ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

TOKYO ポエケットコミュの第22回ポエケットレポート(by 黒川武彦)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
詩につかる −TOKYOポエケットvol.22−            黒川武彦
                      
 

昨年までは両国の会場であったが今年は新しく出来たアートスペースBUoYでの開催とな
った。元銭湯であったというコンクリートがむき出しの会場はオリンピックの年に建てら
れたという高層マンションの地下にある。この北千住という町は森鴎外が住み、古くは芭
蕉が奥の細道を記す旅に出た出発の地でもあるという。
地下の会場に照明がはいり、詩人たちがレジャーシートや簡易の椅子を用意して詩集を広
げはじめる。誰の目にも触れることのなかった詩人たちを通過した様々な詩。フリーペー
パーから小さな冊子、趣向をこらした立体詩集まで、誰かに開かれるのを触れられるのを
待っている。しばらくするとその誰かたちが訪れ、出会いを楽しみつつ、再会を懐かしみ
つつ、また言葉が生まれてくる。各ブースをせわしなく歩いて回る詩人もいる。どんと構
えてひたすら来客を待つ詩人もいる。それはその人の詩を書くスタイルにも似ているのか
もしれないと思ったり。詩の売れ行きに喜んだり哀しんだり。
私はポエケット事務局の死紺亭柳竹さんの朗読のあと、ゲストとして朗読させていただき
詩を知るきっかけとなった高校時代の恩師から教わった茨木のり子さんの「わたしが一番
きれいだったとき」を冒頭に朗読し、それを受けて何かを始めることや気づくこと、私を
通り過ぎた風景を連詩のような形で朗読した。その時間にもまた一つの詩情を流すことが
できていたらと思う。
後半のゲストは文月悠光さん、ポエケット主宰の一人で司会のヤリタミサコさんの朗読と
紹介に続き、雑誌や各所で発表した美しい詩たちをまず、丁寧に、時には環境音を使いな
がらしっかりステージとして演出しつつ朗読されていた。
映画監督の故キアロスタミは詩を書き、詩集も出しているのだけれど、詩祭にゲストで呼
ばれた時「ここは天国だ」と言ったという話を聞いたことがある。
天国はどこか?あるときは空の上かもしれないし、ずっと西の方なのかもしれない。そし
てある日は元銭湯のひとつのスペースであったのかもしれない。
ことばそのものの形、詩は様々あるけれど優劣ではなく多様に生まれ現れてあること、
そこでのんびり詩につかる。なんと心地のよいことではないだろうか。
この現世に天国を出現させようというのです、運営に携わる方々の尽力は伺いしれるとい
うものです。改めてここに感謝の意を述べさせていただきたいと思います。ありがとうご
ざいました。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

TOKYO ポエケット 更新情報

TOKYO ポエケットのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング