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したり映画帖コミュの『フットルース』(‘84)

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監督:ハーバート・ロス、出演:ケヴィン・ベーコン、ロリ・シンガー、ジョン・リスゴー、ダイアン・ウィースト、クリス・ペン、ジェニファー・ジェイソン・リー

“ケヴィン・ベーコン数”というものがあるらしい。詳しくは知らないが、ケヴィン・ベーコンのコミュニティの広さを示す指数という。ベーコンと共演した者はベーコン数1とする。ベーコンと共演したことのない者であっても、ベーコン数1(ベーコンの共演者)の者と共演したことのある者はベーコン数2となる。それでいくとほぼすべての現役の役者はベーコン数3以内に収まるというのだ。役所広司はベーコン数2で三輪明宏でもベーコン数3らしい。原理は数学者が別の指数で編み出したものということだが、恐るべしケヴィン・ベーコンってところだ。

そのベーコンが役者として注目されるきっかけとなったのが本作である。初めにことわっておくがかなりの駄作である。お話にも無理があって、都会から田舎に引っ越してきたベーコン青年が保守的な町で禁止されているダンスの解放運動に立ちあがるという青春もの。恋人(ロリ・シンガー)の父親が当のダンス禁止令の主導者の神父(ジョン・リスゴー)で対決しないといけないといのが物語のアヤとなる。いま思うと古臭くウソ臭い。だから、いまでは誰も振り向くことはない。ゴールデン洋画劇場でテレヴィ初放送された際にベーコンの吹き替えが、当時トップアイドルだった“マッチ”こと近藤真彦だったことが懐かしい思い出話として話題にのぼるくらいだ。ラストの「みんなぁ、踊ろうぜ!」というマッチのド下手なアフレコがギャグとして都市伝説化しているが、本作自体のことはまず語られることはない。

監督のハーバート・ロスからして凡庸で、日本でいうと降旗康男のように人柄だけで映画を撮れているのだろうと想像させるほど凡作の名人。戯曲家ニール・サイモンと交流が深いようだけど、『ファニーレディ』(‘75)『グッバイガール』(‘77)『愛と喝采の日々』(‘77)も陳腐でつまらない。功績を挙げるとするなら、『グッバイガール』ではマーシャ・メイスン[『オードリー・ローズ』(‘77)『ハートブレイク・リッジ』(‘86)『ニック・オブ・タイム』(‘95)]を、『愛と喝采の日々』ではバレエ界の亡命スター、ミハイル・バリシニコフをブレイクさせたことには貢献している。どうやら役者にとっては福の神のようだ。ベーコンのその後の活躍も、ハーバート・ロス作品に主演したお陰かもしれない。ベーコン数が凄いのもロスの仕事に関係できたからかもしれない。ベーコンはロスに足を向けて寝られない。

しかし、なんといっても本作がいまだに残滓のように記憶に澱んでいるのは、ケニー・ロギンスが唄ったテーマ曲のお陰だ。日本にちょうど流れだしたMTVの洗礼をどっぷり浸かった世代には大ヒットしたあのテーマ曲のフレーズを脳味噌から消し去ることは難しい(いまもマックのCMで使用されている)。かくゆう私のカラオケの十八番でもある。そして、恥を忍んで告白するなら、私はロギンスの『フットルースのテーマ』のミュージッククリップを真似て深夜の体育館裏で独り踊り狂った経験がある。当時MTVで『フットルース』のミュージッククリップを見まくり映画の公開日を待ちきれなかった私は、『フットルース』のサントラがはいったクロームハイポジのカセットテープをウォークマンでかけて誰もいない体育館裏や実家の畑に囲まれた暗い裏道へたびたび踊りにでかけた。まさに本作の、深夜の無人の工場でダンスを禁止されたやりきれない気持ちを独りダンスにぶつけるベーコンの気分だったのだ。ケニー・ロギンスの判り易いキャッチーなロックは、田舎の中学生には最高にノリノリの曲だった。ロギンスの髭面の理由が美形すぎるので女を寄せつけないためだと、姉からしたり顔で解説を受けたときも、かっこええ!とシビれるナイーブ(かっぺ)な感性の持ち主だった。だが、そんな私を映画『フットルース』はみごとに裏ぎる。

