清原容疑者の次は誰か?東スポの”シルエットクイズ”の楽しみ方|プチ鹿島コラム

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すでに世間の関心は”清原の次”に?
すでに世間の関心は”清原の次”に?

 スポーツ紙や週刊誌の「清原バブル」はまだ続いている。「危ないんじゃないか、いや、まさか」というこれまでのヒソヒソが「あ、ホントに捕まった」。その衝撃が大きかったのか、今月中旬以降はすでに「清原後」の記事も多くなった。各紙、工夫をこらして危なそうな人物を匂わせているのだ。

「大物歌手ら8人急浮上」(夕刊フジ・2月13日付)など、ヒントを混ぜたつくりが目立つ。そうなると、あらためて注目したいのが東スポの「影絵」なのである。お家芸といってよい。

■東スポのシルエットクイズは”未知の強豪”を踏襲?

 ここ数年の実績をふりかえると、まず「ASKA事件」だった。2013年の7月24日付1面で東スポは「スクープ 超大物シンガー 薬物中毒 吸引ビデオで闇社会から脅迫も」と報じた。名前を伏せて「ミリオンヒット連発 ソロでも活動」というヒントを並べ、ASKAの写真代わりに影絵で見せていた。この正体は誰だ? というシルエットクイズで読者の想像力に訴えたのだ。

 この1週間後に週刊文春がASKAの実名を出して報道し(「シャブ&飛鳥の衝撃 飛鳥涼は「覚せい剤吸引ビデオ」で暴力団に脅されていた!」2013年8月8日号)、あの騒動が始まった。

 そして昨年秋。またしても影絵が登場する。『大物芸能人「薬物逮捕」へ!極秘内偵リスト入手』(東スポWeb 2015年10月1日)

「有名俳優Y」「肉体派系X」「大物俳優Z」を影絵で紹介して捜査当局にマークされていることを報じた。先日清原が逮捕された日に「肉体派系Xは清原だった」と紙面でさっそく告白。さらに、影絵は続く。

『スクープ!清原“マル暴資料”に音楽界超大物2人の名前』(東スポ・2月6日付)

《清原以外で名前が挙がっているのは2人の芸能人。押収されたクスリに関する“資料”の中に、2人の名前があった。どちらも水面下で薬物疑惑がささやかれてきた超大物。万が一、2人のうちのどちらかでも逮捕となったら、芸能界がひっくり返る。そんなビッグネームだ。》

 2人のミュージシャンを影絵で登場させていた。そして先週の『清原 シャブ仲間を暴露 大物司会者』(東スポ・2月25日付)である。

 ここにきて必殺のシルエットクイズが出まくっているのだ。いったい正体は誰だ? 読者は思わず興味をひきつけられる。この記事の作り方は「プロレスの歴史と歩んできた東スポ」というキャラも大きいと思う。たとえば未知の外国人レスラーや「パートナーXは誰だ?」と報道して読者に期待と想像を与えるという、往年の記事の作り方に似ている。

 文春や新潮のように実名を書けるまで伏せておくのが王道なら、影絵や行間で匂わせるのも芸だ。各紙(誌)を読み比べる楽しみが成り立つ。次の影絵は誰だ?

著者プロフィール

putikashima

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。

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