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偽装請負/多重派遣/個人事業主コミュの『日本の雇用と労働法』(濱口桂一郎著:日経文庫)

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コミュ内全体

本コミュニティのどこかのトピックで、メンバーの方が、表記の書籍を紹介していたので、読んでみました。感想を率直に申し上げると、「この本はもっと早くに読んでおけばよかった」という感じです。この本における主張のもっとも瞠目させられたところは、日本の社会における「雇用」とは、「ジョブ契約」ではなく「メンバーシップ契約」であるという指摘です。例えば日本型雇用システムにおける賃金制度の特徴は、年功賃金制度だと言われていますが、本質的なことは、それが職務に対応した賃金ではなく、企業へのメンバーシップに基づいた報酬であるということです。

この「メンバーシップ」というキーワードから、日本における労働の現場の様々な特質(奇妙なものも含めて)が読み解けるような気がします。例えば、日本では転職する(勤める会社を変わる)ということがおおむね非常に不利だが、それがなぜなのかが推察できるような気がします。すなわち、日本の社会では、個々の職場が、その特有のメンバーシップ共同幻想でバインドされた「ムラ社会」なのです。このため、人が転職した場合、その人が属していた古いムラ社会から、転職先の新しいムラ社会へと移るということになります。このため、新しいムラ社会のメンバーシップ共同幻想になじむのに困難が伴う場合があり、これが転職のハンディキャップになるということなのではないでしょうか。

また、この本でも触れていますが、日本ではなぜ労働者が過労死するまで働くことが起こるのかという問題が、「日本の労働の現場はメンバーシップ型社会である」ということから読み解けるとしています。すなわち、「メンバーシップ型社会では、死なない程度のギリギリまで長時間労働することが長期的にはもっとも合理的な選択となる」(P140)と言うのです。

ついでに言うと、サービス残業の強要も、「メンバーシップ型社会」から読み解けるのではないでしょうか。つまり、「あなたもこの会社を支えるメンバーの一人なのだから、苦しい経営を支える一員になってくれ」ということなのではないでしょうか。

さらに、偽装請負がなぜ起こるかの一因も「メンバーシップ型社会」から読み解けないことはないと思います。つまり、人(労働者)を偽装請負で就労させる経営者は、その労働者に、事業所内就労させるときに、「事業所内に入れることによって、疑似メンバーシップを与えている」ぐらいのマインドなのではないでしょうか。

しかし、ここには重要な問題が介在しています。それは日本では、「雇用契約はメンバーシップ契約」がその実態だが、法律的にはこの解釈は完全に間違いだということです。「なぜなら日本国の民法は明文で、雇用契約を労働に従事することと報酬の支払いを対価とする債権契約と定義しているからです」(P36)。つまり、日本では、「雇用契約はメンバーシップ契約」という実態と、民法や労働法における、債権契約で解釈する法理念体系とがダブルスタンダードになっているわけです。

参考のため、以下に目次をお示しします。みなさんの感想を募ります。

【目次】

[菊本型雇用システムと労働法制]
1―日本型雇用システムの本質とその形成
(1)メンバーシップ契約としての雇用契約
(2)日本型雇用システムの形成
2―日本型雇用システムの法的構成
(1)ジョブ契約としての雇用契約
(2)メンバーシップ型に修正された労働法制
(3)就業規則優越システム

[]雇用管理システムと法制度
1―入口―募集・採用
(1)新規学卒者定期採用制の確立
(2)日本型採用法理の確立
2―出口―退職・解雇
(1)定年制の確立
(2)日本型雇用維持法理の確立
3―人事異動
(1)定期人事異動の確立
(2)人事権法理の確立
4―教育訓練
(1)企業内教育訓練の確立
(2)公的教育訓練政策

[]報酬管理システムと法制度
1―賃金制度と人事査定
(1)年功賃金制度の確立
(2)人事査定制度
(3)賃金処遇と判例法理
2―労働時間と生活・生命
(1)労働時間規制の空洞化
(2)仕事と生活の両立
(3)過労死・過労自殺問題
3―福利厚生

[]労使関係システムと法制度
1―団体交渉・労働争議システム
(1)労働運動の展開
(2)ジョブ型労使関係法制のメンバーシップ型運用
2―企業内労使協議システム
(1)工場委員会から労使協議会へ
(2)労使協議法制への試み
3―管理職

[]日本型雇用システムの周辺と外部
1―女性労働者と男女平等
(1)女性労働の展開
(2)男女平等法制への展開
2―非正規労働者
(1)臨時工から主婦パート、フリーターへ
(2)非正規労働法制の展開
3―中小企業労働者

[]日本型雇用システムの今後
1―雇用管理システムの今後
(1)日本型採用システムの動揺
(2)継続雇用政策の動揺と雇用維持法理への疑問
(3)配置転換法理(勤務地変更)の動揺
2―報酬管理システムの今後
(1)賃金制度の今後
(2)実労働時間規制の導入へ?
3―労使関係システムの今後

コメント(7)

トピックのトップには「イイネ!」がつけられないんですか。

そのような本が紹介されていることは気がつきませんでした。

おっしゃる通り、日本の会社は本来「メンバーシップ契約」です。
「封建制度」と言ってもいいのかもしれません。それも、ヨーロッパ型ではなく日本型の。

個人は会社に所属し、会社に奉仕する。
会社は社員を守り、生活を保障する。

社員はお金のためもあるが、むしろ会社に貢献するために努力をする。

会社への貢献度の積み重ねが給与その他に反映されるので、年功序列になりやすい。
100の成果を出す一年目より、70の成果を出す三年目の方が二倍以上会社に貢献しています。

こうして、「会社」という「社会」が一つ構築されるわけです。

今は、単に労働力を売買しているだけです。それが正社員でも。
会社は、社員の何も保障しません。
会社におけるメンバーシップ幻想も、全く悪いということはないと思います。問題は、そのメンバーシップ幻想の中身であり、質であると思います。その事業体の経営者やその部署のマネージャーの人格や見識が重要ですね。良いメンバーシップ幻想なら、団結力やチームワークの源泉になることでしょう。しかし、現状は、中世の封建社会かやくざ社会に毛が生えただけ程度のものも多々あると思います。
>>[1]

>おっしゃる通り、日本の会社は本来「メンバーシップ契約」です。
>「封建制度」と言ってもいいのかもしれません。それも、ヨーロッパ型ではなく日本型の。

殿下さんが「封建制度」という言葉を導入されたことにとても興味を覚えました。この言葉から、私は福田恒存の『日本を思う』という本の次のような記述を連想しました。

−−
私がくりかえし述べてきたことですが、近代日本の弱点は、その封建制にもとづくのではなく、ひとえにその似非近代性にもとづくものなのであります。つまり性急な近代化、無批判的な近代化、そこに混乱の原因があるのです。けっして封建日本の、あるいは日本人固有の弱点ではありません。そのことをもっと本質的にいえば、「近代」とか「西洋」とかいうことを安易に口にするひとたちが、まだ西洋の近代というものを真につかんでいないということになります。(P64)
−−

福田恒存が「似非近代性」にどういう意味を込めているのかはよく分かりません。しかし福田は「封建制」という言葉に、鎌倉時代、武家社会が成立したころの日本に源流をもつ古典的な意味での封建制をイメージとしてこめているかもしれません。

そうだとすると、日本の今の企業の職場社会の封建制は、そういう古典的な意味の封建制ではないことはほぼ間違いないと思われます。実態はなんといいますか、もっと胡散臭い、形がはっきり定まらないものなのではないでしょうか。その胡散臭さを「似非近代性」という言葉に込めているような気がします。

私がこのコミュニティで提起した某特許事務所での偽装請負体験との関連で説明してみますと、私を偽装請負させた特許事務所の経営者は、私に対して漫然と「上司然」とした態度をとっていたのですね。ところが、偽装請負は「雇用」ではないのですから、偽装請負労働者は、特許事務所の組織の一員としての法令上の地位はないわけです。組織の一員に組み込まれていないのだから、組織のメンバーの誰とも「上司/部下」の関係にはなっていないわけです。このため、「上司然」とした態度をとることは失礼であり矛盾になると思います。

では、「組織の一員としての法令上の地位がない人に対し、なぜ上司/部下的な態度がとるのか」という矛盾を説明する方法として、この『日本の雇用と労働法』が提唱する「メンバーシップ契約」または「メンバーシップ幻想」のキーワードが使えるような気がするのです。「メンバーシップ契約」または「メンバーシップ幻想」も、福田恒存的に言えば、「似非近代的幻想」なのではないでしょうか。
>>[3]
福田恒存氏の理論なるものの紹介ありがとうございます。

