学生時代、父兄参観は生徒にとって一大イベントでした。クラスメイトのご両親をこの目で見る、貴重なチャンス!  私が中学に通っていた頃(約20年前)、クラス内では“上品な色気を発散するママ”と“不良時代の残り香が漂うパパ”が、実際に人気を集めていたっけ……。
じゃあ現在、子どもたちから人気を集めるのはどんなタイプなんだろう?

リカちゃんファミリーを見れば理想の夫婦がわかる!?
リカちゃんのママとパパを見ると、今の時代がわかる!?


その傾向を知りたければ、『りかちゃん』をチェックするべき! タカラトミーはリカちゃんのママである「香山織江」を14年ぶりに、パパである「香山ピエール」を26年ぶりにリニューアルし、4月30日より発売しています。この2人、少女たちの“理想のママ、パパ像”だけではなく、“理想の男性像”や“理想の夫婦像”、そして“その時代の家族像”を反映しているとのこと。ファッションから髪型から、まさに時代を体現する存在です。

では、まず『リカちゃんのきれいなママ』(希望小売価格:3,000円/税抜)からチェックしていきましょうか。今回のママは6代目で、「美しく、自分のスタイルを大切にするママ」がコンセプトです。具体的には、まず瞳をより大きく強調(つけまつげをしているようです)。
また、これまでは正面を向いていた瞳の目線をリカちゃんと同じ左向きにし、より若々しく仕上げました。よく見ると、親子で似た顔立ちになってるし。髪型は、センターで分けたロングのふんわりカールヘアです。

リカちゃんファミリーを見れば理想の夫婦がわかる!?
今回は“6代目”となる、香山織江ママ。


ここで、今までの歴史を振り返ります。今回は6代目となる香山織江ママですが、初代~5代目まではこんな感じでした。
【初代】1969年(昭和44年)「やさしいママ」
ファッションデザイナーという時代の先端を行くワーキングウーマンという設定で登場。
髪型は当時流行のアップスタイルで、かっこいい落ち着きのある女性を表現している。
【2代目】1979年(昭和54年)「NEW ママ」
「家事万能」を理想としていた時代のママ。髪はおろしてカールヘアで、垂れ目気味のやさしい雰囲気になっている。
【3代目】1985年(昭和60年)「フレッシュママ」
強くてたくましい母から、若くて美しい母が子どもたちの理想に。これまでのイメージを一新し、髪色は明るく、目は大きくパッチリと。丸顔で少し幼さの残る顔立ちで、かわいらしい雰囲気になった。

【4代目】1993年(平成5年)「ハッピースマイルママ」
母親であっても、いつまでも美しくあろうとする女性を表現。細面となり、美しさと共に凛とした強さを感じさせる大人の女性のイメージに変化した。
【5代目】2001年(平成13年)「サンシャインママ」
身長が約2.5cm伸びてスタイルよく、口元から白い歯がのぞいている笑顔が印象的。母と娘が一緒に旅行するなど“友達感覚の母娘像”を反映しており、丸顔で親子似た顔立ちに。

リカちゃんファミリーを見れば理想の夫婦がわかる!?
一番左が“初代”で、一番右が“5代目”。常に、時代や流行を反映しています。


続いては、『リカちゃんのやさしいパパ』(希望小売価格:3,200円/税抜)について。1989年に発売された初代以来の登場で、今回は2代目。
太かった眉毛はきちんと整えられ、少し下がり気味になった目尻はやさしさを強調しています。またスーツ姿だった初代と打って変わり、今回はシャツにデニムスのカジュアルなスタイルに。コンセプトは「積極的に育児や家庭に関わり、やさしく、カジュアルでスタイリッシュなパパ」。

リカちゃんファミリーを見れば理想の夫婦がわかる!?
26年ぶりにリニューアルされた、パパ・香山ピエールの“2代目”。


思えば『リカちゃん』発売時、パパは「行方不明」という設定でした。その後、1989年に初代が発売された流れには、やはり時代が影響しています。高度成長期の“モーレツに働く父親像”が変容し、週休二日制導入による“マイホームパパ”が登場した当時。
そして現代は、女性の社会進出や男性の積極的な育児への関わりを後押しする社会。「積極的に育児や家庭に関わり……」という2代目のコンセプトは、やはり2015年ならではか!?

リカちゃんファミリーを見れば理想の夫婦がわかる!?
初代はややダボッとしたスーツ姿。眉毛は太目で色黒です。


まとめると、2015年のママ・香山織江(33歳)は「美しく自分スタイル」で、2015年のパパ・香山ピエール(36歳)は「イクメンでイケメン」です。
(寺西ジャジューカ)