ジャケットのイメージがそのまま展開されたかのような、サイケ・ポップの傑作が誕生! 60〜70'sなシンセ類やハモンド・オルガン、エレキ・シタールなどを用いたアナログ・モダンなサウンドが、仄暗く妖しい音像の中に見え隠れする様は万華鏡のよう。本作の主人公であるアポロ・ノーヴェはナサォン・ズンビやプラネット・ヘンプとの共演、またオットーやシベーリのプロデューサーとしてブラジル音楽シーンで広く活躍するキーボーディストだが、カールハインツ・シュトックハウゼンからハワイアンまでを呑み込んだそのサウンド・センスは、ジャンルを越えて幅広いリスナーに聴かれるべきもの。ディープだが重くなりすぎることのない世界観もラウンジ・ファンの評判を呼ぶことは間違いなさそうだが、BGMとして使用するにはあまりにもミステリアスでトリップ度の高い一枚だ。〈声の人〉セウ・ジョルジやシベーリの参加も華を添えている。(reprinted by bounce.com)