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伊藤整コミュのよろしくどーぞ

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よろしくどーぞ

mixiユーザー 2005年03月11日 13:24

伊藤整が好きすぎて作っちゃいました。
北海道の雪の景色にうっとりとするあなたは大歓迎。

☆

冬の詩三篇

１
かすかな嵐の音がする。
夕暮五時
風がそうつと　雪のくぼみや木の根にまつはり
凍てついた道を越えて
冷たく硝子戸をならす。
まだ明りはつかず　女は薄暗い台所に急がしく
黒い外套の人が
帰りついて戸口をあける。
街ではかなしい豆腐売の笛がなる。
夕方鋭い空気のなかに
遠くで　心の及ぶ限りの遠くの野で
風が林に入る音だよ。

２
山がなる　山がなる
谷も道も平らになって
雪が真白に　小さな生き物みたいに狂つて降る。
その中に時折見えるのは
すつかり裸になった落葉樹の林だ。
母よ　硝子と言う硝子には
白く雪がかかり
いつ夕暮がやつて来たのか
時計は漸く四時をうつたが
貧しい洋燈の灯をともそ。
畳の古んだ部屋で
兄弟はみな炬燵に入り
母は台所で夕餉の膳の支度をする。
弟よあの音をきけ
あの吹雪を。
こんな晩はみんな早く寝るのだよ。

３　武田教授の言葉から
でもね　やがて桜も咲くし
たんぽぽも咲きますよ
あの雪が消えてしまふと
一面に黄色になつて
おてんと様と雲雀とが
夢を見合っているやうな日が続きますよ。
まあ　それまでお待ちなさい
それは夢のやうに来ますよ。

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