説の中の「封建日本」というのが日本の武家社会に於ける封建制度を指していると思われますし、そうなると「封建制度」というのは西洋の封建制度という言葉を日本古来の制度にあてはめて近代西洋風に考えたもの、という認識になるのでしょうか。

日本古来の封建制度では報酬はあくまでも主人に守られている一つの形式であり、報酬契約に基づく近代西洋の封建制度とは似て異なるものでしょう。

現代日本の封建制度は雇い主は労働者を何一つ守りません。労働報酬契約ですら守ろうとしません。
日本古来の封建制度で近代の労働形態を築いてきた者にとっては「労働者は会社のために奉仕する」のが当然であり、会社に過度な労働報酬を求めるのはタブーとされてきました。
そのため、単純な労働契約だけの現代日本の封建制度に於いても「余計な報酬を求めるな」という空気が残っています。
古来日本の封建制度でもなければ近代西洋の封建制度でもない、「似非近代性」の現代日本の封建制度、
と言ってもいいのかもしれません。

どちらにせよ、現代日本の封建制度に明日はありません。
>>[4]

>日本古来の封建制度では報酬はあくまでも主人に守られている一つの形式であり、報酬契約に
>基づく近代西洋の封建制度とは似て異なるものでしょう。

全くおっしゃるとおりだと考えました。で、またまた、殿下さんのこの指摘を拝見して連想した本があります。それは中根千枝という人が書いた『タテ社会の人間関係』(講談社現代新書)という本です。

この本は1967年に書かれた日本人論のいわば古典です。以前に久しぶりに読み返してみました。時代の推移とともに本書の内容もやや実情にあわなくなっているようなところはありますが、日本人社会の骨格部分においては、著者中根千枝氏の主張はいまだに成り立っているところが多数あります。このことは、日本人社会が、この本が書かれた1967年ごろからほとんど変化することなく今日に至っているということですね。私はそこに、自己変革することができない日本人の悲しさを感じ取ってしまうのです。

中根千枝氏は、朝日新聞のインタビューに応えて「タテ社会」とは、上位下達の権力社会(このトピックの文脈では「封建社会」)のことを指すのではない、と言っているようです。むしろ、中根は「タテ社会」そのものを批判しているのではなく、日本の社会、とりわけ日本の職場社会において、タテ社会的な人間関係の形しか存在しないことに対して問題提起をしているようです。逆にいえば、社会のいろいろな局面において、タテ社会的な形やヨコ社会的な形が、織物の糸のように多様に表れ、その社会に現れる様々な問題に対して様々な対応力を見せる柔軟で適応性のある社会を理想としているのではないでしょうか。

この本を読み返してみて、私は懸念することがあるのです。それは日本人は、とりわけ職場社会において、タテ社会的な人間関係のモデルしか持っていないのだとすると、そのような人間関係観しか持たない人が海外に出てグローバルに活躍できるのだろうかということです。一部の教育行政関係者などが、「きたるべきグローバルビジネス社会の到来に備えて、中学/高校にTOEFLを導入せよ」などと提言していますが、グローバルビジネスマンを養成したいなら、英語学習を強化する前に、多様な懐の深い人材を育成することが先決なのではないでしょうか。

【目次】

1.序論
2.「場」による集団の特性
3.「タテ」組織による序列の発達
4.「タテ」組織による全体像の構成
5.集団の構造的特色
6.リーダーと集団の関係
7.人と人との関係
このトピックの冒頭に、「日本の社会における雇用とは、ジョブ契約ではなくメンバーシップ契約である」という著者の指摘を紹介させていただきました。この意味するところの具体的な例が思い浮かばない、という方もいらっしゃるかと思います。で、そういう方のためにドンピシャの具体例が最近のmixiニュースに登場しましたexclamation ×2

そのニュースとは、世界遺産・仁和寺の宿坊元料理長の男性が、長時間労働で抑うつ状態になったとして、寺に約4700万円の損害賠償を求めた裁判で、京都地裁は、「極めて過酷ともいうべき長時間労働」だとして、この料理長の男性に対して約4253万円の支払いを命じたというニュースです。

ここで私が注目してみたいのは、もしこの仁和寺の宿坊の元料理長が、寺の住職と「メンバーシップ契約」ではなく、「ジョブ契約」をしていたら、この元料理長の置かれていた労働環境はもっと「まとも」なものだったのではないだろうかということです。つまり、この元料理長の「ジョブ」は、文字通り宿坊の料理長です。僧侶たちに提供する食事を作るという職務に当たる労働者として労務提供しているわけです。だからこの国の法律によって労働者として保護されるべきだということになります。

