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平成耳袋-本当にあった怖い話し-コミュの【怪談】一ノ倉沢の夜

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コミュ内全体

一ノ倉沢とは、これまでに数百人という遭難者を生み出した谷川岳の中でも、特に険しい岩場の存在する場所である。1960年にあった谷川岳宙吊り遺体収容の舞台となったのも、この一ノ倉沢にある衝立岩という超級難易度の絶壁だった。

私の友人、山さんがまだ学生だった頃、先生から聞いた話だという。

先生がまだ教師ではなかった頃、一ノ倉沢へ友人と一緒にキャンプへ出かけたのだという。
開放的な場所でのキャンプということもあり、二人はとことんアウトドアを満喫していた。
「なんか、めっちゃ石積んでね?」
友人に言われて気付いたが、確かに、そこかしこに、誰が積んだのか石積みがしてある。
「これ、楽しいのかな?」
と友人が面白半分に石を積み始めたのを見て、先生は昔聞いた怖い話を思い出したという。
「やめとけよ、石を積むと幽霊が寄ってくるって聞いたぞ」
先生は気味が悪くなり、「怖がりだなぁ」と友人にちゃかされながらも、周りにあった石積みを崩して回った。

日も落ち、焚き火を囲んで座る先生と友人は、大学の話し、女の話しで盛り上がっていたそうだ。

ザッザッザ

先生の背中の闇で物音がした。
「何の音だ?」
友人も気付いたようで、暗がりに目を向ける。
音は続いて聞こえていた。

ザッザッザ

足音だ。
焚き火の光の届かない闇の中で、誰かが歩いて近づいてくる。
「なぁ、なんかヤバくないか」
友人の意見に先生も同意し、二人はテントに入って息を潜めた。

ザッザ…シャリンシャリン

尚も近づいてくる足音が、途中から別の音に変わる。

シャリンシャリンシャリンシャリン

(これ、坊さんが持って歩く杖の音か?)
錫杖の音は重なって複数聞こえる。人だとするなら、5〜6人はいるんじゃないだろうか。

シャリンシャリンシャリンシャリン

錫杖の音はテントの周りをぐるりと囲み、回り始めた。
焚き火の炎が影を作り、明らかな人影をテントの生地に映し出す。
「おい、見えねぇよ…見えねぇよ…」
テントの入り口の隙間を覗く友人が上ずった声を出す。
先生も隙間から外を覗いて、友人の言葉の意味がわかった。
誰もいない。
人影を作るはずの人がいない。
いないのに、錫杖の音、そしてテントの生地にはしっかりと、焚き火に照らされた人影が、ぐるぐるとテントを回る。
先生と友人は、逃げ出すこともできず、肩を寄せ合い、震えて夜を過ごしたという。
焚き火が消えて尚、錫杖の音は夜中続いた。
だが、夜明けと共にそれまでテントの周りを回っていた者の気配は消え、二人はすぐに荷物をまとめて下山したそうだ。

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