EU発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【EU発!Breaking News】“ストーンヘンジ”に新事実で考古学者ガックリ。見当違いの場所を掘削して90年。(英)

ロンドンからのバスツアーなどを利用し、世界中から大勢の人が訪れるイギリスの観光名所のひとつが、謎の遺跡「ストーンヘンジ」。その大きな重い石を誰がどこから持ってきたのか、考古学者らは長年ある土地に目星をつけ掘削作業を指示してきたが…。

ロンドンから約200km離れたイギリス南部のソールズベリー近郊にあり、緑の平地が一面に広がる中、突然姿を現すことで有名な「ストーンヘンジ」。直径約100mになるように円を描いて巨石が立てられており、夏至には円内中央の“祭壇石(Altar Stone)”と、円からやや離れたところに孤立する高さ6mの“ヒール・ストーン(Heel Stone)”を結ぶ線の上に太陽が昇る。

紀元前3100年~2000年の間に組み立てられたとみられる「ストーンヘンジ」だが、4~7メートル長で一番重いもので50トンもあるといわれる石を、どこから運びどう重ねたのかを含め、その遺跡はいまだに謎ばかりだ。そのような中で突然、ある種の石の掘削および研究についてロケーションに誤りがあったことが判明。考古学者や関係者らを困惑させている。

考古学者らはこれまで火成岩である11の“ブルーストーン”について、240kmほど離れたペンブルックシャーのプレセリ丘陵に位置する、カーン・メニンという土地から運ばれて来たという説を打ち立て、採掘作業と研究を進めてきた。だが火山岩についての第一人者で、1970年代からプレセリ丘陵について調査を行ってきた「ウェールズ国立博物館」のリチャード・ビヴェンズ博士は、このほどこう発表した。

「X線を用いた地質学上の研究において、ブルーストーンは“カーン・メニン”より1.6kmほど離れた“カーン・ゴードッグ(Carn Goedog)”という別の丘の露頭から切りだされ、運ばれたものと判断されました。先週それが証明されたことを知り、ポジティブなフィードバックにもほっとしています。巨石は人が運んだのでなければ、最後の氷河期において氷河が運んだ可能性もあります。」

何しろこれまで90年もの間、全く別の場所での研究が続いていたのだ。掘削チームは作業場所を大きく変えさせられ、長年にわたる見当違いに考古学者らは肩を落としている。ビヴェンズ博士は「このクリスマス、私の元には考古学者の皆さんからのカードは届きそうにありませんね」と話し、同情しているもようだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)