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沖縄の集落コミュの御嶽にまつわる民話から考える!

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あまりにもほったらかしのコミュですみません。
すこしづつ、話をできたらと思い、自分の
ブログに書いていることを転載しておきます!

最近、授業で解説したのですが、
琉球王府時代の国廟であった、那覇市安里にある
祟元寺の隣に、「馬鞭の御嶽」という御嶽があります。

※この御嶽は、由来記などに記載されている正式な御嶽ではないです。

「馬鞭の御嶽」・・・なんだか、エキセントリックな名前ですが、
ここには、以下のような民話が残されています。
---
昔、安里大親が首里での勤めを果たして、泊の実家に帰宅する途中、
一休みをしていると、品のある老人に誘われて立派な邸宅に招かれた。
そこで、碁を打ち、料理をもてなされ、非常に豊かな時間をすごしたのだが、
はて、このような邸宅がこの辺りにあったのか?と不審に思った
安里大親が、家を去るときに、その場所に目印として馬の鞭を立てて
帰宅をした。翌朝来てみると、鞭を立てたところには、
邸宅の面影は微塵もなかった。
-----

その鞭が立っていたところが拝まれるようになった場所である。

この中で、注目したいのは、まず車社会でなかった頃の距離感、です。

首里と安里、車社会でなかった頃は、あの坂を上流
役人は馬で行き来した事をこの民話は伝えています。

さらに、こういう昔の民話などを調べていると、
お化けとか、きつねとかそういうの信じているのですか?
と学生に聞かれることがあります。
そうではなく、私が計画論や風景論として民話を捉えるときは、
これらが言い伝えられた意味を考えます。

今回の場合は、国廟の横という、かなり聖域に近い場所での
話であること、また、同じだまされた(化かされた)系でも、
お風呂だと思って入ったら沼だったとか、
着物を脱いでくつろいでいたらなくなった、という
迷惑を受けた話ではない事が重要になってきます。

つまり、こういう、ちょっと怖い、奇妙な体験が言い伝えられている場所、
というのは、子どもや外来者に対して、むやみやたらと近寄るべきではない、
という信号を民話という形を通して発信していると考えられるのです。

また、この言い伝えが迷惑を受けたのではなく、歓待を受けたというところも
さすが、国廟のお膝元ならではの民話だといわざるを得ません。
近寄るな、というメッセージを含んだものであっても、
品のいい老人が現れて邸宅で歓待、というだまされ方と
狐にだまされたというのとでは、地域が持つ霊性のイメージが180度
異なるからです。


今日は、民話から、空間のスケールと忌避性についてのお話でしたが、他にも皆様が調べているようなことがあったら教えてください。

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