司法書士試験オンラインゼミコミュの平成２１年度司法書士試験を終わって

　昨日は平成２１年度の司法書士試験でしたね。受験された皆様はお疲れ様でした。

　どんな問題が出題されたかは，まったく聴いていないのでわかりませんが，速報で自己採点された方の点数は，１次が高め，２次は例年並み。書式はやや難しかったというところでしょうか？

　まあ，出題される分野によっても得意不得意は多少あるので仕方がないですね。毎年，似たような問題が出題されるとは言われておりますが（だから過去問を勉強するように受験指導される）実際は，見たことも無いような形式や判例，先例がでてくることもしばしば。

　僕が合格した平成１２年度の試験は，解答不能の問題が１次択一では半分くらいでした。
　不動産登記の書式も解答がナンとでもとれる問題。

　当時の大手予備校の３校の解答速報が半分以上違っていました。

　そんなことあるのか？といまの受験生のみなさんは思うかもしれませんが，過去にも未来にも多分，こんなことは１度しかなかったのではないかと思います。

　当時は，問題集の持ち出しはできましたが，解答は発表されないし，成績表もなし。そういう意味では合格した人も落ちた人もいまひとつ理由がわからなかった年でした。

　自分的には，答案練習会の成績がかなり良かったので，なんとなく消化不良で受験を終わりましたが，でも合格できていて本当によかったです。

　父母や友人など，支えてくれた方々には，本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。

　受験の当日，近くのお稲荷さんにお参りに行ったのが効いたようです。
あのお稲荷さんは，お参りするとご利益があるようです。
本当に感謝。


　昨日の結果は間違いなく出ている訳ですから，これからどう生活するのかは，よくお考えになっておいたほうが良いかもしれません。

　解答速報で自己採点して落ちたか合格したか予想される方は多いようですが，
良くても悪くても結果がでるまでは，わかりませんので，何もしないと合格発表までの3ヶ月間が無駄になってしまいます。


　僕は，早めに，受験勉強を再開することをお勧めしています。

　受験２回から３回以内の短期合格者のみなさんは，この時期も勉強されているケースが多いようです。３ヶ月何もしないで，不合格が決まってから勉強するのは非常にスタートが遅くなり，せっかく記憶した時効を忘れることも多々あります。

　今年の試験で，受験生活は終わりと決めている方は，勉強する必要はありませんが，不合格の場合でも来年もがんばるという方は，１週間ぐらいはのんびりして，再来週くらいから再開することをお勧めします。

　この時期の3ヶ月間は，民法や会社法，民事訴訟法などの試験に出そうな理論的な部分について基本書で勉強しておくと良いでしょう。細かい知識より，制度の趣旨とか解釈をよく勉強すると良いと思います。

　実務について思ったことですが，判例が中心と言いながらも，最高裁判決がなくて確定していない争点などもちらほら出てきます。そういうときに簡裁代理や裁判書類を作成する場合に有る程度の基礎的な法律的素養というものは，日頃から鍛えられていないと良い準備書面はかけないように思います。

　ほんとうは，現役の司法書士も，もう一度，一から勉強したほうが良いんだよなあ。ほんとうに受験の知識は役に立つ！！

　そういう意味で受験勉強と数年間の講師生活で，仕事をするための素養はかなり付けさせていただいたかなあと思っています。　

　合格することは皆さんにとって大切なことですが，それは，「司法書士」という看板を勝ち取る為の競争。ラーメン屋の看板と同じです。看板だけだしてもお金にはなりません。

　本当の司法書士という職業は，登録してからが勝負。

　開業して暫くは，仕事がないのは当たり前。
　他の司法書士の先生が不動産屋や銀行と長く付き合っているから相手にしても　らえないのも当たり前。
　債務整理も過払金返還請求も貸金業規制法の改正により，まもなくなくなるの　も当たり前。

　　
　なかなか，現実はきびしいです。

　でも，その現実を乗り越えていけるかどうかは，みなさん次第ということでもあります。

　「合格」＝「収入」ではありませんので，くれぐれも，お間違いないように。
　がんばってください！！