ところが、このお寺の住職(料理長の雇用主)は、料理長の立場を、「みほとけにお仕えする僧侶たちの修行を食生活の面から支える仲間(メンバーの一員)」というとらえ方をしていたのではないでしょうか。このため、寺の住職には「雇用主責任」、「使用者責任」の自覚があいまいになったと推察されます。

*************************************************************************
■仁和寺「349日連続勤務」「残業240時間」、ブラック職場はなぜなくならないのか?
(弁護士ドットコム - 04月26日 10:41)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=149&from=diary&id=3965342

世界遺産・仁和寺(京都市)の宿坊元料理長の男性が、長時間労働で抑うつ状態になったとして、寺に約4700万円の損害賠償を求めた裁判で、京都地裁は4月12日、「極めて過酷ともいうべき長時間労働」だとして、約4253万円の支払いを命じた。

報道によると、男性は2005年、料理長に就任した。2011年には月140時間以上の時間外労働が常態化し、月に約240時間になったり、349日の連続勤務もあったという。2012年に抑うつ神経症と診断されて、2013年には労働基準監督署から労災認定を受けていた。

「349日連続勤務」だなんて想像するだけでもおそろしい状態だ。一般的に連続勤務に関する規制はどうなっているのだろうか。また、なぜブラック職場はなくならないのか。今泉義竜弁護士に聞いた。

●現状は「36協定」もない職場が野放し

「そもそも原則として、使用者は労働者を1日8時間、週40時間を超えて働かせることはできません。週1日または4週間で4日の休日を、労働者に取得させることが労働基準法で義務付けられています。

ただ例外があります。典型的なのは、『36(サブロク)協定』です。この労使協定を結べば、使用者は労働者に残業・休日労働を命じることが可能になります。厚生労働省は労使協定で定めることのできる残業の限度時間を1か月45時間、1年間360時間と定めています。

36協定を締結して、時間に応じた残業代を支払うことで初めて、協定の範囲内での時間外労働や連続勤務が適法となるのです」

では今回の仁和寺の宿坊では、その36協定があったのだろうか。

「今回のケースは、そのような労基法に定められた労使協定の手続きすら経ずに、連続勤務をさせていました。仁和寺に限らず、労使協定を結ばずに長時間労働を強いている企業は無数にあります。明白な労働基準法違反です。

ただ、実際には、実効的な取り締まりが十分にはなされていません。労基法違反の罰則は軽く、労働基準監督官の人手不足の問題も深刻だからです。特に労働組合がないような職場では、個人が残業代の支払いを求める裁判を起こすなどしない限り、違法が正されないままブラックな働き方が野放しになってしまっています。

仁和寺の349日連続勤務は異常ですが、同じような過酷な長時間労働を強いられている労働者はたくさんいます。今回の判決自体は、労基法に照らして当然の結論というべきものです。さらに私たちは、このような働き方が野放しになっている社会構造の問題を直視しなければなりません」
上のニュースの文面の続きです。

−−
では、どうしたらこの問題は解決できるだろうか。

「労働組合が協定に基づいて労働時間を制限するのがベストです。ただ、労働組合のない職場も多い現状においては、やはり労働時間の上限を厳格に規制すること、連続した休息時間を法律でしっかりと労働者に保障することが必要です。

36協定にも、実は『特別の事情』を理由として厚労省の定める限度時間を超える残業を可能にする抜け穴があります。このような規制の抜け穴をふさぐとともに、規制を実効のあるものにするための罰則の抜本的強化や、現場の監督官の体制強化といった取り組みも不可欠です。

現政権は裁量労働制の拡大など労働基準法の規制緩和を進めようとしています。しかし、仁和寺のようなケースを防ぐために必要なのは、規制の強化です。先日、野党4党が長時間労働規制法案を提出しました。このような動きに注目すべきです」

今泉弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
今泉 義竜(いまいずみ・よしたつ)弁護士
2008年、弁護士登録。日本労働弁護団事務局次長。青年法律家協会修習生委員会事務局長。労働者側の労働事件、交通事故、離婚・相続、証券取引被害などの一般民事事件のほか、刑事事件、生活保護申請援助などに取り組む。首都圏青年ユニオン顧問弁護団、ブラック企業被害対策弁護団、B型肝炎訴訟の弁護団のメンバー。
事務所名:東京法律事務所
事務所URL:http://www.tokyolaw.gr.jp/

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