SONTONコミュのフランス大使館グループ展「5th Dimension」

2010: 5th Dimension Odyssey

日本でアートといえば、家一軒買ってもおつりがくるほどの高額作品やアイドル並みの人気を博すアーティスト、はたまた地域活性を声高にうたったアートプロジェクトなどを端緒として、いつの間にやらキラキラと輝く花形ジャンルになりつつある。そうした「万人に親しまれる」アートの眩い煌めきを横目に、古い木造一軒家を改造した吉祥寺の小さなアートスペースArt Center Ongoingでは、日夜「イカレタ」表現が躍動し続けている。ここに立ち現れる作品たちは一見、穏和な親睦を拒否しているようでさえある。そのスタンスは「意味不明」「独りよがり」「不親切」など、至れり尽くせりのこのご時世においては非難の対象ともなろうが、お手軽に消費できるアートばかりでは物足りなくはないですか？　ということで、本展『5th Dimension』では、Ongoingに集うアーティストの中でも、選りすぐりの「イカレタ」表現者を紹介しようと思う。おフランス大使館が舞台だからといって、お行儀良いのだけが日本のアートだと思ってもらっては困るのです。消化不良よろしく、容易には追いつけない表現世界の数々を存分にご覧いただきたい。
狂気の映像を武器に世界の虚無と立ち向かう山本。一度味わったら抜け出せない日常の深い落とし穴的空間を作り出す柴田。くだらない行為の連続で無意味という意味を執拗に追求する東野。絶対的な孤独に満ちた深海の静寂をまとう時空を描く小川。詩的で神聖、凛とした立体をその手から生み出す早川。和田の表現はダイナミックという言葉では到底括れるスケールではありません。小林は日用品に新しい生命を吹き込む魔術師。川西・徳倉によるユニットSONTONの圧倒的なキッチュさは、見る者から理屈を奪うだろう。そして有賀によって召喚されるのはいつだってこの世のものとは思えぬ黄色い絶景だ??。
本展のタイトル『5th Dimension』とは、5次元を意味する。そこから２段階も低い次元に生きる我々の理解や認識を遥かに超えた世界。旧フランス大使館別館の4階にその得体の知れぬ時空間が広がる。されどアートとは人智を超えてこそアートなのだから??ようこそ2010年5次元の旅へ。

Art Center Ongoing代表　小川希

◎Art Center Ongoing Presents「5th Dimension」

■会場
旧フランス大使館別館4階

■参加作家
有賀慎吾、小川格、小林史子、柴田祐輔、早川祐太、東野哲史、山本篤、和田昌宏、SONTON

■開催日時
2010年1月22日（金）～1月31日（日）
入場：無料

22日（金）16:00～22:00
24日（日）、28日（木）10:00～18:00
23（土）、29（金）、30（土）10:00～22:00
31日（日）10:00～16:00

※25日（月）、26日（火）、27日（水）は休館

1月22日（金）18:00～　オープニングパ?ティー
（招待制、参加希望の方はinfo@ongoing.jpまで）

■アクセス
フランス大使館
東京都港区南麻布４－１１－４４

東京メトロ日比谷線「広尾駅」1番出口より徒歩7分

http://www.ongoing.jp/5th.html