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環境的投資革命コミュの勉強シリーズ3地場産材の家

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さて、前回は、輸入材に駆逐された結果、お金が廻らなくなってしまったことが、日本の森林を「衰退」させている主因という話を致しました。

では、どうしたらいいか?

今一度問題を整理してみましょう。

・国内の木材需要は、家、紙、箸など、まだまだ旺盛である。
・しかし、輸入自由化以降、安価な海外材が主流となった。
・その過程で、国産材の経済が破綻。国内の加工工場や流通網が駆逐されてしまった(倒産が相次ぎ、跡取は都心に出向き過疎化)。
・現状では、国産材価格は底まで落ちているが、加工・流通がままならず、立木の供給量はあってもモノとカネが流れなくなっている。
・市場(消費者)側は、その結果国産材を使用したくても、手に入れること自体が難しくなっている(と考えられる)。
・ちなみに、国産材は(多くの)輸入材と比較すると、品質面では相当に高いといわれている。ゆえに価格も高かったが、今ではその品質上の付加価値が知られないまま、価格が底値になっている。


さて、このように整理してみると幾つか問題解決へ必要な物事が分かってきます。

>需要はそもそも旺盛である。
→これは再生する上で、最もGOOD NEWSですね。経営破綻する場合、需要そのものが衰退しているケースがあります。しかし、木材はそうではないのです。これは、日本人なら感覚的にも分かるでしょう。結構、生活の中に「木」はよく使われているからです。

>しかし、加工〜流通網が衰退した。
→ここが、第1の課題です。需要は旺盛なのに、市場にモノを運ぶ手段が無い、というのです。ただ、これも悲観する事は無いかもしれません。なぜなら、今の世の中は、(1)ウェブが発達した、(2)結果、流通を省いて直接市場にモノが運ばれる時代になった、からです。勿論、木材がウェブ流通に乗るかどうかは大きな壁があるでしょう。しかし、可能性がゼロではないのです。

>跡取が都心に出向き過疎化した。
→これが、第2の課題。林業に限らず、田舎が過疎化しているのはご存知の通りです。勿論、都心に憧れるとの考えもあるでしょうが、多くは「仕事がない」または「稼げない」のが主因でしょう。経済が廻らなくなると、当然職は失われ、若手の居場所が無くなっていきます。ただ、これもお金が廻り始めれば可能性が見えてきます。最近では、都会育ちの若者が、心休まる田舎で職を得て住みたい、と言い出しているのも事実。十分にお金が稼げる仕事があるなら、是非、森の仕事をしてみたい、と問い合わせが多いそうです。

>実は品質は抜群に良い。が、価格が底値である。
→これもGOOD NEWSですね。モノが悪ければ、やはり再生は難しい。しかし、日本の木材はとても優秀とのことです。しかもそれが「安い」状態になっている!これが本当なら、再生の可能性は十分あると言って良いでしょう。


上記のように考えると、問題はどうも「生産現場(つまり森林)」と、「市場(消費者)」の間が分断されていることが、お金が廻らない主たる原因のように考えられますね。

消費者が、日本の木材の持つ超一流の良さを認識すれば、もしかしたら市場はこちらを向き始めるかもしれない。そうすれば、仮に流通網が事実上死んでいても、産地と市場が直接つながることで国産材が流通しはじめるかもしれない。

そんな考えもあり、多摩の木材の良さを知り尽くしている建築家や棟梁・職人などの若手衆が集まって、あるプロジェクトが始まっています。

それは、「木家団」です。(モッカダン と読みます)

http://www.akigawamokuzai.or.jp/
(目次ページより、「木家団」をクリック)

http://www.geocities.jp/ohira_com/page002.html

木家団によると、木の家は、地場で育った木材を使う事が最も合理的な選択だそうです。木は切った後も生き続けますから、その地場の気候特性の中で育った木でないと、気候に適合できず、それが様々な不具合の原因になったり、生活空間に何かすっきりしない空気が流れたりするものなのだそうです。

確かに、法隆寺等古くからある日本の木造建築は、長く生き生きと残っています。それらは、全て地場の木材によってつくられています。

さらに、日本の木材はかなり大事に育てられた木材です。粗野な管理の下で育てられていません。綺麗に間伐し、丁寧に枝打ちされ、寸分の狂いなく加工される日本の木材は、材木としては超一級品といえるのです。

木家団の活動は、NHKでも取り上げられ、多摩地区の人達に少しずつ知られ始めたようです。現地にも、自分の家を建てる木を、切る前の段階で見定めに来る人が増えています。きた人達は、最初は半信半疑でも、実際の現場を見ると多くの人が多摩産材を選択して家を建てるようです。それだけ、地元の山に育った木材は、言葉は発せずとも説得力を持って目の前に立っているのです。

先述の通り、日本の森林経済は、様々な課題もあり簡単ではないものの、再生のチャンスが十分にあります。木家団のような動きはまだごく一部ではありますが、彼らのやっている事が実を結びつつあるということは、日本の森林経済に実力がまだ残っていることを示しています。

さて、現場では木家団のような活動が実を結びはじめていますが、次回はこのような再生可能性があると考えられる森林に対して、さらにドライブをかけダイナミズムを持ち込む金融的アプローチを考えるとどうなるか、を考えてみたいと思います。

(以上)

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