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生活保護者の集いコミュの猛暑に苦しむ路上生活者 気候変動と貧困問題

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https: 参院選が終わった。選挙期間中に続いた猛暑は、各陣営にとって大きな負担になっただろうが、ここでは選挙カーが走る道路や候補者が演説をする駅前のすぐそばで、何が起こっていたのかを書いてみたい。

夏のほうがつらい
 「冬の寒さよりも夏の暑さの方がつらい」

 私が路上生活者の支援活動に関わるようになって、今年で29回目の夏を迎えるが、その間、幾度となく当事者から聞いてきた言葉である。

 個人差はあるが、比較的、路上生活歴の長い方からは「冬の寒さにはある程度、体が慣れるし、服を重ね着してしのぐことができるが、夏の暑さにはどうにも対処できない」という声を聞くことが多い。また、暑さだけでなく、デング熱やチャドクガによる皮膚炎等、虫に関わる健康被害も夏に起こりやすく、多くの路上生活者を苦しめてきた。

 東京都が今年4月に発表した路上生活者の生活実態調査(注1)によると、東京23区の路上生活者(聞き取りができた320人が対象)の平均年齢は65.1歳。年齢階層別で見ると、70〜74 歳(25.2%)で最も多く、65 歳以上の高齢者が全体の約6割を占めている。

「路上高齢者」問題
 もはや路上生活者問題は、路上高齢者問題と呼んでもよいほどの状況だ。また、過去の調査結果と比較すると、高齢化と同時に路上生活歴の長期化も顕著となっており、今回の調査では路上生活歴が10年以上に及ぶ人が全体の4割以上を占めていた。

 健康状態については、「あまりよくない」27.8%、「よくない」10.6%と、あわせて約4割が不調を訴えているものの、そのうち通院や市販薬で対処できている人は3人に1人(35.7%)しかおらず、3人のうち2人(64.2%)は「何もしていない」と回答している。これは保険証がない、医療費をまかなえない等の理由により、病気やけががあっても放置せざるをえない状態にある人が多いことを意味している。

熱中症の危険
 その路上の高齢者たちを6月下旬から記録的な猛暑が襲った。東京では6月25日に史上最も早い時期の猛暑日を観測して以来、7月3日まで連日、最高気温が35度を超えた。9日連続の猛暑日は過去最長である。

 6月28日、日本救急医学会の医師らはオンラインで緊急記者会見を開き、猛暑日が続く状況について「災害級の暑さ」と警告を発し、高齢者など熱中症の重症化リスクが高い人たちの見守り強化やエアコンの適切な使用などの対策を呼びかけた。

 猛暑が路上生活者の健康に与える影響を懸念した支援団体「ひとさじの会」は、7月4日夜、定例の夜回り活動において熱中症に関する聞き取りを実施した。同会は、浄土宗の僧侶が呼びかけて2009年に発足した団体で、月2回、東京の上野、浅草、隅田川河川敷、山谷地域を中心に路上生活者におにぎり等を手渡しする夜回り配食を継続している。

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 「ひとさじの会」事務局長の吉水岳彦さんによると、この日は194人に声かけをして、42人から猛暑への対処法などについて話を聞くことができた。

 聞き取りで寄せられた声を一部紹介したい。

 ・図書館で涼んでいた(多数)

 ・図書館にある無料の水を飲んでいた

 ・デパートで涼んでいた

 ・風が涼しい川沿いにいた

 ・すだれをかけるなど、小屋に工夫している

 ・噴水など風の通りの良いところで寝ていた

 ・暑さや虫のために、昼も夜も眠れないため、睡眠不足が深刻である

 ・動くと汗が噴き出るので、木陰で動かなかった


 42人の中には自分も熱中症になりかけたと話される方が3人もいらっしゃり、知り合いが熱中症で死亡したという証言もあったという。

 亡くなられた方は、もともと心臓が悪く、早朝、動かなくなっていたところを公園の警備員に発見されたそうだ。夜回りが終わった後、吉水さんらは亡くなった方が寝ていた場所を訪れ、念仏を手向けた。

 吉水さんはSNSなどで「これ以上、犠牲となる方を増やさないためにも多くの人のご支援が必要だと思います。もし皆様が歩いていて、路上に暮らす方をお見かけになったなら、ぜひ熱中症予防にゼリー飲料などの提供をしていただけたらうれしいです」と市民に呼びかけをおこなっている。

 吉水さんはまた、「災害級の暑さであるならば、本来は公的に公園などで給水所や救護テントのようなものが必要だと思います。逃げ場のない厳しい暑さの中で、いのちを守っていけるような手立てを、民間だけでなくて、公的機関にも考えてもらいたい」と具体的な提案もおこなっている。私もぜひこうした対策を早急に実施してほしいと願っている。

食料品などの支援物資を受け取る路上生活者=ひとさじの会提供
食料品などの支援物資を受け取る路上生活者=ひとさじの会提供
低所得者も
 猛暑は、路上生活者だけでなく、住まいのある低所得者にも深刻な影響を与えている。低所得者の中にはエアコンのない部屋で暮らす人や、エアコンがあっても電気代を気にして使用を控える人が少なくないからである。

 今年の春以降は電気代が高騰しているため、節約のため使用を控える人がより増えることが懸念される。国や自治体は注意喚起だけでなく、低所得者へのエアコン設置費用の補助や電気代の負担軽減などの具体策を急いでほしい。

気候正義
 近年、猛暑日が増えている背景には気候変動の影響があると専門家は指摘している。国連世界食糧計画(WFP)は、世界の平均気温が産業革命前に比べて2度上昇した場合、1億8900万人が新たに飢餓に陥ると指摘している。

 地球温暖化に起因する異常気象や自然災害が社会的に脆弱(ぜいじゃく)な層に特に大きな打撃を与えるという構造的問題は、「気候正義」を求める社会運動の中でも指摘されてきた。

 SDGs(国連の持続可能な開発目標)が掲げる17の目標の中にも「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」(目標13)という項目があるが、温暖化による負の影響の軽減は途上国への支援という文脈だけではなく、日本国内の貧困対策を考える上でも欠かせない視点である。

 残念ながら今回の選挙戦では気候変動対策や国内の貧困対策のあり方についての議論は深まらなかったが、政府や自治体は国内の貧困対策においても「目標13」の実現に向けた政策を打ち出すことが求められている。//mainichi.jp/premier/politics/articles/20220726/pol/00m/010/004000c

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