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文芸の里コミュのつれづれの歌のコーナー4

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100▼乾燥の街にホースの
水やれば
鳥降りて来て吾に従う


99▼打ち水の手元を覗く
鳩がいて
いじらしければ多く水やる


98▼旧き街日傘ばかりが
闊歩して
パラソルは散る街の周辺




97▼炎天に頭焦がして
サングラス
帽子がいると誰かが叫ぶ


96▼けもの道訪ねて行けば
清水あり
人の来ている
気配はなくて


95▼泉にはなくてならない
いのちあり
けもの道のみ底に通じて


94▼列車降りすぐにも届く
滝の音
町名ともなる滝の音する


93▼燃えるのかそれとも光る
夏の海
沖行く船のその日その時


92▼囀りの吹き下ろしくる
ベンチには
鳥を圧して婦人が集う


91▼若葉風浴びつつ行けば
並木道
葉擦れの音が会話のように


90▼五月雨に街のネオンが
幾重にも
赤青黄色水玉模様


89▼怪物が潜んでいそうな
雲の峰
むくむく湧けば何か出てくる


88▼夕焼けに鴉が騒ぐ
山火事と
半鐘鳴らす大人の子供


87▼薫風に貴婦人然と
クジャク行く
尾羽振るさまは吾に向けられ


86▼洗い髪更に濡らして
駆ける女
夕立の向こうに彼を待たせて


85▼夏休み気にする教師が
気になって
女性徒の心千々に乱れる


84▼目標のあるかないかで
二分する
夏休み前の教室の中


83▼隠したい隠したくない
夏ごろも
女ごころの夏がすぐ来る


82▼ああ君はこの夏どんな
装いで
行くつもりだよサマーキャンプに


81▼郭公が電線揺らし
飛び去った
次の目標決まらぬままに


80▼鯉幟だらりとすれば
赤子泣く
赤子泣かすな風よ吹け吹け


79▼建物の陰を求めて
吾こそは
流浪の民の一避難民


78▼地を蹴ればそのまま飛べる
南風
パラソルあれば加速も可能


77▼南風をかくしに溜めて
浮きのよう
そのまま海へ出て行くもよし


76▼白靴の上はピンクの
ワンピース
草原行けば補色に抱かれ


75▼ブレザーに翼のように
南風
地上を蹴ればそのまま飛べる


74▼野鳥には息苦しいほど
若葉風
下のベンチに女の会話


73▼夕焼けて鴉は騒ぐ
山火事と
人は遠より魂鎮めつつ


72▼夕立に若い女が
濡れて行く
軒下の猫たゆみなく追う


71▼木洩れ日のなかを歩めば
吾が耳に
若葉のさやぎ鳥の囀り


70▼南風胸を開いて
深呼吸
人犬猫は透明になる


69▼薫風は何といっても
神の風
大きく吸って汚れ吐き出す


68▼並木道葉擦れの音と
会話する
なかには君の肉声もして


67▼夕立に濡れて行こうと
はしゃぐ君
吾も添い立つ若さにならい


66▼夕焼けに騒ぎはじめる
鳥がいる
寂しがりやの彼女のように 


65▼大通り公園広場
みな夏着
木立の下に涼を求めて


64▼両端は地にけぶりつつ
虹はある
その要諦を天に留めて


63▼蘇える五月の空の
鯉幟
風に大きく口を開いて


62▼遠雷とどこか似ており
遠花火
雨呼ぶ蛙混同している


61▼鯉幟だらりとすれば
赤子泣き
それが友也の危険信号


60▼子を想う声の深さが
夜をしきり
青葉木菟啼くこの裏山に


59▼崖上にふと現れて
静止する
トカゲの目には怯えの色が


58▼郭公が電線揺らし
飛び去った
子に会う夢は叶えられずに


57▼托卵の子を見たく会いたく
ホトトギス
高原の枝に三昼夜啼く


56▼アベニューに乳母車押す
女あり
吾もその中の赤子となって


55▼建物の陰濃い中を
選び行く
頭上の青をオアシスと見て


54▼路地を行くアヒル喜ぶ
水遊び
ホースの水を向けても逃げず


53▼夜店なる提灯売り物と
間違えて
叱られた夏想い出しおり


52▼暗がりに泥鰌商う
店があり
泥鰌の眼だけ黄色く光る


