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医療者の笑える話コミュの忘れられない患者さん2

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理恵さん(仮名)は、びまん性肺疾患で入院されて
いましたが、退院後、経過は順調な方でした。

いつも表情が固く、暗い影のようなものを何となく感じて
気になっていました。

病院の外来は、いつも混んでいて、ゆっくりお話を
聴く時間がないのですが、あまりにも気になるので、
すこしゆったりした雰囲気で、理恵さんが話しやすくなるように
心がけていたら少しずつ、身の上の話をしてくれるようになりました。

結婚を機に、一度も来たことのなかったこの土地に引っ越してきたこと、

ご主人はお仕事が忙しく、1日中ほとんど顔を合わせる時間もないばかりか、
ひと言も話をしない日が続いていること、

小さいアパートの一部屋を借りて住んでいること、

この土地には当然友達もいなければ、街を歩いてもどこに何があるかもわからないこと、

実家や友達に電話をしても、胸の内を言えずにいること。

「毎日、朝起きてから夜寝るまで、どんなことをしていますか?」
とお聞きしたら、朝、ご主人を送り出した後、一日のほとんどを
アパートの一室で、一人で過ごしているのだそうです。

誰とも口をきかない日も珍しくないようで、それでは気持ちが沈んでも当然です。
当時は僕も未熟で、理恵さんの置かれた環境の厳しさを、正確に読み取ることが
できませんでした。

普通、経過が順調な患者さんは診察の回数を増やすと当然のことながら
嫌がるのですが、
「理恵さんは順調だから、本当は来なくてもいいところですが、
少し外の空気、お日様にあたった方がいいように思います。
ちょっと間をつめて診察に来てもらってもよろしいですか?」
と言ったら、ちょっと嬉しそうに微笑んだのを、思い出します。

その後、診察のたびに、理恵さんが話してくれる時間が長くなってきたので、
むしろそれを嬉しく思っていました。そして、数か月通院された後、
「もう大丈夫です。通院の必要はありませんよ」と言った時、
今にも泣きだしそうな理恵さんのさびしそうな目が忘れられません。

最後の診察の日、理恵さんは僕にこう言って下さいました。

「私の話を聞いてくれたのは、先生だけでした。先生がいなかったら、
きっと自殺していたと思います」

と目をうるませていました。そして、笑顔ではありませんでした。
その後、日々の忙しさに追われ、理恵さんのことも忘れかけていました。
その3ヶ月くらい後だったと思います。

理恵さんが、電車に飛び込んだのは。

2週間に1回程度しか合わないはずの医者が、一番会話を持った相手だった…
あまりにも悲しいことです。理恵さんの心からのご冥福と残された子供さんに、
幸あれと願うばかりです。

今日は理恵さんのご命日です。

コメント(2)

とてもいいお医者さんでよかったです
悲しく寂しい現実のお話ですが
私もお祈りしたいと思います

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