近衞家は、摂政・関白となって天皇を補佐することができる五つの摂関家(五摂家)の筆頭として、宮廷貴族の頂点に位置する家です。その祖先は朝廷の重職をしめた藤原氏の嫡流であり、平安時代、道長の代にいたって全盛期を迎えます。その道長の日記である『御堂関白記』は千年の時を越えて伝えられた、現存する世界最古の自筆日記であり、その不朽の価値によって、2013年6月、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界記憶遺産(Memory of the World)に登録されました。登録後、九州初公開となる本展覧会では、道長自筆本14巻のうち6巻を公開します。