米国、南NJ州クリスチャン教会コミュの永遠の生命

永遠の生命。
マルコ10:13-22.

イエスが道に出て行かれると、一人の人がイエスのもとに走り寄って、永遠の生命にいたる道について尋ねました。この人は青年であり（マタイ19:20）ルカによれば役人ですが（ルカ18:18）彼はたくさんの資産をもった金持ちでした。＜役人＞とは、政治的役人でなくユダヤ教の教会役人のことです。

この人は社会的地位と豊かな財産とに恵まれた、幸せな青年でした。彼はこの世において幸せを手に入れていながら、心は満たされていなかったのです。いくら沢山のものを持っていても、さらに沢山持っている人を見ると、羨ましくなり、人間はいくら持っても、それで満足することはありません。いつも不平不満をもっているのはその為です。

この青年が、イエスのもとに走り寄ったと言うことは、物質的な豊かさによっては、決して満たされない、彼の心のおくにある魂の飢えかわきが、どんなに痛切なものであったかを示しています。今の自分の生き方はこれでよいのだろうか。このまま、幸せな一生をおくって、死んだらどうなるのだろうかと言うようなことを考えると、喉の渇いた人が泉を見付けて駆け寄るように、イエスのもとに走り寄ったのです。
人間にとって、本当に大切なものを真剣に求めるこの真面目な青年に対して、イエスはお答えになりました。私たちもどんなに物質的な豊かさや幸せに生きていても、やはり、死とか永遠の生命と言ふような、理性では解決出来ない問題に対して、無関心ではおれないのではないでしょうか。

財産や、地位や、健康と言ふような、生きている間しか価値を持たない物を超えた、永遠の価値を求めることなしには、人生そのものが空しく、無意味なものになってしまいます。この青年が求めた＜永遠の生命＞とは、この肉体の生命がいつまでもつずくと言ふ不老長寿のことではなく、信仰によって神の恵みとして与えられる、永遠に滅びることのない生命のことです。

イエス、キリストは、神にそむいた罪のために、この生命を失って滅びに向って生きている私たちに、もう一度永遠の生命をとりもどさせ、本当の人間として生かすために、ご自分の生命を十字架におささげくださったのです。永遠の生命とは、イエス、キリストを信じる者に与えられる生命のことです。アーメン。