51▼薫風が鼻先撫でて
過ぎて行く
早く早くと急かせるように


50▼鯉幟揚らなかった
その下に
洗濯物が長閑に揺れる


49▼梅雨晴れ間三羽の鳥が
並び飛ぶ
地上に楽園ないかのように


48▼生きものの気配濃厚
トコロテン
暴れないのが不思議なくらい


47▼初雪を食らい先へと
駆ける犬
新しい雪降れとばかりに


46▼放し飼う陽に厭き気味の
牛もいて
牧舎に帰る足取り軽く


45▼着いてすぐ挨拶回り
する燕
燕同士の対話も省き


44▼逃げ水を追ってここまで
来はしたが
いま水はなく道に立つ鳥


43▼高原に今日も郭公
啼きやまず
托卵の子に一目会いたく


42▼五年前あった海市に
逢いたくて
釣人に身をやつし出て行く


41▼打ち水をする道に鳩
降り立ちて
羽搏きすれば仄かに虹が


40▼高原を馬の親子が
駆けてゆく
二頭はすっくと首を伸ばして


39▼犬連れて草原行けば
逞しい
野犬に遭って逃げて帰った


38▼朝早く飲んだラムネが
昼近くゴロゴロと鳴り
雷鳴となる


37▼夏の日に天使が屋根に
降りてきた
雨色のシートすっぽりかぶり


36▼街歩き雨に濡らした
雨傘を
庭に干したら新しい雨


35▼飲みさしのコーヒー置いて
駆けていく
コーヒー嫌いの
犬を追いかけ


34短夜に神の音して
眠られず
起き出して見る未明の空を


33▼あの頃はしきりに神に
音なわれ
玄関に出て何事もなく


32▼雑事する前に新たな
別雑事
神がなければ虚しい人の世


31▼ヨットの帆一つ彷徨い
どこへ行く
海空統べるその中心を


30▼蜜柑船岬の海を
通るとき
白い鴎が黄色に染まる



29▼言葉の灯君が小さく
叩くとき
吾ときめいて雑事忘れる



28▼短夜に神の来意が
二度三度
それきり消えて鶏が啼く



27▼草原に輝く夕日
沈む頃
低空を行く三羽の鴉



26▼白つつじ咲いて間もなく
君が来て
その周りにも他の花々



25▼草原にけものの道が
荒くつき
草に体毛が風に吹かれて



24▼ワンピースその色合いに
君がいて
キーポイントは赤黄それとも



23▼やって来て悩み払おうと
する君の
額に滲む美しい汗



22▼やって来て君が吐息を
洩らすたび
僕の及ばない悩みの深度



21▼ビンからのみ泡噴くと思う
浅はかさ
人の口からも泡は噴き出す


20▼世に生きる人には耐える
力あり
吾のみに欠けたその力


19▼陰のあるベンチの下に
猫坐る
陰広ければ仲間の猫も


⒙▼夏の航白い客船
通る度
鴎はそれをじっと見ている


17▼花茣蓙を地面に敷いて
横になる
湿り気徐々に身を伝いきて


16▼夏の航水平線を
通過する
その船内にいつもある君


15▼足上げて素足の君が
駆けて行く
僕はなりたい君の草原


14▼読書するページの上に
蝶の影
粗筋すでに知っているのか


13▼鵙が来て高鳴きすれば
家中の
ものが目覚めてその鳥みやる


12▼蝶の来て本体はなく
影ばかり
吾と距離置く彼女のように


11▼草原に弾みをつけて
白靴が
ボールのように一つ跳びゆく


10▼サングラス彼にかけさせ
後につく
こんな彼女は持ちたくもなし


9▼サングラス試す相手は
いつも猫
猫も最近は知らぬ顔する



8▼羅がやや気にかかる
夏が来て
吾が身の処遇に困る乙女の


7▼電車着くたびに娘は
閉ざしがち
母をホームに残し行く身の


6▼一泊し帰る娘を
母駅に
閉ざしがちなる娘の心


5▼海岸線走る電車に
サングラス
無ければ海は姿見せない


4▼夏嵐息できぬまで
吾を攻め
木の葉や枝を投げつけてくる


3▼五月雨や蛙のように
濡れて行く
雨具なんかはいらないように


2▼夕立に小皿の鮒が
逃げ出した
天の救いを地で行くように


1▼サングラス忘れた旅の
喪失感
海も野原もともに見えない

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