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したり映画帖コミュの2014年3月上半期

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コミュ内全体


3月1日(土)
『秘花〜スジョンの愛〜』00
コリアンエロス風のタイトルでも、れっきとしたホン・サンス作品。
モノクロ、断章形式。
童謡のような和音構成の楽天的な音楽で開巻。
脱力感を誘う。
描かれる事は、いつも通りボーイ・ミーツ・ガールの原則を忠実に、性懲りもなく、ここでいつもの様相が2パターンあるかのように描かれる点が特徴となる。
今回は“処女性”がテーマのひとつ。
韓国でもやはり処女信仰があるようで、それに翻弄される男たちが描かれてゆく。
だから、いつものように性交したり、しなかったりという展開にはならない。
処女の女性がヒロインなので、やるか、やれないかが今回の筋となる。
美術関係の仕事をする青年と映画監督の中年男のふたりが主人公。
どちらも芸術関係のいわゆる文化人。
だけど、一般人とまるで変わりないように生活者として描く。
そこに監督の世界観が反映される。
現実では後に、自殺してしまったイ・ウンジュンがヒロインとしてオールヌードを披露する点が見どころ。説明も何も一切ないまま、一つの場面が2通りの語り口で提示される。
視点の違いが協調される。
誰の見方(視点)を信じていいのか判らなくなる。
それが監督の狙いと理解する。
立場や男女によって真実なんて変わってしまう。
そこに残るのは事実だけなのだ。凍った川でデートするシーンがとっても美しくリリカルである。喧嘩の仲直りとしてふたりは初めて結ばれる。
そこに処女喪失の情緒的盛り上げはなく、トリュフォーの『恋のエチュード』よろしくシーツに残る破瓜の血痕を執拗に感動する男を滑稽に描いてみせる。
数少ないクローズアップが生タコの蠢くショットにズッコケる。(96点)

『女は男の未来だ』04
ホン・サンス。
カラー作品。
『オールドボーイ』の犯人役の人気男優が出演、インディペンデント界のプロデュサーMK2のマラン・カルミッツが制作に絡んでいる。
だからなのか、いつもより予算があるようだ。
それでも何も変わらない。
勾配のきつい坂道の多い冬の町を眼鏡の男がぶらりやって来る。
この男は『よく知りもしないくせに』の主役男優だ。
眼鏡男優と先の人気男優がヒロインを奪い合う。
男ふたりが対面する、人物を横から捉えた構図が三角関係の物語とリンクする。
眼鏡男はヒロインの元恋人。
人気男優は眼鏡の後輩である。
眼鏡男はヒロインを見捨ててカナダへ留学する。
独りになったヒロインは後輩とつきあいを始める。
印象的なのは、兵役帰りの幼馴染に強姦されたヒロインの女性器を、主人公の眼鏡が執拗に洗浄する場面だ。
男の嫉妬深さが見えてくる。
それなのに簡単に留学してヒロインは見捨てられてしまう。
ヒロインへの思いを男ふたりは回想する。
その間も、料理店のウェイトレスにちょっかいを出したり、ウィンドウ越しに見える寒い路上に立つ若い女性に目がいったりする始末である。
ふたりは思い切って、今は水商売をしているらしいヒロインに会いにゆく。
泥酔した眼鏡はヒロインに謝罪しまくった末ベッドイン。ヨリを戻す。
そんな様子を見ていた後輩(人気男優)はソファアでふて寝。と思わせながらも寝入った先輩の隙を見てヒロインにフェラチオを求めた揚句こちらもベッドイン。
ヒロインは素敵な尻軽女なのだ。
ヨリを戻した眼鏡とヒロインは、後輩を残してどこかに出かける。
でも、実は眼鏡は、ヒロインと後輩の仲に気づいている。
口論の末あっさりヒロインを見捨てて立ち去ってゆく。
後輩は偶然会った学校の教え子たちと一緒に呑みに出かけ、その一人の女生徒と一晩を過ごすが口止めされて映画は終幕。
男たちの成長や変化はない。女性も同様。
アメリカン・ニューシネマ的だ。
少し自己言及的な気がする。
ホン・サンスも天狗になったか。
最高傑作か、難解作品か、分岐点となるような作品だ。(78点)

