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メダカのある情景★コミュの◆運動性エロモナス感染症について◆

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『運動性エロモナス感染症について(概要)』

■魚病学上の分類■

 細菌病

■症状■

 初期感染時には、食欲が減退し、行動が鈍くなる。
 細菌の主な感染場所が腸であることから、外見上判らないが腸炎を起こしている場合が多い。


 症状が進むにつれ、外観上下記の症状がみられる(右・中央画像参照のこと)。

?体表上の皮膚等に出血が確認できる(赤斑病)
   ※ひどくなると潰瘍になる
?眼球が突出する(ポップアイ)
?お腹がふくれる=腹水がたまる(腹水症)
?全身若しくは一部の鱗が逆立つ(松かさ病・立鱗病)

 このほか、病原菌が血液中にはいると敗血症を起こしたり、そのほか内臓では肝臓等に異常が起きたりするが、主に我々が運動性エロモナス感染症だと認識するのは上記?〜?の外観上の症例に依る。
 感染後は、罹病魚の死亡率が高く、回復は困難だと言われているので、罹らないようにすることが最も重要であるし、その認識は必要である。

 また、誤解なく言えば、ポップアイにせよ腹水症にせよ立鱗病にせよ、必ずしも運動性エロモナス菌の感染に依るものとは限らないので、注意されたい。


■原因■

 水中常在菌の運動性エロモナスが、水質の悪化・魚体の弱体化に伴い感染する。

 水中常在菌であるので、通常どこにでもいる。
あまりにもどこにでもいるので、この菌に対する特異な免疫等は少ないと言われる。

条件性病原菌と呼ばれる「条件が揃えば−例えば先述した水質の悪化や魚体の衰弱等−発症する病原菌」である。

 運動性エロモナスはその種類が多数にのぼり、現在17種6亜種の分類がなされているが(右図参照)、これについても問題点等々議論されており、改変される可能性高し。
 魚体に限らず人間等にも感染することが知られ、その際は腸炎等が発症すると言われている。
 多くの種のうち、世界各地の病魚から分離されているから、運動性エロモナス感染症の主要原因種はA. hydrophila subsp. hydrophilaだと考えられている

(つまりは、よく一般的に言われるエロモナス・ハイドロフィラ)。



★このトピはあくまで情報整理用ですので、コメントはお控えください★

コメント(12)

■特徴?■

○運動性エロモナスは、グラム陰性であり、
 短棹菌ないし棹菌で、単極毛で運動する。

○通性嫌気性細菌である。
 (酸素があろうがなかろうが活動する細菌)

○発育可能温度は5〜40℃、最適温度は28℃前後である。

○発育可能pHは6〜11、至適pHは7.2〜7.4である。

○発育可能塩分濃度は0〜4%、最適塩分濃度は0.5%付近。
■特徴?■

またこの菌は、下記にあるエラスターゼ、エノラーゼ、プロテアーゼ、溶血素、エントロキシン、S層タンパク質、ブドウ球溶解菌酵素などの酵素or毒素を産出することが知られており、これらをもって寄生した生物の組織を破壊し、栄養素を得ていると考えられている。

★プロテアーゼ★
タンパク質を分解する酵素。これにより細胞破壊。
様々な種類があるが、このうち皮膚等の組織にあるエラスチンを破壊するのがエラスターゼという。

★エントロキシン★
下痢や嘔吐を起こす毒素。
運動性エロモナス感染症の場合、立鱗では鱗基部、ポップアイでは眼球、腹水症では腹部にそれぞれ水がたまることから、水や電解質等の透過を促進するタイプのエントロキシンと考えられる。

★溶血素★
赤血球の細胞膜に作用して破壊、細菌の増殖に必要な鉄を得る。

★エノラーゼ★
解糖系の酵素で、細胞骨格に対する結合・熱ショックタンパク質の活性化等の働きがあり、様々な病気において重要な役割があると言われる。

★S層タンパク質★
細胞壁に存在するタンパク質で、宿主細胞への接着や免疫系の攻撃からの回避に関係するといわれる。
■予防法■

本症例も他の症例のご多分に漏れず、原因となる菌が水中に常在すると考えられ、魚が健康なら感染しないもの(条件性病原菌)であるため、日常のケア(水質・水温等)に気を付けておくのは勿論のことです。

特に、腸に関連しやすいことから、古くなった餌を投与することは厳禁です。

また、よく聞かれるのが底砂を巻き上げて水換えを行った後の発症したなどの話です。これは運動性エロモナスに限らず色んな病気の原因になりうるので、絶対しないこと。

発症した魚の隔離は、その病魚の保有する運動性エロモナスの毒性が強くなっていることから、当然である風のごとしです。


二次感染の際の発症症例であることも多く、他の病気になっているときは留意されたし。
■治療法?■

グラム陰性細菌であるため、オキソリン酸系の治療薬が有効とされる。
オキソリン酸は水温が20℃以下であると吸収が緩慢で、25〜30℃で最も魚の体内への吸収が盛んになるといわれている。
このほかサルファ剤やフラン剤もグラム陰性細菌に効果的と言われており、これらはオキソリン酸とは作用機順序が異なるため併用可能。


具体的にいうと、オキソリン酸含有の市販薬でいえば

パラザンD、グリーンFゴールドリキッド等

が治療薬としてメジャーなのでする。
この時、上述したように水温に留意したい。

また餌にパラザンなどを混ぜて与えるのも効果的だと言われる。
■治療法?■

『ココア浴』

民間療法として有名なのが『ココア浴』で、金魚のサイトが発信だそうです。

当のHPを見ることが出来ませんでしたが、

『ココア浴』はヘリコバクター・ピロリ(いわゆるピロリ菌)にココアが有効だとされた事が発端のようです。

作用機序は提唱された方のコメントを拝見できなかったので、断片的な情報を元に構築すると、


ヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)が胃等に付着する際にウレアーゼという因子を使用して本来酸性の強い消化器で中和反応を局所的に起こし、そこに付着するという仕組みがあるのですが、ココアに含まれるココアFFA(遊離脂肪酸)のうち、オレイン酸とリノール酸が、ピロリ菌が張る中和障壁(表現が微妙だなw)を通過して、菌にダメージを与えるというもので、付着できなくなった菌を、ポリフェノールによる整腸効果よろしく体外に排出するという効果があるらしい。

だとして、同様にアルカリ性の障壁をはる運動性エロモナスにも同じ作用機序が働くのではという推論をもとに実行したところ、効果が抜群だった


ということのようです。

私は使用したことがないので判りませんが、効果があったという報告を色んなサイトで見かけるので、参考に記載しておきます。

ここで使用されるココアは無糖のものが推奨されていますが、これはおそらく糖によって病原菌を含めた細菌バランスを著しく崩すおそれがあるためと推測されます。

ネットで散策すると使用量は

『30Lに小さじ一杯の無糖ココア』

だそうで、ココアだけの治療や、ココア+パラザンDなどの手法が散見されました。
これらは、実際の作用機序に対するエビデンスがないのが現状であるので、行うなら自己責任で行ってください。



【参考文献】
■魚介類の感染症・寄生虫病
■新魚病図鑑
■月刊アクアライフ2006年11月号
■Wikipedia(ピロリについて参考)
■その他ココア浴は諸々散見
久しぶりに山本モナ思い出した笑
怖い病気だな

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