競馬・ダメ予想家のダメダメ理論コミュの札幌記念【３】／どのレースが強かったか

◆ＡＪＣＣ（中山芝2200／古馬Ｇ２）

48.5　→　49.1（37.0）　10頭　良

13.0　11.3　12.3　11.9　11.7　11.7　11.8　12.1　12.0　12.0　13.0

１着　2.12.8　35.3　04-04-04-02　56.0　マツリダゴッホ
２着　2.13.6　34.6　10-10-10-08　56.0　インテレット
３着　2.13.7　35.6　06-06-06-06　57.0　シルクネクサス
４着　2.13.7　37.9　01-01-01-01　57.0　インティライミ
５着　2.13.7　35.8　04-05-05-05　56.0　ジャリスコライト

このレースの格は、走破時計やラップでは到底計り知ることができない。
なにしろ、1999年にあのスペシャルウィークが、降雨とはいえ良馬場発表のコンディションで走破タイム２分16秒８という、低たらくな数字を出しているからだ。

このレースは、時計よりもメンバー構成が重要で、それによって勝ち馬のその後の活躍ぶりも変わってくる。
では、マツリダゴッホが５馬身差をつけて子供扱いした、今年のメンバーはどうだったのだろうか？

２着馬インテレットは、次走の日経賞６着以来走っていない。
３着馬シルクネクサスは、ハイレベルな京都記念では10着に敗れたものの、中京記念ではローゼンクロイツから0.3秒差の２着。
４着馬インティライミは、中山記念で惨敗したが、金鯱賞では0.4秒差の３着に健闘。
５着馬ジャリスコライトは、次走の白富士Ｓで後に日経賞馬となるネヴァブションから0.1秒差の２着だった。
重賞を勝ち切るまでは苦しい馬ばかりで、決してレベルの高いメンバーとは言えないが、今回の札幌記念は例年に比べて一枚レベルが落ちるメンバー。
ここでも争覇圏であることは間違いないだろう。



◆函館記念（函館芝2000／古馬Ｇ３）


50.1　→　47.9（35.9）　10頭　良

12.6　11.8　12.7　13.0　12.9　11.9　12.0　11.9　11.7　12.3

１着　2.02.8　35.2　07-06-06-06　57.0　エリモハリアー
２着　2.03.0　35.6　05-04-04-04　52.0　ロフティーエイム
３着　2.03.0　35.1　07-08-08-09　57.0　サクラメガワンダー
４着　2.03.1　36.0　02-02-02-02　57.5　アドマイヤフジ
５着　2.03.1　36.2　01-01-01-01　56.0　マイソールサウンド

過去の函館記念

2006年　47.9　→　51.8（39.4）　2.05.1　稍重
2005年　48.2　→　47.8（35.7）　2.00.7　良
2004年　47.3　→　49.1（36.8）　2.00.6　良
2003年　48.1　→　47.9（35.9）　1.59.9　良

同日の３歳未勝利（芝2000）の前半４ハロン通過が48.2秒、上がり４ハロンが50.4秒で、走破タイム２分04秒ジャスト。
前傾、後傾の違いはあるが、前後半４ハロンの時計は、３歳未勝利戦とほぼ同じ。
このときの未勝利戦を勝ったボーテセレストは、次走でラブカーナから0.4秒差の４着だから、決して低レベルなレースではなかったが、古馬の重賞が３歳未勝利戦と比べてわずかな時計差というのは・・・。

ちなみに、昨年の函館記念の走破タイム２分05秒１は、その前日に行われた３歳未勝利戦の２分05秒４と、わずかコンマ３秒差だった。
この函館記念を勝ったエリモハリアーは札幌記念で５着、２着馬エアシェイディはオールカマーで５着、３着マヤノライジンは札幌記念４着、４着馬アスクジュビリーはみなみ北海道Ｓ10着と、上位陣は次走でことごとく馬券圏から姿を消している。