3月2日(日)
『拳銃の報酬』59
56年制作の同名作品とは全くの別物。
B級犯罪ものと知って侮るなかれ。
何故かミュージシャンのハリー・ベラフォンテが制作・主演している。
脚本にエイブラハム・ポロンスキー、監督はロバート・ワイズと冴えたスタッフ陣が顔を揃える。
物語は当時のB級ものならではの銀行強盗を企む三人組の男たちの話。
老練の男にロバート・ライアン、だが、人種差別的な思想の持ち主である。
これがドラマの要となる。
計画は、元警官の男をリーダーに進行するが、ひょんな事からライアンとベラフォンテがいがみ合い、結局強盗は失敗に終わってしまう。
その失敗をライアンの偏見が生んだものだと、ベラフォンテは復讐を誓う。
リーダーの元警官が射殺の憂き目に遭ったからだ。
ライアンを追い詰めるベラフォンテ。
ふたりは、キャグニーの『白熱』の如く、ガスタンクの爆発と共に死亡する。
残った遺体は白人なのか黒人なのかも判らない程無惨に黒焦げになっているのだった。
上手い。
というか凄い。
素晴らしい皮肉の効いたラストだ。
赤狩りに遭ったポロンスキーの面目躍如である。(95点)

『interviw インタビュー』00
ピョン・ヒョク監督。
やられた、失敗した。
アジア初のドグマ95の作品だとの触れ込みで期待したが、フランス帰りのカッコつけな野郎だった。
ただドグマの冠を利用したかっただけなのだろう、と勘繰らせたくなるくらい愚作なのだ。
主人公は映画監督で、通行人のただの素人にインタビューして映画にしようというイカした企画を実践する。
陰険なキアロスタミにはならない。
純でナイーヴでチェリーボーイな発想である。
さらにイカすのは主人公がタルコフスキーから映画(芸術)の啓示を受けたらしいエピソードが挿入される。
だから欠かさず主人公はタルコフスキーの墓石の写真を大事持っている。
冒頭いきなり、スタッフたちが映画のプロローグについて『レザボア・ドッグス』よろしく駄弁を費やす。
その際タルコフスキーから啓示を受けた主人公は会話に参加しない。
何せ芸術家なのだから……。
ってホントにダサい。
ジョン・ウーぐらい勘違いしたカッコつけは、突き抜けてて笑う余地がある。
でも、真面目なバカのカッコつけはどうにもならないくらい、手の施しようがない。(14点)

3月3日(月)
『ハハハ』10
男ふたりが酒を酌み交わす。
先輩と後輩のふたりである。
後輩は『気まぐれな唇』の主演男優。
『殺人の追憶』に都会から派遣された刑事役を演じている役者だ。
もう一人の先輩はホン・サンス作品の常連。
『次の朝は他人』の主演や『よく知りもしないくせに』の友人役の俳優だ。
本作では鬱病の詩人役がおかしい。
断章形式のように男ふたりが四方山話風に駄弁を費やす。
1エピソードを語り終える度に「乾杯!」と酒を呑む。
漢詩や漢文の世界だ。
ああ見えて、ホン・サンスはトリッキーな技もよくこなす。
緻密な計算がされている。
武骨なセックスに見えて実はテクニシャン。
本作は、酔っぱらいのふたりが語るエピソードが、実はふたりに直接的・間接的に絡んでいるというのが妙味となる。
乾杯する男たちのシーンが静止画で示される。
まるで「ボラギノール」のCMみたい。
タイトルの「ハハハ」はハングル語でも同じ。
笑い声を表す。
全くやる気の見えないタイトルだ。
真面目に映画を観にきた岩波の常連オバさんなら怒りで卒倒しそうだ。
一見ふざけているようにしか見えないホン・サンスの姿勢はババアやジジイをなぎ倒す。
頼もしい。
映画は、結婚を決意した後輩が、横恋慕できた相手に振られ、一方で先輩は、不倫相手との結婚を親族から承諾を得る。
このふたりが酒を酌み交わしていたのだ。
「ハハハ」と笑うふたりの意味合いが変わってくる。
それでも「乾杯!」と酒を呑み続けるのだった。(98点)

