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日記ロワイアルコミュのメグミ

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コミュ内全体

「ただいまー。」

『あら、おかえりなさい。』

僕が会社から帰宅すると、メグミが出迎えてくれた。何故だかは分からないが、どうやらメグミには僕が帰ってくるタイミングが分かるらしく、毎日必ず玄関で待っていてくれる。

『今日もお疲れ様。』

そう言って、器用に僕のネクタイを外してくれる。僕は思わずその手に目を奪われた。…あぁ、何てキレイな…メグミの手には先日出来た傷が治らずに残っていたが、それすらも完成された芸術品のように思える。その透き通るように白いメグミの手を眺めていると、今日一日の疲れが消えていくような、そんな気がした。

どんなに嫌な事があっても、家に帰れば全てを忘れる事ができる。家にはメグミがいてくれる。それが今の僕の全てだ。



メグミと一緒に住みだしたのは一週間ほど前の事になる。だからまだお互いに新しい環境に慣れてはいないのだが、それはそれで刺激的で素晴らしいと思えた。この、むず痒いような恥ずかしいような何とも言えないような感覚。今までこんな気持ちになった事はない。やはり僕にとって…メグミにとっても…お互い、相手の事が「特別」だという事だろう。

一緒に住みだしたのはつい最近の事だが、メグミとは元々知らない仲ではない。2人が知り合ったのはもっと前、そう、1年くらいは遡るだろうか…。



当時、僕が足しげく通っていた駅前のパン屋にバイトとして入ったのが、メグミだった。そのときのメグミはまだ高校生で、第一印象は快活な笑顔が何とも気持ちの良い女の子。僕は、人生で初めて一目惚れ…目の前で花火が弾けるような…というものを経験した。

それからというもの、仕事中も家にいる時もヒマさえあればメグミの事を考えるようになった。自分でも頭がどうにかなったんじゃないかと、変な心配をした事もある。ただ、メグミへの想いは募るばかりで、とうとうメグミに声をかける事にした。

元来、女性が苦手で彼女なんて出来た事のない僕にとって、それは人生を掛けた一大決心だったのは言うまでもない。しかしもう、メグミに気持ちを伝えないと身体が爆発してしまいそうだった。

初めて声をかけた時の事は鮮明に覚えている。バイトが終わったメグミを待って「ご飯でも行きませんか」と声を掛けた。

冷静になって考えてみれば、恥ずかしさのあまり耳を塞いで座り込みたくなる。自分の名前も名乗らずいきなり「ご飯でも…」だなんて。困らせるに決まっているのに。いや、どんな女の子だって怖がるに決まってる。ただ、その時の僕は残念ながら、余裕なんてものは持ち合わせていなかった。

はたして、メグミからはやんわりと断られた。メグミの、困ったような苦しい作り笑いに僕まで悲しい気持ちになった事は、忘れられない思い出の一つとして今も心に刻まれている。

しかし、一度目は失敗したものの、それからも僕のアプローチは続いた。友達も多いのだろう、メグミは数人で帰る事も多くなかなか一人でいる事がない為、声を掛けるのも一苦労だった。

やっとの思いで声をかけてもけんもほろろに拒否されるなんて事もあったけど…今となっては…こうして一緒に住んでいるんだから、人生なんて何があるか本当に分からないものだ。

過日の僕が今の状況を知ったら、きっと腰を抜かすだろう。



『ご飯はどうするの??』

台所から聞こえてきたメグミの声で、揺蕩う意識を現実に引き戻された。

「今日は食べて来たから、晩ご飯はいらないよ。」

そう言いながらTVの電源を入れる。どこのチャンネルも同じようなニュースばかりでつまらない。なぜ毎日変りばえの無いニュースばかり…多少の苛立ちを覚え、テーブルの上にリモコンを置いた。

ふと台所を見ると、丁度物陰からメグミの足が見えた。すらっと伸びた彫刻のような足。一体、今までどれだけの男性の目線を集めた事だろう。軽い嫉妬を覚えた…が、それも直ぐに消えた。だって今では…。

「今日はもうお風呂に入って寝るよ。」

そう言って、立ち上がると

『あ、じゃあ私も一緒に入る!!』

メグミがそう答える。僕の家のバスルームはユニットで、しかも飛び切り狭い。だから2人でシャワーを浴びるのも窮屈な作業なのだが、メグミとは一緒に身体を洗うのが日課になっていた。



服を脱いでバスルームに入る。掃除を怠っている為か、床にぬめりを感じた。メグミに掃除をしてもらおうか…いや、次の週末に僕がやろう。メグミにはそんな事、させちゃダメだ。メグミには今だって充分、僕を癒してくれている。これ以上を望むなんておこがましい。

ふいに、メグミのお尻が視界に入った。小さく、きゅっと上がったお尻。毎日一緒に入っているのに、いまだに赤面しそうになる。あまりじろじろとは見ないようにした。メグミに嫌われでもしたら大変だ。



お風呂から上がると、メグミの身体を拭いてあげた。胸を拭いてあげていた時に『ちょっと変なところばっかり拭かないでよ』とメグミがおどける。全く…僕はいつもメグミの手の上で転がされてばかりだ。だけどそんな二人の関係も悪くない。僕だってメグミの事は何でも知っているんだから。



服を着て寝室に向かうと、メグミは布団からちょこんと顔だけ出して、早く早くといった感じで僕を待っていた。僕はメグミの隣に横になると、いつものように髪をなでてあげた。

『今日も一緒に手を繋いで寝よ??』

表情を変えないクールなメグミ。だが、寝る時はいつも甘えん坊になる。

「うん。分かったよ。」

そう言って僕は布団の中をもぞもぞとメグミの手を探す。しかし、はて、どこにも見当たらない。

そこでハッと気が付いた。



「そっか、玄関だったっけ。」



僕は仕方なく布団を出て、玄関へと向かう。



メグミは部屋を出て行く僕を、さっきと変らぬ表情でじっと見つめていた。





消し忘れたTVでは、女性アナウンサーが淡々とした声で原稿を読み上げている。

「…失踪から一週間、現場の状況から何らかの事件に巻き込まれた可能性が高いとみられており、鈴木恵さんの捜索は今もなお…」




『あぁ…メグミ…可愛いよ…僕の…僕だけの…メグミ…』

コメント(197)

一票・・・こ、怖い!アタフタ(((;゚д゚))))アタフタ
怖い怖い怖いexclamation ×2
でも何度も読んでしまいました…。
一票です。
予想はしてたけど、文章がうまい手(パー)
一票

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