公開初日にサッカーの練習を終えたその足で私はジャージ姿のまま映画館の夕方の回に駆けこんだ。オープニングでまずロギンスのテーマソングが流れ、様々なひとのダンスするそれぞれの足元(シューズ)が映しだされたところはノリノリだった。しかし、あの深夜の工場の独りダンスのシーンに差しかかったとき、ひどい違和感を覚えた。ベーコンの身体能力を駆使した体操選手のような素晴らしいダンスはあった。もしかして『フラッシュダンス』(‘83)のジェニファー・ビールスのようにダブル(吹き替え)かもという不安はよぎったが、それはそれでもよかった。私の違和感とは、幾度となく繰り返し観た、ロギンスの曲でベーコンが苛立ちを深夜のダンスにぶつけるというミュージッククリップにあったあのシーンに、なんとムーヴィング・ピクチャーズの『ネヴァー』が使われていたからなのだ!日本ではあのピンクレディーのミーがMIEとしてカヴァーした曲だ。それじゃあ話が違う……。私が練習(?)したダンスはロギンスの曲に合わせたもの。けっしてボニー・タイラーの『ヒーロー』と曲を混同しやすい『ネヴァー』であってはならないのだ。私は怒りを通り越して茫然とスクリーンを見ていた。詐欺だ・・・・・・と呟いた。それからはどこかできっとロギンスの曲で踊りまくる最高な瞬間があることを待ち構えた。いつでるかいつでるか。が、待てども暮らせども気配がない。とうとう先述したマッチの「みんなぁ、踊ろうぜ!」のオリジナル版のラストの台詞がベーコンの口から響いてしまった。ダンスシーンも少なかった。ガッカリだった。そんなせいもあってか、すがるような気持ちで併映のコッポラの『ランブル・フィッシュ』に救いを求めた。こっちは不良っぽいマット・ディロンの袖なし黒Tシャツに黒リストバンドやダイアン・レインの大人びた色香にシビれた。初めて観た“モーターサイクルボーイ(バイクボーイ)”ことミッキー・ロークのニヒルなたたずまいに衝撃を受けた。興味はあっさりと『ランブルフィッシュ』一色に切り替わることができた。『フットルース』で受けた裏ぎりと傷心を『ランブルフィッシュ』で癒した。地方の二本立て興行が私を青春の挫折からなんとか立ち直らせた。

マーク・シンガーの妹、ロリ・シンガーや怪優ジョン・リスゴー、アメリカの三益愛子ことお母さん役者のダイアン・ウィースト、まだガリガリだったクリス・ペンにジェニファー・ジェイソン・リーなどのちに話題となる役者がかなり出演している。なのに、現在これほど無視されているのは、きっと当時私と同様の苦い経験をした若者が多かったからに違いない。と、妄想する。こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か!メラメラ〜。

本作で最高の瞬間を見せるのはやはりケヴィン・ベーコンだ。それはミュージック・クリップにも使用されているベーコンが体操選手さながらに両手で階段手すりを滑る場面。そこでは見まごうことなきベーコン自身がスタントなしのワンカットで演じてみせている。だからなのか、メチャクチャ真剣な表情が見られる。ちょっとビビッてさえいる。ドラマ上の役を越えた、キャラクターの感情の流れを逸脱した、ハリウッドでは禁忌されているドキュメンタリーな相貌がそこにはある。それが素晴らしい。本作の一番いいショットだ。その表情はその後のベーコンの活躍を予感させる、なんて美化しようとは思わない。失敗して階段から転げ落ちたらどうしようというハンパないベーコンの緊張感がドラマに貢献もしないで、ただ映っているのがいい。それをOKカットにしたハーバート・ロスの演出家としてのボンクラさを立証せしめてもいるワンカット。恐るべしケヴィン・ベーコン!

ちなみに、現在『フットルース』のリメイクが進行していると聞く。とりあえず昔ヒットした作品をネタがなくて作り直しているハリウッドの疲弊ぶりが再認識させられる。ケヴィン・ベーコンは制作に名を連ねているとも聞く。カメオ出演するのか?だったら観にいってやってもいい。きっと果たせないであろう二十うん年ぶりの復讐である。今度こそロギンスの曲で踊ってくれよ、ベーコン!


http://www.youtube.com/watch?v=eJucow_kmpk

コメント(5)

すいません・・上記文章を今ファミレスで仕事しながら(ってしてねーじゃねーか!)読んでいますが、1人で含み笑いをしていて、凄く変な奴になっています。
>日本でいうと降旗康男のように人柄だけで映画を撮れているのだろうと想像させるほど凡作の名人。
↑笑いましたw上手いだか下手なんだか良く分からない。降旗康男のチョイスは言い得て妙!
『ふっとるーす』っちゅうよりもケニー・ロギンスが好きだあ〜っていう、イイ話やね。
わしゃあ、ボニー・タイラー「ヒーロー」が好き。PV良かったぞ。胸ポチしてるかも?

>もちさん

コメントありがとうございます。
80年代に青春を過ごしたわたくしどもは哀しいかないまだそのダサさを払拭しきれておりません。
言葉使いやイメージするもんまで、最悪なのは台詞をいまのひとはこんな風に言わない、しないと言われたことにはショックでした。

>せんきちさん

ありがとうございます。
政治家とか企業にも降旗康男やハーバート・ロスみたいなヤツがおりますなあ。

>バーチーさん

↑まだ観てませんが、ムチを振るうヤツですか?
ぼくは『ネヴァー』も好きです。
でも、ロギンスは『デンジャー・ゾーン』より『フットルース』なのだ。
追記

確か『ヒーロー』はチキンレースで使われて、ダンスはしなかったですよね?
どうでもいいうろ憶えですが。

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