるのだった。
 子供たちを盾にとられ、やむなく降伏するジロンやサンドラットの面々。彼らは街中をWMに引き回されるが、隠し持ったナイフで縄を切ると、予備のザブングルが援護に来た隙を狙って包囲の中を脱出する。そして、燃料補給(強奪)を終えた<I・G>が巨大WMに変形した余勢を借りて、一気に逆襲に転じた。
 その戦闘のさなか、船を脱出したミス・ギャブレットと遭遇したマリアは、襲いかかってきた彼女を思わず岩で殴り倒してしまう。

 全てが終わった後、マリアは、「争いごとはよくない」という気持ちは変わらないとしながらも、迷惑をかけたジロンたちへの謝罪と、いくばくかの理解を示した証しとして、自らの美しい黒髪を切り落とすのだった…。

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<注目ポイント>

●キャラクターSIDE
※第三の美少女マリア登場。声優は島本<クラリス&ナウシカ>須美さん。浮世離れしたマリアの性格に、お姫様ボイスが絶妙にマッチしています。

※今回出番の少ないティンプですが、相変わらずのコメディリリーフぶりを発揮。勢いをつけて急な坂を駆け下りていく「カリオストロ走り」を、再び披露してくれます。

※シリーズ序盤のラスボス、大物運び屋ビッグマンついに登場。しかし不気味な外見にもかかわらず、配下のミス・ギャブレイ相手に「マダム」と口を滑らせて一瞬慌てるなど、意外とお茶目な一面を見せるところが「ザブングル」のキャラらしいのですw


※いわゆるパターン破りを制作側が意識し、メタ視点(作品の外からの視点)とも言うべき物を作中に取り入れ始めたのもこの時期です。

・「人質を取るなんて(勧善懲悪アニメで敵がよくやる)パターンじゃねーか!」と叫ぶブルメ
・「必殺ザブングルパンチ!」の掛け声とともに敵WMを叩き潰し、「(こういうロボットアニメ的決め台詞を)一度言ってみたかった、フ
フ…」と呟くジロン
などなど


●ストーリーSIDE
 博愛、非暴力主義の少女マリアの登場は、掟破りの少年ジロンとは別の意味で、新しいシビリアンの可能性を提示する。

 「生きるか死ぬか」「奪うか奪われるか」といった殺伐とした関係から隔絶した、「何かを作り出して静かに暮らしていく」という生き方。多様な価値観の誕生は、シビリアン社会の意外な成熟度の高さを物語るものといえるだろう。
後半再登場した時は、CVは別の方(能村弘子さん)に変わってましたから、印象に残ってない人が多いかも知れませんね(笑)

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