最新記事

イスラム過激派

ISIS、2人目の米ジャーナリストも殺害

前回と酷似した「殺害」ビデオの最後には、元イギリス兵の殺害予告もあった

2014年9月3日(水)18時17分
リジー・トメイ

新たな挑発 11年にリビアで取材中のソトロフ(中央、黒いヘルメット着用)。昨年シリアで行方不明になっていた Etienne de Malglaive/Getty Images

 イラク北部で勢力を拡大するスンニ派テロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)が、再びアメリカ人ジャーナリストを殺害したとするビデオを公表した。先月ISISがアメリカ人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリーの殺害ビデオを公表した時と状況は酷似している。

 米情報筋は現在、今回のビデオの信用性を検証している。米国務省のジェニファー・プサーキ報道官は、「もしこのビデオが本物なら、再び罪のないアメリカ市民の命を奪った野蛮な行為に気分が悪くなる」と語った。

 今回のビデオに出てくるのは、米タイム誌などに寄稿していた31歳のフリーのアメリカ人ジャーナリスト、スティーブン・ソトロフで、昨年シリアで行方不明になっていた。ソトロフの親類の代理人はAP通信の取材に対して、家族はニュースを聞いて悲しみに暮れていると語った。

 今週公表されたビデオは「アメリカへの第2のメッセージ」というタイトルで、その内容は先月19日に公表されたフォーリーの殺害ビデオに酷似している。

 前回同様、ビデオはバラク・オバマ米大統領がISISとの戦いを誓う場面から始まる。今回は、フォーリーの殺害が確認された後の先月20日のオバマの声明が使われている。

「我々は容赦しない。アメリカ人に危害が加えられるなら、それが世界のどこであろうと、正義が下されるために必要なことをやる。我々はISILに立ち向かう」と、ビデオでオバマは語る。

 次のシーンでは、ソトロフが黒い服に全身を包んだ兵士の脇でひざまずいている。フォーリーと同じように。ソトロフもオレンジ色のつなぎの服を着せられ、襟には小さなマイクが付けられている。

ソトロフは言う。「オバマよ、アメリカがイラクに侵攻したのは、アメリカ人の生命と財産を守るためだったはずだ。それなのになぜ、その代償を私が命で払わなければならないのか」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ファーウェイ、消費者向け事業トップが同部門の会長に

ワールド

米UCLA、イスラエル抗議でデモ隊が衝突 

ワールド

ブリンケン氏はイスラエル外相、ハマス幹部が批判 停

ビジネス

英製造業PMI、4月は再び50割れ コスト圧力強ま
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 7

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 8

    なぜ女性の「ボディヘア」はいまだタブーなのか?...…

  • 9

    衆院3補選の結果が示す日本のデモクラシーの危機

  • 10

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中