『大いなる遺産』98
アルフォンソ・キュアロン監督。
ディケンズの有名原作を脚色して現代に甦らせる。
原作の内容を詰め込み過ぎて、忙し過ぎる印象は否めない。
原作を活かした昔風の設定が本作を映画化した理由なのだろうが、やはり現代では浮いてしまって上手くいっていない。
浮世離れし過ぎだ。
ミステリアスな役どころの女優ふたり、アン・バンクロフトとグウィネス・パルトロウは時代を現代に移したのならもう少し描き方で活きたと思われる。
古い屋敷に物の怪のように棲みついている妖婆バンクロフトは正に時代から取り残されたかのような生活ぶり。
これはまだいいい。
パルトロウは幼少の頃から思わせぶりで、主人公の少年が水飲みしていると不意に舌を入れてきて主人公を青年になるまで悩ませる。
青年になってもやはり思わせぶりに主人公を誘う。
馬鹿らしい。
色情狂の気質のある金持ち娘っていうことだろ。
ディープ・キスを美しく綺麗に撮るあざとい意匠。
絵描きの設定である主人公なら、きっと裸婦像を描くスケベ場面があるだろうって思っていたら案の定。お洒落に、芸術風に原作をこなす。
結局、ふたりは結ばれてしまうラストに至って本当にアホらしくなった。
唖然、茫然。
反吐が出そう。
どうもキュアロンとは相性よくないようだ。
『トゥモローワールド』は大好きなんだけどな。
『ゼロ・グラヴィティ』は未見。(40点)

3月4日(火)
『アヴァンチュールはパリで』08
悲劇的でドラマチックな音楽で開巻。
舞台はいつもの韓国を離れ、パリへと移動。
でも展開する内容は不変不動。
パリでも同国出身の留学生の女学生を口説く所はドメスティックなセコさ。
男をよく御存知で。
主人公は、『ハハハ』の主役にも似ているが初めて見る男優。
体格よく背も高いのは『ハハハ』の役者に酷似。
コネや業界事情等もあるだろうから色々役者を試しているようだが、個人的には『気まぐれな唇』の役者が気に入っている。
監督自身も同様の体格・体型でそっくりなのだ。
主人公と腕相撲を取る北朝鮮の留学生役で『教授と私、そして映画』の主役がコメディ・リーフとして登場。
前夜は南北問題について互いにぶつかり合ったのに腕相撲では意味なく和解する。
そこに何か意図を読みとろうとするのは無粋だ。
結構、ホン・サンスは腕相撲が好きなのだ。
『よく知りもしないくせに』でもやっている。
それをパリでもやっているだけなのだ。
わざわざパリくんだりまで来て韓国と同じ事をする。
この土着性。
そういえば、パリでもフランス料理に舌鼓を打つ訳でもなく、いつもと同じ韓国料理を啜っている。
この普段着感覚がホン・サンスの味噌なのだ。
友人関係の留学生ふたりから好意を持たれる主人公にきっと両方と寝るだろうと予感させるが、ひとりの評判悪いコケティッシュな方だけにゾッコンになる。
そこがまた、面白い。
海辺のホテルで一晩過ごすが、ゴムがないと女性はセックスを拒む。
それがフリとなって女性の妊娠の告白に繋がるが、主人公はその場限りの調子のいいことを言って、最後に韓国の妻の元へと帰ってしまう。
パリの女性には戻ってくると固く約束したはずなのに。
主人公がパリに戻ると、昔の元カノが自殺した話を聞く。
物語前半にパリで再開した元カノである。寝ようとしたのに主人公が拒んだ相手だ。
誰とでも寝る訳ではない。
たまたま昔の元カノとセックスをしなかっただけなのだが、その女性があっさり自殺しまう。
あのときは元カノを思って執った行動だったのに。(92点)

『悪徳』55
クリフォード・オデッツ原作、ロバート・アルドリッチ監督。
ヴェネチア映画祭では銀獅子賞受賞のバックステージもの。楽屋オチとも呼ぶ。
オデッツが原作なので相当曲のあるドラマが、ほぼ屋敷内を舞台に展開。
密室劇となる居間では段差をつけた高低差の演出が冴える。
演出や美術、キャメラワーク等への工夫は凝らされているが、物語は冗長な感じ。
ジャック・パランスの長台詞の熱弁シーンも途中でだれる。
戯曲的過ぎるのだ。
アイダ・ルピノも主人公を困らせる正論吐く良き妻という図式的な演技を見せるだけだ。
アルドリッチを持ってしてもこのやっかいな原作を昇華できなかったようだ。(55点)

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