今年を含めた過去５年の函館記念で、上位陣が次走も馬券圏内に好走を果たしたのは、2004年（クラフトワーク、ファインモーション、ワイルドスナイパー）と2003年（エアエミネム、アサカディフィート）のみ。
年によって馬場状態が違うとはいえ、良馬場なら遅くとも２分00秒台の時計は欲しいところだ。

そのボーダーラインを、２秒も下回った今年の函館記念。
やはり、上位陣の過信は禁物だろう。



◆七夕賞（福島芝2000／古馬Ｇ３）


47.7　→　48.6（36.6）　16頭　良

１着　2.00.3　35.7　11-12-13-05　57.0　サンバレンティン
２着　2.00.5　35.7　16-16-16-15　55.0　アドマイヤモナーク
３着　2.00.6　36.3　04-06-04-05　56.0　ユメノシルシ
４着　2.00.7　36.1　11-12-13-10　57.0　ヴィータローザ
５着　2.00.7　36.8　02-02-02-02　54.0　ニホンピロキース


過去の七夕賞

2006年　47.3　→　48.6（36.8）　1.59.3　良
2005年　46.7　→　49.8（37.3）　2.00.4　良
2004年　48.8　→　48.0（36.4）　2.01.7　稍重
2003年　48.1　→　48.2（36.4）　2.00.7　良


走破タイムは、同日に行われた古馬500万クラスの芝2000（２分02秒０）を、約２秒上回っている。
下級条件との比較からは、函館記念を一歩リードしている七夕賞だが、だからと言って決してレベルが高かったわけではない。

走破タイムこそ、今年を含めた過去５回中、２番目に速い時計をマークしたが、その内容は平凡。
前半４ハロン通過47.7秒は、稍重だった2004年を除くと、過去５回中３位。
後半４ハロン48.6秒も、2006年に並ぶ３位タイで、過去の当該レースと比べて優秀とは言いがたいだろう。

今年は、３着馬ユメノシルシが新潟記念を制し、５着馬ニホンピロキースが小倉記念で２着に好走。
しかしその一方で、２着馬アドマイヤモナークが新潟記念で６着、ヴィータローザが小倉記念で５着に敗れており、レベルの判断が難しいところだ。

七夕賞で３着以内に入った馬が、その年の札幌記念に出走したのは、過去10年で３頭しかいない。
2002年のイーグルカフェ（七夕賞１着 → 札幌記念８着）、コイントス（七夕賞３着 → 漁火Ｓ１着 → 札幌記念３着）、2000年のサクラナミキオー（七夕賞３着 → 函館記念４着 → 札幌記念６着）の３頭。
時計の出やすい福島や新潟に比べて、芝が重く時計がかかる札幌では、同じ芝2000でも問われる資質がまったく異なるため、七夕賞と札幌記念ともに好走を果たすには、よほどオールマイティな能力を、高い水準で備えていなければならない。
それこそ、2002年の夏を境に重賞で馬券に絡みまくり、ついには有馬記念３着に至ったコイントスのような馬に限られる。

基本的に福島と札幌はリンクしない要素が多く、さほど高いレベルを示さなかった今年も、七夕賞組から積極的に馬券を買うのは避けたほうが賢明か。
もし仮に、七夕賞上位馬が札幌記念で３着以内に入ったとしたら、その馬は有馬記念までマークする必要があるかも・・・？



◆クイーンＳ（札幌芝1800／古馬牝Ｇ３）


48.1　→　46.5（34.7）　12頭　良

１着　1.46.7　34.7　01-01-01-01　55.0　アサヒライジング
２着　1.47.0　34.8　04-03-03-02　52.0　イクスキューズ
３着　1.47.0　34.0　11-12-12-11　55.0　ディアチャンス　
４着　1.47.0　34.4　08-08-10-06　55.0　アドマイヤキッス
５着　1.47.1　34.6　07-05-08-06　55.0　フサイチパンドラ


過去のクイーンＳ

2006年　46.2　→　48.5（36.3）　1.46.7
2005年　47.5　→　47.5（35.8）　1.46.7
2004年　47.8　→　47.5（35.6）　1.47.5
2003年　48.8　→　46.3（34.1）　1.47.7


