　巨匠　【モノクロ限定】コミュの黒澤映画4本一気にやります。

この場所を借りてちょっと告知させてください！

2/27（土）に黒澤明監督4作品を一挙に上映します。作品は「酔いどれ天使」「用心棒」「天国と地獄」「生きる」。場所は成東文化会館のぎくプラザ。1部2部入替でチケット500円。AM10:00~。お近くの方はぜひいらしてくださいね～。

酔いどれ天使（1948年）98分　10：00～
黒澤さんの親友、谷口千吉の　「銀嶺の果て」でデビューした三船の二作目かな。このとき編集を担当していたのが黒澤さんで、そのぎらぎらした野性味に惹かれ自身の次回作でに抜擢。黄金の黒澤-三船コンビの誕生の瞬間です。死期の迫ったやくざ役です。ものすごい印象だったみたいです、当時。若くて破天荒な演技は、三船さんが新宿を歩いていると本物のやくざが道をあけたとかいう伝説が残ってます。

用心棒（1961）110分　11：50～

冒頭の野良犬が腕をくわえて走る場面から始まって、とにかくめちゃめちゃ面白いです。醤油で煮〆たような飯屋の親父の東野英治郎がすっごくいいです。これを観ないのは一生の損ってもんです（笑）個人的にはぼこぼこにされた後の英気をやしなう養生シーンがとても好きです。

天国と地獄（1963）143分　14：30～

でました！サスペンスのお手本ともいうべきものすごい映画。エド・マクベインの原作からは子供の取り違えというアイディアを拝借しただけのほとんどオリジナルともいうべき作品。前半の密室劇から身代金受け渡しの列車のシーンへの静と動のダイナミックさにめまいがするくらいです。これを観なくして黒澤を語るなかれ！

生きる（1952）　143分　17：00～
すべての公務員は観るべし！って言われております（笑）胃がんを宣告された主人公は自分の人生を見つめなおします。個人的にはハッピーバースディが流れるシーンには打ちのめされました。最近見た岩井俊二の「花とアリス殺人事件」でもオマージュされててびっくりしました。あとお通夜のシーンはすごいです。必見！

というわけで、映画を好きになったきっかけが黒澤作品に出逢ったからなので、実に思い入れのある上映会になります。すべて35㎜フィルムで上映します。ブルーレイやDVDで観る機会はあっても35㎜フィルムで大スクリーンで観るのはその美しさ、質感がまるで別物です。ぜひこの機会を逃さず、ご自分の目で黒澤体験をなさってみてください。きっと圧倒されることでしょう。お近くのかたは是非。お近くでないかたも是非。

コメント(2)

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[1] mixiユーザー 02月18日 18:18

　いいですねぇ。近くだったら、是非行きたかったです。

　四作品の中では、『醉いどれ天使』が一番好きです。演出も、カメラワークも(粗いではなく)荒い感じだし、主役二人の演技もイマイチ(特にこの頃の志村喬の、舞台芝居の延長線上にあるような演技過剰ぶりは、『七人』辺り以降の彼の演技と比べると別人‥)。にも関わらず、演出者の、人間に対する、熱く温かい眼差しのようなものを、強く感じさせられるのです。
　人間に対する、熱く温かい眼差しというのは、黒澤作品全般を通じて言える事かもしれませんが、作品全体に荒削り感がある事で、かえってそれらが浮き上がって来易いのか、私にとって、ファインダーの此方側にある黒澤監督の眼差しを、この映画程直接的に感じさせられる作品はありません。
　『野良犬』『醜聞』辺りにも、同様なものを感じますが、『醉いどれ天使』に比べると、随分と映画的に洗練されている印象を受けます。それ位、この作品が、荒削りとも言えますが、監督の投影～分身とも言うべき、闇医者の暑苦しい台詞に辟易としながらも、強く惹かれてしまうのです。
　　　

[2] mixiユーザー 02月19日 00:39

>>[1] コメントありがとうございます。千葉の田舎ですけど、いちご狩りついでにいかがですか

ストロベリー街道が有名なんですよ

確か黒澤監督は「野良犬」あたりから自分なりのスタイルが出てきた…みたいなことをどこかで語っていたような気がします。この4作品からは少し離れますが、私が黒澤さんの真摯な眼差しと硬質な生真面目さを最も感じるのは「素晴らしき日曜日」ですね。貧しいカップルが日曜をいかに過ごすかっていう話ですが、35円しかないお金をどう使って有意義に過ごすのかっていうある意味お金が減っていくサスペンスと二人の未来という縦横の軸の使い分けが素晴らしいと思いましたが、黒澤作品としては実に異質なものも感じます。主人公がいきなり観客に語り掛けるところなんて、「うわぁ～っ」って思うのですが、なにかほとばしるものも感じます…。このプログラムに「素晴らしき日曜日」が入っていたらよかったんですけど…。

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