昨年、クイーンＳで３着だったレクレドールが、札幌記念でも２着に好走。
他にも、勝ったデアリングハートが府中牝馬Ｓも制し、５着馬チアフルスマイルもキーンランドＣを制したように、昨年のクイーンＳはハイレベルな戦いだった。

そして、2005年。
２着馬ヘヴンリーロマンスは、続く札幌記念、さらに天皇賞秋と２連勝でＧ１ホースとなり、５着馬エルノヴァも、次走のオールカマーで３着に入った。

さらに、2004年。
勝ったオースミハルカは、次走の府中牝馬Ｓを制し、エリザベス女王杯２着。
２着馬エルノヴァは、府中牝馬Ｓこそ５着に敗れたものの、続くエリザベス女王杯で３着。
３着馬ヤマニンシュクルは、秋華賞で２着、エリザベス女王杯で４着に健闘した。

2004年と同じ走破タイム１分47秒後半の決着でも、前半48.8秒の緩い流れだった2003年。
このときの上位陣は、オースミハルカ、ファインモーション、テイエムオーシャン、ダイヤモンドビコーという錚々たる顔ぶれだったが、その次走はことごとく振るわなかった。
このレースを最後に引退したテイエムオーシャンは仕方ないにしても、勝ったオースミハルカは秋華賞６着、ファインモーションは毎日王冠７着、テイエムオーシャンは引退し、ダイヤモンドビコーはオールカマー６着と、１頭も馬券に絡めていない。

近年、札幌記念での活躍が目立つクイーンＳ組だが、その好走条件は第一に、走破タイム１分46秒〜47秒前半であること。
そして、前半４ハロン通過が、遅くとも47秒台後半であること。
今年は、走破タイムこそクリアしているものの、前半４ハロン通過が48.1秒。
確信を持って好走を約束できる数字ではないが、レース全体のレベルは昨年、一昨年に匹敵する高さを示している。

１、２着馬が前で粘り、４、５着馬が好位から抜け出して上位争いに加わったのに対し、ディアチャンスはほぼ最後方から直線だけで３着まで追い上げた。
当然、上がり３ハロンは文句なしにメンバー１位で、５番手から上がり２位の末脚で抜け出したマーメイドＳを含め、札幌記念への適正を十分に見せ付けたと言えるだろう。



◆エプソムＣ（東京芝1800／古馬Ｇ３）


48.3　→　47.6（35.8）　18頭　稍重

１着　1.48.3　35.3　06-06-04　56.0　エイシンデピュティ
２着　1.48.3　35.1　07-06-08　56.0　ブライトトゥモロー
３着　1.48.3　35.3　05-04-04　56.0　サイレントプライド


過去のエプソムＣ

2006年　46.9　→　49.8（37.1）　1.49.2　重
2005年　47.3　→　47.4（35.1）　1.46.6　良
2004年　48.6　→　46.9（34.7）　1.47.9　稍重
2003年　46.2　→　49.2（36.7）　1.47.7　稍重


梅雨の時期に開催されるせいか、良馬場で行われることが少ない。
今年も例外ではなく、稍重発表でのレースとなった。
近４年で稍重だったのは、2003年と2004年だが、どちらも１分47秒台を叩き出している。
同じ稍重でも含水率に幅があるので、厳密にどの年が優れているかは分からないが、雨中の重馬場だった昨年よりわずか0.9秒しか差がないのは物足りないところ。

３着馬サイレントプライドは、勝ち馬と同じ位置から同じ末脚を使ったにも関わらず、４角８番手からメンバー最速の上がりで飛び込んできたブライトトゥモローにも差された。
直線が長い府中では、後方からの追撃に屈してしまったが、今回は小回りで直線の短い札幌。
このときのように、すんなり４〜５番手につけることができれば、札幌の重い馬場も手伝って、最後まで粘り込めるかもしれない。


まだ、他にも過去レースを検証したかったのですが、どうにもこうにも眠いので、今日はここまでにしたいと思います。
結論は、また改めて明朝にでも発表します。